魔物

この伝説の扉を開けたら勇者がいて抱きしめて安心させてくれればいいのにきっと、ぎらりと笑う魔物が玉座に座ってて少年から尊厳を切り取っていくんだ。
スキスキスーフワフワフー
少年の小さな剣は魔物を惑わすことはできるけど倒せはしない。
空の色と春の香り混ぜてみれば恋の予感
鈍い痛みに慣れてきた頃には朝を迎えていて、でも帰る場所なんかなくて街をさまよいまた魔物を探す旅に出る。
つまづいた瞬間悔しさ噛み締めて笑顔見せる泣きながら
MP3プレイヤーから流れるけいおんで現実との境目に触れてまだ生きていることを確認する。
瞬き禁止全部全部見てて
そんな旅ばかり続けていたある日、ふと鏡に写る自分を見るといつの間にか魔物にそっくりな姿になっていた。
おはようおはようそこにいるの?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?