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スペインからノルウェーに戻る、鉄道で-最終日-

スカンジナビア半島の玄関口、スウェーデン・マルメに予定より1時間ほど遅れて金曜日の午前8時に到着。こんなこともあろうかとマルメからの列車を少し遅めにしておいてよかった。国際列車は異なる鉄道会社を文字通り跨ぐためか遅れが生じやすいということを頭の片隅に少しでも入れておくといいかもしれない。

ただ念には念を入れ過ぎたせいか次の列車は正午過ぎのヨーテボリ行き。到着が遅れても待ち時間は両手に有り余るほど。通常なら数時間をどう過ごそうか露頭に迷ってしまうところだが(ベルリンの時のように買い物という時間帯でもない)、今回は一味違う。マルメから次のヨーテボリまではスウェーデン国鉄・SJによるSnabbtåg、いわゆる急行列車だが今回はその列車の1等席を予約してあるので駅構内のラウンジが使用できるのである。これが今日程の隠し味。

SJラウンジの入口。下の動画より抜粋。
SJラウンジの中。下の動画より抜粋。

下の動画にもあるようにラウンジ内には飲み物はもちろんのこと、軽食や果物などを自由にいただくことができ、インターネットも簡単に繋ぐことができる。時間制限については特に受付で言われなかったので無制限だと思われるがどうだろうか。ラウンジでMacBookを広げて仕事をしているふりをしながら1通り飲み物や食べ物を堪能していると発車の30分前に。表示されているホームに行くとすでにSnabbtågが待ち構えていた。

車内清掃か点検なのかよくわからずホームで待たされるが、扉が開き乗車。スウェーデン内の大都市を結ぶ列車にしては短めの4両編成で、そのうち1等車は先頭の1号車。1等車にしてはなんとなく座席の幅が他のヨーロッパの車両より広いのは気のせいだろうか。これが北欧基準なのかも知れない。

マルメからヨーテボリまでは時折海岸線を通りながらひたすら北上する。北欧にもこんな砂浜があったのかと意外な景色を見ることができる。この辺りは外洋ではなくデンマーク・ユトランド半島とスカンジナビア半島の間のカテガット海峡に沿って行くもんだから、比較的波が穏やかで神奈川県の逗子海岸を思わせる、行ったことはないが。

海岸線の景色。動画より。

見え隠れする海岸線を堪能しながら2時間半後にスウェーデン第2の都市、ヨーテボリ中央駅に到着。次の乗り換えまで1時間半ほどしかないので、遅れないか心配したがJRに匹敵するほどの定時性。

ここまでくるとノルウェーまであと一歩と行ったところ。鉄道でオスロまで直で行くことができるが今回はノルウェーの鉄道会社Vyが運行する国際都市間バスで移動する。

ヨーテボリ中央駅直結のバスターミナルで明らかに某フライドチキンチェーンを意識したであろうお店("NFC Gothenburg"で検索)で遅めの昼食をとり、バスに乗り込む。実はこのバスを利用するのは2回目で下の動画は昨年の夏にヨーテボリに旅行した際に乗った2階建てバス。今回はなぜか1階建。

ヨーテボリからオスロまではおよそ3時間ほどで到着。金銭的に余力があればオスロで1泊したいところだが、今回はそのまま夜行列車に乗って最終目的地・ベルゲンまで。ただその列車の発車まで6時間以上もの時間を持て余すのでオスロに住む友人に相手をしてもらうことに。ほぼ太陽が沈まない6月の北欧、まだ大丈夫だろうと酒を飲み交わしていると発車の15分前になり、酔いも吹き飛ぶ早歩きでオスロ中央駅のホームへ。

これまで何度も乗ったことのあるオスロ・ベルゲン間の夜行列車だが、今回は新しく導入された階級・PlussNattで移動。動画を見ていただければお分かりのように、シートが完全に横倒しになりベッドとして快適に眠ることができる飛行機でいえばビジネスクラスのようなもの、乗ったことはないが。ただ他の客と仕切るものはほぼないに等しいので、消灯時間になっても修学旅行のようにはしゃぐ若者2人のおかげでしばらくは眠れなかった。とはいえ、各席にあてがわれる窓の大きさは1畳分くらいありそうなほど大きいので起きた時の景色を十分に楽しむことができた。ベルゲンまでおよそ7時間の旅。正直、もう少し時間がかかってもいいので9時間は乗っておきたいところ。

最終目的地・早朝のベルゲン駅

というわけでスペインからノルウェーまで4泊5日の日程(うち、夜行列車2泊)で陸路で移動してみた。やっておきたい100のリストの1つだったので、お金のことは基本度外視。いずれは全く別の経路で。

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