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第18回ショパン国際ピアノコンクール特集(ピティナ)

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ピティナ(全日本ピアノ指導者協会)広報部が、2021年にワルシャワで行われた第18回ショパン国際ピアノコンクールをレポートした特集記事のアーカイブです。
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#飯田有抄のショパコン日記

note×ピティナ ♪ 角野隼斗さんトークイベント開催!

こんにちは。「ショパコン日記」を担当していた飯田有抄です。コンクールが終わって、早1ヶ月近くが経とうとしています。あっという間! そんな中、ショパンコンクールのピティナチーム情報発信のプラットフォームである、こちらの「note」さんと夢のようなコラボレーション企画が開催されました。角野隼斗さんとのトークイベントです! 今、配信されてから5時間ほどが経過したところですが、すでに1万8千回ほど試聴していただいております。ありがとうございます! 1時間ほどの配信番組でしたが、

飯田有抄のショパコン日記〜エピローグ:音楽で世界を元気で平和にするために

第18回のショパン国際コンクールが幕を閉じてから、早くも1週間が経ちました。結果発表日以降は、この日記を読んでくださっている方はもうほとんどいないかもしれません。けれど、3日前に帰国して、まだポーランド時間(=時差ボケ)で過ごしている私が、深夜にこっそり書きたくなったことを、この日記のエピローグとして、そっと置いておこうと思いました(その割に長文御免!)。 「伝統ある○○」といったとき、私たちはつい、その○○が長年変わることなく、ずっと古き良き形で残されてきた、とイメー

飯田有抄のショパコン日記60〜審査員の海老彰子先生に聞く。国際舞台で求められるもの

今年のショパン国際コンクールの全てが幕を閉じました。このコンクールを通じて感動できたこと、発見できたこと、学んだこと、みなさんそれぞれにあると思います。 現地からのショパコン日記のフィナーレとして、予選から長きにわたって審査を務められた日本からの審査員、海老彰子先生に伺った素晴らしいお話をみなさんと共有したいと思います。 今回のコンクールを振り返りながら、これからの音楽と音楽家のあり方について、考えさせてもらえる内容です。じっくりとお読みください。 ——まずは今年のコンクー

飯田有抄のショパコン日記59~日曜日の旧市街

コンクールの全日程も終わり、いよいよ明日には帰国というタイミング。のんびりと旧市街を散歩してみました。観光客であふれるスポットですが、広場ではデモなどもあって、石畳の旧市街は大変賑やか。しばしお散歩風景にお付き合いください。 午後3時頃。かなりの人出でした。 観光地なのでたくさんのお土産屋さんがならびます。こちらは琥珀が有名。 ポーランド食器! かわいいですよね。 巨大シャボン玉生成の男性。 日本では街の本屋さんが減っていたりして寂しいですが、ワルシャワは旧市街に限ら

飯田有抄のショパコン日記58~ワジェンキ公園でショパンからの声が?!

ワルシャワの観光スポットとしても人気の高いワジェンキ公園。日本国大使館のすぐ横に広がる、広大な敷地の公園です。この中に、とても有名なショパン像があります。 大使館の方から歩いて行くと、ショパン像まで美しい景色を楽しむことができました。 曇天の中、小さなカメラとiphone(古め)で撮影した写真です。荷物の関係でこの日は諦めた大きなカメラを、やっぱり持ってくればよかった!と大後悔(カメラ好きあるある)でしたが、記録したくなる瞬間の数々でした。 さて、公園内のやや山道っぽい

飯田有抄のショパコン日記57〜小林愛実さん、大使公邸にて

こちらの記事にて、ほぼ全貌をお伝えいたしました在ポーランド日本国大使公邸での宮島大使と反田さん・小林さんのお話は、とても和やかな雰囲気で、なおかつ核心に迫る言葉の数々もうかがえて、すばらしいお時間をご一緒させていただきました。 大使との懇談後、とてもリラックスした表情を見せてくれた小林愛実さん。その胸にはとても可愛らしい「♪」の形のネックレスが光っていました。いつも、演奏の前にそっと触れている、あのネックレスとのことです。 「もう15年ほども前に、当時習っていた先生からも

飯田有抄のショパコン日記56〜オペラ座での入賞者ガラコンサート

55の日記に書きましたとおり、にわかに固めた「黒くしときゃ大丈夫」コーデでお出かけしたポーランド国立オペラ劇場(ワルシャワ大劇場)と入賞者ガラコンサートの1日目。それはそれは華やかなことでございました。 表彰式やコンサートの模様はYouTubeの配信からも、その雰囲気が伝わったことと思いますが、ここでは会場の内部を少しお写真でも。外はこの通り、宮殿のような劇場入口がライトアップされてドーン! テレビ局の中継車などもピタッとついておりました。 さて、内部です。チケットとワ

飯田有抄のショパコン日記 55〜入賞者ガラコンサート、まさかのドレスコードで焦るの巻

3日間の入賞者ガラコンサートも昨晩終了し、第18回ショパン国際コンクールの全日程が終了しました。これから入賞者たちはヨーロッパを巡り、日本でもきっと素晴らしいコンサートを展開してくれることでしょう! さて、入賞者は記念コンサートとして、結果発表の翌日から3夜連続のガラコンサートに出演しました。こちらもYouTubeで全貌が配信されていましたね。授賞式やスピーチ、そして入賞者たちのリラックスした華やかな演奏シーンをご覧になった方も多いでしょう。 例年はその3日間のコンサート

飯田有抄のショパコン日記54〜ワルシャワの自然の一コマ

本日はミッションにより、ポーランドの日本国大使公邸を訪問いたしました。そちらの取材記事は後日(といってもそう遠くないうちに)がっつりとお出しするとして、ここでは閑話休題ほっこり自然風景を。 ワルシャワの秋は本当に美しい! マルタさんによれば、前回のショパンコンクールの時は、天候に恵まれず本当に寒い日が多かったのだとか。でも今回はコンクール中はとても晴れた日が続き、なぜかお休みの日になると、雨が降ったり曇ったり。 今日は朝のうち雨、そして曇り空。グレーな空の下でしたが、それ

飯田有抄のショパコン日記53〜反田恭平さんが師事するパレチニ先生、そして入賞者のタフネスについて

反田さんの2位が発表された翌日のタイミングで、今回のコンクールの審査員であり、また反田さんがワルシャワの音楽院で師事しているピオトル・パレチニ先生と会話する機会を得ました。 (ちなみに、審査員は、自分の生徒に点を入れることはできません) 今回の反田さんの演奏についてコメントしてくださいました。 「彼は1次予選からずっと、安定した演奏を聴かせてくれました。コンクールで上位入賞するには、やはり各ラウンドで浮き沈みがあってはいけません。すべて安定したパフォーマンスをしないと。

飯田有抄のショパコン日記52〜発表サバイバル!

ショパコン日記を読んでいただいているみなさま、こんにちは。 今から約24時間くらい前に結果発表がありました。そして入賞者ガラコンサート第一夜が終わりました。 どうですか? そろそろ、怖くないですか? ショパコン・ロス。 だって、10月3日から連日走り続けてきたんですよ?予備予選も入れたら7月からですよ? このビッグイベントが、間もなく終わってしまう・・・! でも、急いで淋しくならなくてもいいですよね。なんてったって、動画のアーカイブありますもん。聴き逃した奏者、寝落ち

飯田有抄のショパコン日記51〜ファイナル全員の演奏が終了! 圧巻の熱演が!

これまで2次予選から会場で演奏を聴いてきまして、次々とすばらしい奏者たちに出会いながらも、全員をカバーできてきたわけではありません。本日の奏者のなかでは2名、これまでなかなかご紹介仕切れなかった方々がいますので、結果発表の前に少しずつだけでも書きたいと思います。 本日のトップバッター小林愛実さんの次に演奏されたのは、ポーランドのヤクブ・クシュリックさん。この人の音がたまらなく好きで、noteでもご紹介してきました。 協奏曲は1番。オーケストラの音楽がかなり快速なテンポで推

飯田有抄のショパコン日記50〜小林愛実さんのファイナルを心酔エール耳で聴く!

ファイナルの最終演奏まで、終了いたしました。ポーランド時間の21:40に終わり、23:30に会場にて結果発表というアナウンスがありました。 時間がゆるすかぎり、丁寧に書きたい。 小林愛実さんのファイナル、協奏曲第1番、全身を耳にして聴きました。 オーケストラが奏で始め、愛実さんが身動き一つせずに、そこに座っている。それだけで、ピアニストの音楽があった。そんな経験をさせてもらえたのは初めて。 第1楽章、愛実さんらしいショパンの哀しみの歌を、オーケストラが優しく包み込むよ

飯田有抄のショパコン日記49〜コンクールのスポークスマンってどんなお仕事?

あと数時間後、いよいよファイナルの最終日が始まります。 このタイミングではありますが、ここで満を待して(?)コンクールの顔ともいえるこの方、スポークスマンのアレクサンデル・ラシュコフスキーさんのお話をお届けしましょう。 コンクールのスポークスマンて、どんなお仕事? ラシュコフスキーさんってどんな人? 飛び回るようにお忙しい中、こころよくお答えいただきました。 (今日のメガネは from New Yorkだよ!) ——1年延期後に実現された今回のコンクールですが、コロナ禍