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そもそもファシリティマネジメントってな~に?


こんにちは、ファシリティマネジャーの宮田です。
早いところでは、公共施設等総合管理計画を作って10年が経とうとしています。月日が流れるのはあっという間ですね。。。
計画通りにプロジェクトが進んでいない、目標も全然達成できていない。施設を減らすどころか逆に増えてしまっているという声も耳にします。

ファシリティマネジメント(以降、FMとする)が上手くいかないのはなぜでしょうか?
施設所管課や住民、利用者、首長、議会など関係者のはざまで揺れる、悩み多きFM担当の皆さんの声に耳を傾け、上手くいかない要因を、これから一つ一つこのメルマガで紐解いていきたいと思います。



何のためにやるの?

まず、「ファシリティ」って何か知っていますか?これは、物理的な場所(土地・建物・設備・構築物等)や環境を指します。例えば、オフィスや学校、工場などです。「マネジメント」は簡単に言うと、”うまくやりくりすること”ですから、FMは、「組織がその場所や環境を上手に管理し、利用する人が快適に仕事や学びを進める手助けをすること」になります。快適なオフィスや学校環境があると、仕事も勉強も頑張るようになり、生産性が向上しますよね?それがFMの目的の一つです。

次に、お金の話です。FMは、予算をうまく使う手助けもしてくれます。例えば、効率的にエネルギーを使ったり、建物や設備のメンテナンスを計画的に行ったりすることで、無駄な予算をかけず節約できるようになります。これもFMの目的になります。

FMの3つのレベル

FMの取組みは多岐に渡りますが、取組み内容に応じて、3つのレベルに分けられます。(公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 HP参照)


経営レベル:全体最適化

FMの最上位のレベルは、組織の全体的なビジョンや目標に合わせて、保有する全てのファシリティの活用を、戦略的に計画・運営する経営のレベルです。組織の将来の方向性や戦略を考慮し、物理的な環境やリソースの配置、利用方法、更新改修計画などを策定します。このレベルでは、組織のビジョンに適した戦略を策定する力と全体を俯瞰して最適化を図る力が必要とされます。

管理レベル:個別最適化

管理レベルでは、組織の各部門や個別のプロジェクトにおいて、戦略を実現するための具体的な手段や対策を立てます。このレベルでは、組織の戦略と利用者のニーズの両方を把握し、最適な状態で具現化する力が求められます。

現場レベル:日常の維持管理

日々の維持管理・運営においてファシリティマネジメントの方針を実行に移すレベルです。具体的な業務プロセスやタスクに基づいて、施設や設備等の日常的な保全、清掃、修繕やサービス提供等を担います。
ここでは、使用や要求水準に応じて適切に業務を遂行する能力が求められます。

まずは現場レベルから

効果を出すために、総量縮減などの経営レベルの取組みから着手してしまいがちですが、功を焦らず、まずは現場レベルの取組みから始めましょう!
ここがしっかり出来ていないとどんなに素晴らしいビジョンや戦略、対策も絵に描いた餅になってしまいます。
現場レベルから管理レベル、経営レベルへと取組みのレベルを上げていくにつれ、得られる効果は大きくなりますが、成果が出るまでの期間も長くなります。
着実にわかりやすい成果を出すために、現場レベルの取組みから始めることをお勧めします。(目視の劣化調査や軽微な修繕も所管課の職員で対応できるようになるとメンテナンスの精度が上がり、維持管理のコストを大きく削減することができます。)

俯瞰してみれる人材が必要

FMはそれぞれのレベルで求められる能力が異なりますが、ビジョンや戦略を実現していくためには、現場を知り、管理レベル、経営レベルまで全体を俯瞰してみれる人材が必要不可欠です。
経営レベルの話だけでは、現場は動きませんし、逆に現場レベルの取組みだけでも、ビジョンや目標の達成はできません。

FMの取組みが上手くいっている団体をみると、現場を知りかつ俯瞰的にみれるキーパーソンが必ず存在するのは、実はこういう理由からなんです。

そんな人材うちにはいないよと諦める団体も多いと思います。。。
でも諦めないで下さい!施設マネジメントを担当する皆さんが求められる人材になれば良いんですw
求められる人材に必要なことを一つ一つこのNoteで発信していきますので、共に学んでいきましょう!

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