Sep19. わたしのとくいなこと
わたしはとても上手に時間を溶かせる人間であると思う。
やろうと思っていたことはほとんど手につかないし、
やらなければいけないことも半分できたらいい方だけれど、
時間を溶かすという行為にかけては
限りなくプロに近い、かなりの腕利きであると思う。
気がついたら時間が溶け出したかのようになくなっているのだ。
今日ふと、わたしが上手に溶かした時間はどこへ行くのだろうかと疑問に思った。
ほろほろとこぼれ落ちて金平糖になっているかもしれないし、星屑のかけらになっているかもしれない。そうして夜の空できらきらしているのかもしれない。
もしくはじゅわりと染み出て大地に行き届き、水となって木となって、草花の朝露に姿を変えて、やっぱりきらきらしているのかもしれない。
わたしは上手に時間を溶かすから、溶けた時間もきっと美しいはずだ。
わたしは明日も明後日も、上手に、素敵に時間を溶かして生きていきたい。
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