一翔 / いちかぷろじぇくつ

なんでも屋の日記帳

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表現道場 御品書・受講の手引き 2024

予告:6/17(月) 〜 9/8(日) は、夏期特別期間となります。レッスンの実施スケジュールおよび…

[ にくたらしくて しかたないでしょう ]

知らない……

[ あなたも おなじ ]

痛いよ。割れるように頭が痛い。

[ ようこそ こちらがわへ ]

やめて。

[ よぉぉぉぉぉぉぉぉぉうぅぅぅぅぅぅぅぅこぉぉぉぉそぉ ]

やめてってば!

[ アハハハハハハハハハ ]

毒に侵される。甘く、痺れる。
…快楽の中で、意識を手放す。

「普段は隠してるんです。不用意に×しちゃうと、困るから」

蝕む。掻き乱す。滴って、堕ちる。
どろどろに溶けたその後で、全てを後悔してしまうほどに──

「こわくないよ ちかくにおいでよ」

──壊れて仕舞えばいいのに

夢を見た。僕はかつてのように、広い舞台の上で、スポットライトを浴びて、輝いていた。歓声、熱気……レビューを僕が支配している。これ以上ない、幸福。

……瞬間、目の前が崩れ去る。待って。僕はこんなところで終わりたくない。微睡みの中、伸ばした手は──もう届かない。夢の終わりと、絶望。

考えても、答えは見えない。仄暗い海に、差し込む光……そんな幻想を、漠然と抱いていたのかもしれない。幻想は幻想でしかないのだから、潔く前を向いたらいいのに。いつまで床を眺めている?燻ったままで、何が楽しい?嘲笑う声。うるさい。うるさいってば!好きでこうなってるわけじゃないのに……

満たされない。なにをしても満たされない。あれも違う、これも違う……満たされるもの・ことを探して……探し続けて、すっかり疲れ果ててしまって、その場にうずくまって、ひとりでぼやく。こんなにひどいめに、ぼくだけが?周りを見れば楽しそうな人たちの姿があった。それがどれだけ羨ましかったか。

何をしても、楽しくない。がんばれない。がんばりたくない。つまらない。つまんない。つまんないよ。ずっと、こんなにも苦しんでるのに、誰も助けてくれなくて、ぜんぶいやになって今にもその一歩を踏み出して奈落の底まで墜ちていけたら、どれだけしあわせになれるだろうか。見当もつかなかった。

午前3時、自室。目を覚ます。パソコンのディスプレイが煌々と光っている。
……また、うまく眠れなかった。心が騒がしいのは、明日からの希望か?それとも昨日までの後悔なのか?ひとつだけわかるのは、二度寝することを身体が求めているということだった。
──もうすこしだけ、おやすみ。

人の温かさに触れる。それなのに、なぜか言葉で言い表せないような気持ちになってしまう。
かかわり、生きることさえも拒絶してしまう哀しい心────もう、心とも呼べないような、ぼろぼろになってしまった、壊れてしまった、それでもかつては心だったなにかが、ずきずきと痛んだ。

淡い緑のメロンソーダ。栓を抜いて、透明なグラスに注ぐ。きめ細かい泡が、鮮やかな色の中を泳ぐ。水面まで泳いで、消える。
厭だ。消えたくない。僕の存在がなくなった後も、誰かの記憶の中にお気に入りとして生き続けたい。
その願いも虚しく、薄れていく、埋もれていく、消えていく────

ことりはとってもうたがすき
かあさんよぶのもうたでよぶ

……やがてうたうことに意味を見出したその時から、苦しみが始まったのだと思う。歌は好きだけれど、誰かに聴いてもらうための歌その過程までもが自分の中でひどくつらく感じられた。

うたうことが心からのよろこびなのに……どうして?

麦茶を飲みながら、ふと考えてしまった。理解されない苦しみに鼓動が波打つ。涙が流れて、胸が締め付けられる。思わずその場で意識を手放す……

……飲みかけの麦茶は、とっくにぬるくなっていた。無理矢理、流し込む。咽せる。些細な苦しさまでもが僕を蝕む。

もう苦しみたくないのに。

もう、かなしいともおもえなくなってしまった。
ただ、なにもないきもちがひろがった。

このなみだがかわいたら、ひびがはいって、ばらばらにわれてしまうようで……すこしこわい

はやくだれかに、たすけてほしい。
たすけてほしく、ない……?

わからない。わからないよ。

僕は────

めぐる無意味の輪廻の中。君の暖かさに触れたその刹那、凍りついた僕の記憶が少しずつ溶け出した。

痛い。割れるような衝撃が襲う。痛い。視界が歪む。痛い。思考が奔る。痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い



-動作を停止しました-

再起動しますか?

眼を開き、ぼんやりと天井を眺めた。
その模様や、シミの位置までもが、鮮明にわかるようだった。
色のない世界。小さく白い箱の中でやがて生を終えることを、心のどこかで怖がっていたのかもしれない。
思わず、安堵のため息が漏れ聞こえ、それは蝋燭の灯を吹き消すように伝播した。

わからない。

どうして吐き出せない?
吐き出したところで報われない?
誰も助けてはくれない。
救いの手を差し伸べられるわけにもいかない。

僕はもう輝けない。
さっきから涙が溢れて止まらない。

……悪魔だけは僕に背かない。
きっとこの心までも奪い去ってくれるに違いない。

表現道場 御品書・受講の手引き 2024

予告:6/17(月) 〜 9/8(日) は、夏期特別期間となります。レッスンの実施スケジュールおよび…

[ にくたらしくて しかたないでしょう ]

知らない……

[ あなたも おなじ ]

痛いよ。割れるように頭が痛い。

[ ようこそ こちらがわへ ]

やめて。

[ よぉぉぉぉぉぉぉぉぉうぅぅぅぅぅぅぅぅこぉぉぉぉそぉ ]

やめてってば!

[ アハハハハハハハハハ ]

毒に侵される。甘く、痺れる。
…快楽の中で、意識を手放す。

「普段は隠してるんです。不用意に×しちゃうと、困るから」

蝕む。掻き乱す。滴って、堕ちる。
どろどろに溶けたその後で、全てを後悔してしまうほどに──

「こわくないよ ちかくにおいでよ」

──壊れて仕舞えばいいのに

夢を見た。僕はかつてのように、広い舞台の上で、スポットライトを浴びて、輝いていた。歓声、熱気……レビューを僕が支配している。これ以上ない、幸福。

……瞬間、目の前が崩れ去る。待って。僕はこんなところで終わりたくない。微睡みの中、伸ばした手は──もう届かない。夢の終わりと、絶望。

考えても、答えは見えない。仄暗い海に、差し込む光……そんな幻想を、漠然と抱いていたのかもしれない。幻想は幻想でしかないのだから、潔く前を向いたらいいのに。いつまで床を眺めている?燻ったままで、何が楽しい?嘲笑う声。うるさい。うるさいってば!好きでこうなってるわけじゃないのに……

満たされない。なにをしても満たされない。あれも違う、これも違う……満たされるもの・ことを探して……探し続けて、すっかり疲れ果ててしまって、その場にうずくまって、ひとりでぼやく。こんなにひどいめに、ぼくだけが?周りを見れば楽しそうな人たちの姿があった。それがどれだけ羨ましかったか。

何をしても、楽しくない。がんばれない。がんばりたくない。つまらない。つまんない。つまんないよ。ずっと、こんなにも苦しんでるのに、誰も助けてくれなくて、ぜんぶいやになって今にもその一歩を踏み出して奈落の底まで墜ちていけたら、どれだけしあわせになれるだろうか。見当もつかなかった。

午前3時、自室。目を覚ます。パソコンのディスプレイが煌々と光っている。
……また、うまく眠れなかった。心が騒がしいのは、明日からの希望か?それとも昨日までの後悔なのか?ひとつだけわかるのは、二度寝することを身体が求めているということだった。
──もうすこしだけ、おやすみ。

人の温かさに触れる。それなのに、なぜか言葉で言い表せないような気持ちになってしまう。
かかわり、生きることさえも拒絶してしまう哀しい心────もう、心とも呼べないような、ぼろぼろになってしまった、壊れてしまった、それでもかつては心だったなにかが、ずきずきと痛んだ。

淡い緑のメロンソーダ。栓を抜いて、透明なグラスに注ぐ。きめ細かい泡が、鮮やかな色の中を泳ぐ。水面まで泳いで、消える。
厭だ。消えたくない。僕の存在がなくなった後も、誰かの記憶の中にお気に入りとして生き続けたい。
その願いも虚しく、薄れていく、埋もれていく、消えていく────

ことりはとってもうたがすき
かあさんよぶのもうたでよぶ

……やがてうたうことに意味を見出したその時から、苦しみが始まったのだと思う。歌は好きだけれど、誰かに聴いてもらうための歌その過程までもが自分の中でひどくつらく感じられた。

うたうことが心からのよろこびなのに……どうして?

麦茶を飲みながら、ふと考えてしまった。理解されない苦しみに鼓動が波打つ。涙が流れて、胸が締め付けられる。思わずその場で意識を手放す……

……飲みかけの麦茶は、とっくにぬるくなっていた。無理矢理、流し込む。咽せる。些細な苦しさまでもが僕を蝕む。

もう苦しみたくないのに。

もう、かなしいともおもえなくなってしまった。
ただ、なにもないきもちがひろがった。

このなみだがかわいたら、ひびがはいって、ばらばらにわれてしまうようで……すこしこわい

はやくだれかに、たすけてほしい。
たすけてほしく、ない……?

わからない。わからないよ。

僕は────

めぐる無意味の輪廻の中。君の暖かさに触れたその刹那、凍りついた僕の記憶が少しずつ溶け出した。

痛い。割れるような衝撃が襲う。痛い。視界が歪む。痛い。思考が奔る。痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い



-動作を停止しました-

再起動しますか?

眼を開き、ぼんやりと天井を眺めた。
その模様や、シミの位置までもが、鮮明にわかるようだった。
色のない世界。小さく白い箱の中でやがて生を終えることを、心のどこかで怖がっていたのかもしれない。
思わず、安堵のため息が漏れ聞こえ、それは蝋燭の灯を吹き消すように伝播した。

わからない。

どうして吐き出せない?
吐き出したところで報われない?
誰も助けてはくれない。
救いの手を差し伸べられるわけにもいかない。

僕はもう輝けない。
さっきから涙が溢れて止まらない。

……悪魔だけは僕に背かない。
きっとこの心までも奪い去ってくれるに違いない。