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交通事故で入院中の病室日記その1

スタートは青信号

2月3日は木曜日。早めに帰宅できたので色々やることを考えながらの徒歩帰宅であった。今日も1日主な仕事は無し。仕事がないって言っているのに、ちっとも課長は話を聞かない。っていうか、そんな話には聞く耳持たないって感じね。まあ、どうでもいいんだ。仕事干されていたって今日も子育て小説1本書き終えてアップしてきたばかり。気分は上々。さっさと帰って、振り込みやら、止まったカードの再稼働のための入金やらをやらなくては。今日は木曜日。クラブハウスモデレータはない日だから、ゆっくり夕食が作れるぞと張り切って環七の横断歩道に向かう。
「ラッキー、変わったばかりの青信号。点滅もしてないので今のうち」とばかりに横断歩道に走り込んだ。

衝突!!


と、その時。右側から何かが来た。「お、こいつ止まらないな」と一瞬思ったことを覚えているので、トラックにぶつかった瞬間の記憶はこれ。今思い出してもちょっと笑える。
倒れた瞬間頭を打ったから、起き上がれたら「あ。大丈夫です」って言おうと思っているうちに、体がグルンと一回転してリュックが外れてオーバーが脱げそうになった。

「大丈夫ですか」女の人の声で気がついた。「大丈夫」は言えないくらい足が痛い!!なにこれ、動けないじゃん。立ちあがろうとしたが、左足が激痛でそれどころではない。
「道の端に動かしたんだけど」
「頭を打っているから、あんまり動かさないほうがいい」
「車に轢かれないようにしないと」
何人かの声がする。視線を動かすと、救急車を呼んでくれている電話している男性の姿、左折するトラックを誘導してくれている男性の姿、そして私の手をしっかり握ってしきりに声をかけてくれる女性。
救急車が来るまでに、たくさんの通りすがりの人が助けてくれた。名前も知らない親切な人たち。本当にありがとう。

その時運転手は


救急車が来る前に、私を引いたトラックを運転していた若いにいちゃんがやってきた。
「すいません。大丈夫ですか」(大丈夫じゃないの、見てわかんないの?)
「○○がきていたもんで、そっちに気を取られて。気がつかなくって、、、」(あんたが気にすべきなのは、○○じゃなくって、青信号の横断歩道を渡っている歩行者だよ)
兄ちゃんに、いちいちツッコミを入れたかったが、残念なことに足の激痛でそれどころではなし。でも。ここで思ったことは。「よかったねぇ。私を轢き殺してなくて。生きてるよ」ということ。
ツッコミといい、運転手の兄ちゃんに対して思ったことといい、ずいぶん余裕があったなぁと今更思う。

救急車到着

なにしろ事故にあったことを長女に知らせようと、携帯電話をかけている途中で救急車が到着。何は無くともストレッチャーに乗せられて、救急車の中へ。
「お名前をフルネームでお願いします」
「関根千秋です」ここは、できる限りの大声で。なにしろここ数ヶ月、職場で普通に話をしようとすると、すぐに課長がやってきて「しー!」ということ何度となく。リモート研修で発言を求められて、話をしている時も同じ。私、そんなに大声かしらん、と思いながら声を出すのを自粛していたのだけど、今はいいでしょ、今は。この後、病院で、手術室で、何度も「お名前をフルネームでお願いします」と声が掛けられ、その度にできる限りの大声でフルネームを叫びまくった(笑)数ヶ月のストレスここで解消!!

職場へ、家族へ、と電話連絡をしているうちにふと頭をよぎったのは、
「コロナ禍で病院もぎゅうぎゅうだから、こんな時に交通事故に遭ったりしたら入るところがなくて死んじゃうよね。事故には気をつけようね」
なんて、話していたこと。しかし、そんな不安は一瞬で払拭。
「これなら墨東の救命が受けてくれる」
救急隊のこの一言の後にすぐ救急車は動き出した。さすが都立墨東病院!交通事故の怪我人は見捨てない。

病院到着、手術室へ

手術室に入って名前を聞かれた後、驚愕の台詞
「服、全部切りますよ。手術できないんでね」
「えー!!」
と、若干の抵抗。
「服は、後で買ってくださいね」
の一言の後、無惨にセーターから下着までバシャバシャ切られた。この時思ったことは、
「畜生!第三者(交通事故で加害者がいる入院)だから、カシミヤの一番高いセーター請求してやる」
その時着ていた、昨冬買ったばかりのお気に入りのカシミヤのセーターは、ここでさようならとなった。悲しい、、、

手術後病室にて

手術後、別居中の夫が取るものもとりあえずぶっ飛んできて、面会5分ぐらいした。その時の会話はこれ
「連絡ついたんだ」
「事故ったって聞いたから飛んできた」
「で、離婚するのしないの」
「しない」
「帰ってくる気あるの」
「ちあきさんと入れ替わりに」
「は、変わらないね」

今思い出しても、もうちょっと違うことを言うべきだったんじゃないのかとか、家族をよろしく頼むとか、反省しきりなんだけど、この時だって優しくしてあげようとは思ったんだよ。本当に私ってやつは。

翌朝、執刀した整形外科の先生たち(3人)がきて、
「1、2ヶ月の入院じゃあとても治らないからね」
と、言われた。
いや、ラッキーと思ったねぇ。あの「職場」に2ヶ月以上戻らなくていいんだ。仕事がないところで、仕事のふりをしながら小説執筆しなくても、病室で堂々とかけるわ。長期バカンス万歳!
しかも、交通事故で第三者。青信号の横断歩道を渡っていた私を引いたんだから、責任割合5部なんてことは絶対ないし。生命保険と損保合わせて3本も入っているんだから、補償はバッチリだし、何の心配もなし。

と言うところが、事故当日と翌日の顛末記。
この後の、娘と連絡とりながらの読書三昧の日々は、また「その2」で書きますね。

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