ボトルネック 米澤穂信(ネタバレ)

真綿で首をジワジワと閉められる。
絶望の物語

「この子大丈夫なんかな?」
そんな気持ちが序盤からもたげる
どんどん広がる
深まる

一つの不幸がサキの存在によって
回避されていく
それは決して
幸福ではないけれど
『最悪』から遠ざかっていく

本来ならそれは喜ぶべき事
だけど。。。

誰かに対して
「羨ましい」その一言を発する怖さ
色んな感情がズタズタになる
この言葉は呪いで
言った方も
そして言われた方も苦しめられる
身動きが取れなくなる
けれどリョウはそれをサキに放つ
分かった上でこの言葉を放つ
それは遺書のよう

こんなに苦しい物語で終わる訳ない
そう思いながら読み進めた
あと数ページ
あと数行
どうやって希望を見せる?
光をどうやって届ける?

届いたのは
さらなる暗闇。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,460件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?