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作り込まない

ビジネス本を読んでいると、たまにお目にかかるのが、「作り込まない」方が良いという提案です。

人事関連部署で働いているので、人前で喋る機会が少なくないです。採用の説明会や、式典の進行、会議の司会などとなります。

全くの出たとこ勝負でやれるほどの度胸も力量もないので、アウトラインは整理しておきます。固有名詞は間違うわけにはいかないので、ペーパーを見ながらの場面もあります。

でも、それ以外は一字一句作り込むことは一切しません。若い時からそうでした。棒読みはとにかく避けなければならないことは言うまでもないのですが、そればかりだけが理由ではないです。

作り込むと、自分自身が面白くないからです。

随分と余裕があるなと言われかねないですが、本心です。

ひょっとすると、フリーズして沈黙が流れたときに、パニックになったらどうしようという恐怖はあります。それよりも、火事場の馬鹿力ではないですが、追い込まれたときに、捻り出された言葉に自分が出会いたいというマゾヒックな欲望が顔を覗かせます。

人は思っていることも思っていないことも、言葉にできます。

しかしながら、

日頃から、思っていることしか、たぶん、聞いている人間には届きません。

届かないと意味がないので、クールに決めようよりも、作り込まないという小さなギャンブルをします。

トークは生きもの。




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