【音楽感想文】MonsterZ MATEの新譜「VIVA MATE」が名盤だったので1曲ずつ感想を書く/ エピローグ:どでかい愛をくれたってワケ

バーチャル音楽ユニット「MonsterZ MATE」の新譜である「VIVA MATE」というEPが出た。聞いた。ワオ。すっごくいい。

MonsterZ MATEの1stEP「VIVA MATE」ジャケットイラスト(2023年5月21日リリース)

「VIVA MATE」ってタイトル、勝手にこっちへの愛の言葉だと思ってる

「VIVA MATE」っていうタイトルを初めて聞いたとき思ったことは「節目の記念盤っぽいタイトルだなー!」ってことでした。

MZMを知らない人がこのエントリを読むとは思えないんですが、一応MonsterZ MATEについて以下で軽く説明します。


「MonsterZ MATE」のコーサカ(左)とアンジョー(右)<イラスト:しのとうこ>

MonsterZ MATEは、ボーカル担当の狼男「アンジョー」(画像右)とラップ担当の吸血鬼「コーサカ」(画像左)の二人からなる、男性VTuberコンビ。

Youtubeチャンネル「MonsterZ MATE」での動画投稿と音楽活動が主たる活動。
チャンネル登録者数が21万人を超える人気Youtuber(2023年6月現在)でありながら、もう一本の活動軸である音楽活動においても、インディーズで1枚のシングルCD(現在絶盤)、メジャーレーベルで3枚のフルアルバム「MZM」「255」「WalkerZ」(現在一部絶盤)をリリースするなど、コンスタントな活動を行っている。
2023年5月21日には活動5周年を記念したワンマンライブ「大騒動」の開催に合わせ、1stEPとなる「VIVA MATE」を再びインディーズでリリース。
(今回の記事で触れている作品はこの作品)
ワンマンライブはもちろん、様々なフェスや音楽イベントにも精力的に参加。人気VTuberとしてはもちろん、実力派音楽ユニットとしても知られている。

(もし、もしMonsterZ MATEのライブを未見の方いらっしゃったらまじで本気で一回でいいんでご覧にになってください。「は? まじか?」ってぐらいエグすごパフォーマンスで「ワッ!」ってなるので。
個人的におすすめのライブは以下の二つ。
配信アーカイブが絶賛販売中なのでぜひ! 本当に! 騙されたと思わないで! 全力で信じた上で! ぜひ見てほしい!!)

  • おすすめMZMライブその1:MonsterZ MATE 2nd Anniversary LIVE -Flags-

  • おすすめMZMライブその2:MonsterZ MATE 3rd Anniversary LIVE -UNITE-


企業所属のVTuberながら、企業の所属・非所属の垣根、さらに各所属企業の垣根すら飛び越えて様々なVTuberとのコラボを行うことでも知られている。

Youtubeチャンネルの公式リストの中からおすすめのリストもご紹介しておきます。

  • MonsterZ MATEチャンネルおすすめリストその1:「入門編」

  • MonsterZ MATEチャンネルおすすめリストその2:「Music Video」

  • MonsterZ MATEチャンネルおすすめリストその3:「音楽コラボ」


流れの早い「VTuber」(バーチャルYoutuber)というジャンルにおいて、ライブ配信を行う活動者が増える中、主に動画の投稿をメインで行う、通称「動画勢」の代表的な存在として着実に人気を積み重ねている。

地道な活動で着実に道を作りながら活動を続け、さらに先へ進むための歩みも止めずにいてくれる。
そんな二人がMonsterZ MATEというユニットです。

全力でふざけるし、全力でかっこいいし、とにかくクリエイティブに対していつも真摯であろうとする、二人のその姿勢に私はとんでもなく救われたし力をもらっている日々なのですが。

「VIVA」って愛じゃん? やったねハッピー。

今回の「VIVA MATE」というタイトルは、この人たちがこれまで積み重ねてきた活動と、その活動に関わった人たちへのラブレターなのかもしれないなあーって思ったんです。

「VIVA」ってざっくり和訳したら「ばんざい」って意味ですけど、贈る相手への賛辞やリスペクト、陽の好意とか、そういうのがいっぱい詰まった言葉だという認識が私にはあって。
いろんなことがあるけど全部まとめてかかってこーい! まとめてみんな受け止めてやるー! みたいな明るい愛でいっぱいの言葉だなって思ってたんスよね。

活動5周年。ここまでの道のりの中で、本当に色々なことがあったらしい。楽しいも嬉しいも、悲しいも苦しいも怒りも、きっとめちゃくちゃに乗り越えて5周年を迎えてくれて。そして今なお活動を続けている二人が、お互いへ、そして、関わってきたVTuberさんやスタッフさん、ようはすべての関係者への愛と感謝を「VIVA MATE」というタイトルに込めたんかなあーって。

そんなふうに思っただけでもこっちは満足。超幸せ。ハッピーが詰まった盤を手に取れる幸せってすごいじゃないですか。それ。
それだけで充分すぎるほど充分だったんですが。

「あ、わたしたちだってメイトなのか」って。

あるときに「VIVA MATE」のことでアンジョーさんがされたツイート(以下参照)を拝見して、限界オタクと化した私は「あっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ってなったんですよね…。

オタク仲間とジャケットのイラストとか帯裏のデザインなどを見て話してたんです。

「この車4人乗りだから、煩悩メンバー(MZM、天開司、佐藤ホームズ、歌衣メイカ、あっくん大魔王:敬称略)は全員乗れないよね」
「でも誰か待ってんのよな」
「薬局で水買ってるけど6本じゃないしねえ」
「まあゴキゲンドライブなんだろうね、いいね」
「楽しい瞬間見せてもらえてね、我々のようなオタクにもハピネスおすそ分けしてもらえてハピネスってことだよね」

オタクの限界トークより

こちらご覧頂いてもおわかりかと思うんですが「まさか自分たちが待たれているとは思っていない」わけです。

それがこんな。え。同乗者が我々……? そん、そんな、えっ? えっ……?

まあ戸惑ったわけですが、そうなってくると話も変わってくるわけですよ。「あっ、VIVA MATEのMATEって、関わってきた制作側の人たちだけじゃなくて、我々リスナーのことも含んでくれてるのか……!」って、私はエウレカしちゃったわけです。
もし風呂入ってる最中に気づいてしまったら私は全裸で街中を駆け巡っていたことでしょう。

我々リスナーのこともまとめて「かかってこーい!」って思ってくれてるし「ぜんぶまとめて抱いてやるー!」(「君に届け」っていう漫画の名シーンより)って意気込みでいてくれてるような、そういうことかい? って思ってしまって。

このツイートを見てようやく「ああ、MZMのふたりは、こんな形でわれわれにまで愛を伝えてくれるのか」と思って打ち震えました。
こんなのラブレターじゃん。どでかい愛じゃん。受け止めるしかないじゃんね。ありがとう。

円盤のタイトル見ただけでこんなに様子おかしくできるオタクでいられて、私はやっぱり幸せだなあ。

「VIVA MATE」は多分一緒に年を取ってくれる盤だと思う

個人的に「VIVA MATE」の何が一番よかったかって、一言でいえば「一緒に闘ってくれる」かつ「一緒に年を取ってくれる」音楽の宝箱だったってところ。

人生の節目とか「今ここが勝負どころ」みたいな、自分の生き方が変わるかもしれないイベントって、生きていれば多かれ少なかれ誰にでもあります。
そんな「人生かけた大勝負」のとき、この盤と一緒にいればちょっと自分を強くできるなって思えるというか。
自分にハッパかけたいとき、何も言わずに寄り添ってほしいとき、とにかく前に行くしかないとき。そういうときにこの「VIVA MATE」は私のそばにいて寄り添ってくれるんだろうな、って素直に思える盤でした。
「ここぞ!」っていうときに一めちゃくちゃ共闘してくれそうな。ありがたいです。

そんで、この盤はただ心強いだけじゃなくて、寄り添い感がとんでもない。
いつ聞いても、そのときどきの自分の立ち位置を確認させてくれる楽曲が、ほんとに宝箱にぎっしりみたいなイメージで収録されてて。
そこそこ長く生きてきたわけですが、こんな奇跡みたいな盤に出会えるのってとんでもないハッピーなんですよね。

自分が年齢を重ねていく中で折に触れて聴いていきたい盤って実はそんなに出会えない。
でもこの「VIVA MATE」は間違いなくそう思える盤で。
これはあまりにも幸福な出会いだなあと感じています。
自分の軸や芯を再確認するときにきっと何らかの指標をくれる盤になるだろうという謎の確信すら持ててしまう。

人生を一緒に歩いてくれて、一緒に年を取ってくれる。
そういう「ありがたい」「得ようと思っても簡単に得られない」ものをこんなに丁寧に出してくれたら、もう、ね。
オタクはただ「ああー出会えてよかったー!」と大声で叫ぶのみです。ありがとう。

「VIVA MATE」を聴いて思うMZMとリスナーの関係性のちょっとした変化について

「VIVA MATE」を聞いていく中で、MZMはリスナーのことを本当にちゃんと「メイト」って思ってくれてるんだろうなって思えたのが嬉しかったんですよね。
今までもきっとそう思ってくれてたんだとは思うんですが、それでも「大事なリスナー」と「演者」っていう線は明確にあった。
「VIVA MATE」では、その線がなくはないけどすこーし薄くなっているように、そんなふうに感じたんですよ。
だから今までより寄り添い感とか「一緒に行こう」みたいな感じが強い作品になってるのかも、って思って、オタクは一人で感極まって踊りました。

今までのMonsterZ MATEの楽曲からは「強い力でこちらを引っ張ってくれている」ようなイメージを感じることが多かったんですよね。
誰よりも先にいて旗を降ってくれていて「こっちだよ」って道をずっと示してくれていた。そんな印象でした。
でも、今回のEPは「向かい風を吹き飛ばす追い風を、こちらの背後からめっちゃ吹かせてくれてる」みたいな感覚を得られたというか。
強引に背中を押してむりやり先に進ませる傲慢な力強さじゃない。でも「先に行きたい」とか「前に進みたい」って思う気持ちを全力で後押ししてくれる。そういう優しい力強さがある盤だなあと感じました。

おそらくMZMという人たちは、受け取り側であるこちらの「受け取るときの感覚」をとんでもなく信じてくれている人たちなんだろうと感じています。彼らの全力を私たちが余さずちゃんと受け止めるって信じてくれてるからいろんな球種を見せてくれてるって思うとすごく嬉しい。
全力の豪速球とか際どい変化球とか、一歩間違えばボークになりそうなテクい球とか。
「お前らなら絶対取るだろ」
みたいに、信頼や信用よりもギアが1段上の心の寄せ方をしてくれてるから、こっちもそれに答えないと嘘でしょ、って思うわけですよ。

私たちはアーティストからめちゃくちゃに愛されている。そして、私たちもまた彼らをめちゃくちゃに愛している。
少しずつ関係性が変化してきたのは、根底にあるその事実が揺らがないからなんだろうなあ。そう思ってくれていたらいいなあ。と思います。

そんな彼らが力いっぱい投げてくれた「VIVA MATE」という作品。
それは、諦めの悪い私に笑って「そのまま行けよ、お前間違ってないから」ってゴーサイン出してくれる楽曲であふれていて。
「ザ・モンスターズメイト」みたいな、それでいて「ニュー・モンスターズメイト」だっても思えるような盤を、今このタイミングで出してくれたことに感謝しかないです。本当にありがとう。

「ラブレター」には「ラブレター」で返します

で、せっかくこんないい盤を出してくれた彼らへのファンレター代わりに、拙いながら「VIVA MATE」の感想文を書こうと思ったわけです。
全6曲で曲数も多くないので、1曲ごとに1エントリーの感想をちまちま書いていけたらと思います。

感想文一曲目の予定は「セレナーデ」
「StarZ」じゃないの!? って話ですが、拙者セレナーデに対する激重感情を抱えていて今すぐ吐き出さないとセレナーデの海に溺れそう侍ゆえ、義によって助太刀してもらえると嬉しいたけです。

このエントリーに「セレナーデ」の感想まで詰め込もうとしたけど諦めました!!

じゃあまた次の記事でお会いできたら嬉しいです。またね!

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