えれる

ミステリ好きです。日記感覚でいろいろ書いていきます。

えれる

ミステリ好きです。日記感覚でいろいろ書いていきます。

最近の記事

【原書レビュー】Sara Lövestam『Bedragaren』

以前レビューを書いた『Flicka Försvunnen』に続いて2016年に刊行されたクプランシリーズの第二作。今回読んだLättläst版の題名は直訳すると『詐欺師』。通常版は『Önska Kostar Ingenting(願いに金はかからない)』という題名だったようだ。 あらすじ前回の事件から3ヶ月、報酬を使い切ってしまったクプランはゴミ箱から回収した空き缶や空き瓶を売って生活していた。ある日、クプランがストックホルム郊外の高級住宅地でゴミ箱を漁っていると身なりのいい

    • 【洋書レビュー】Sara Lövestam『Flicka Försvunnen』

      スウェーデンの作家サラ・レーヴスタムが2015年に発表した『Flicka Försvunnen』を取り上げる。題名は直訳すると『消えた少女』。本書は同年に発表された『Sanning med Modifikation(修正された真実)』を移民や知的障害者にも読みやすいよう簡単な文法や単語を使って改稿したlättläst版で、読み味としては戦前の抄訳に近い。ただし、本書に関しては作者自ら改稿しているようなので作品の肝心な部分が省略されているリスクは低い点が抄訳とは明確に異なる。

      • 東京の古本屋でミステリを探す ~中央線編~

        はじめに前回は神田神保町の古書店を回った記録を書いたので、今回は中央線沿線の古書店を取り上げる。このエリアの特徴としては、まとまった古書店街こそないものの一駅~数駅間隔で品揃えのいい古本屋が点在している印象。回るときは乗り放題の切符を使うといいかもしれない。 今回も前回の記事と同様、時間が足りずに訪問できなかった店や休業していた店があった。是非また訪問したいものだ。 中央線沿線盛林堂書房(西荻窪) 西荻窪駅から南に少し歩いたところにある店。ミステリ系の同人誌の通販で利用し

        • 東京の古書店でミステリを探す ~神田神保町編~

          はじめにミステリファンの中には、旅行に行くときに野村宏平『ミステリーファンのために古書店ガイド』を参考にする人も多いかと思う。筆者もその一人である。しかし、同書が刊行されたのは2005年(執筆時期はさらに数年前)で、 その後閉店した店や新規開店した店も少なくない。そろそろ情報のアップデートが必要な時期になっている。 今回は備忘録を兼ねて、旅行中に訪問した都内の古本屋の印象をまとめていこうと思う。主な目当ては海外ミステリなので、ミステリに強い店を中心に取り上げる。 神田神保

        【原書レビュー】Sara Lövestam『Bedragaren』