本のエンドロール 安藤祐介

いやぁ良い本!

maker【メーカー】
1 製造業者。製造元。特に、名の通った製造会社。
2 物事をつくりだす人。「ヒットメーカー」

「印刷会社はメーカーだ」
「目の前の仕事を毎日、手違いなく終わらせる事です。」

本は誰が作っている?
作者?
作者と話し合いを重ねて構想を練って
最終刊行の判断をする編集者?

もちろん感覚的には「作者さん」一択。

でも今アタシのこの手の中にある一冊は?
誰が紙を作り、印刷し、製本したものか?
そして実質的にそれを今この手の中に持たすために
間をつなぐのは誰?

そんな人たちの戦いの日々が丁寧に丁寧に描かれていました。

作家の安藤祐介さん
すごく本を作ってくれてる皆さんに感謝してるんだろうな。
その溢れ出る「ありがとう」に何度涙することか

「営業」って言う仕事
必要だとは思っていたし、なければ会社ってお金を稼ぐ事が無理なのは理解していたつもり。
でも、理解した上で
実際作業をする人がいなければ稼働しない業態が多い
だから順位的?には
職人さんが上にいてるようなイメージが拭えずにいました。

けれどこの本読んで思う
営業さんってある意味その会社の事を誰よりも愛さないと成り立たない仕事だ。って
じゃないと仕事できない人になっちゃうんだって
この小説だと「本を印刷する」と言う事を一番愛してる人が営業。

あーー〜ーーー良い本だったなぁ

山場がたくさんあるわけでも
クラシック音楽のように
ラストに向けて大きな盛り上がりを見せるわけでもなく
少しの誇張や
現実よりも綺麗事は散りばめられていたのかもしれないけれど
ほこっとあったかくなって
あ、仕事がんばろって思える
そんな一冊

今の仕事は天職だ。
そう言い切れる人は、ほんの一握りで、多くの人は今の仕事ではない仕事、
今の人生とは違う別の人生にかすかな憧れを残し、ぼんやりと引きずって生きているのかもしれない。
それでも、今目の前にある仕事に全力を尽くす人がいる。
たとえ天職でなくてもいい。
この仕事をやっててよかった。
そう思える瞬間が日常の端々、ところどころにあればそれはきっと幸せな事だろう。

いやあ良い本だったー!!!
ベスト5に入るかも・・・

本のエンドロール
風が強く吹いている
プリズンホテル

なんせかなり上位
読み終わった瞬間
もう一度初めから読み直したいと思えた本は久しぶり

ちなみに次のページの内容が早く読みたくて
ページめくる手、焦ったのは
模倣犯

今週のお仕事はもうお終い

来週もまた頑張って生きよう。


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