飯田有抄のショパコン日記52〜発表サバイバル！

ショパコン日記を読んでいただいているみなさま、こんにちは。

今から約24時間くらい前に結果発表がありました。そして入賞者ガラコンサート第一夜が終わりました。
どうですか？　そろそろ、怖くないですか？

ショパコン・ロス。

だって、10月3日から連日走り続けてきたんですよ？予備予選も入れたら7月からですよ？　このビッグイベントが、間もなく終わってしまう・・・！

でも、急いで淋しくならなくてもいいですよね。なんてったって、動画のアーカイブありますもん。聴き逃した奏者、寝落ちした奏者、ウワサの奏者、まだまだみなさん、チェックすることたくさんありますでしょ？

このショパコン日記も、「ファイナルまで書き切った、終わりだね」と思ったら大間違い。もう少ししつこくやりますよ（笑）　まだ、アーティストや審査員やもろもろのステキなお話や、このショパコン日記のメイキング的なこととか、ユルっとしたことなども書いて行きますから、しばしアーカイブ鑑賞のお供にお楽しみいただけたら幸いです。

というわけで、昨日は結果発表だったわけですけれども・・・いやぁ、大変でしたね。押しに押しました。日本時間の皆さんは、「なんとしても起きてがんばってよう」と思ったら普通に朝になっていて、「ヤバイ！会社遅刻」とか「ヤバイ！保育園につれてかなきゃ」とか「ヤバイ！オンラインのミーティングの時間とかぶりそう」とか、ヒヤヒヤした挙句、寝不足で一日中フラフラになったりとか。

わたくしも、現場ですでにフラフラでございました。現地では６時から４曲の協奏曲が演奏され、その後発表は11:30予定。押すだろうな〜と思いながらも、マジメなニッポンのワタクシは、11:20にはスタンバっていたわけですよ。チビだし、ポーランドのカメラマンたちデカいし、ちょっとでも前にいないと、なんも撮れないな〜と。
東京の寝不足ピティナnoteチームとオンラインでやりとりしながら、どこの場所を陣取れだの、どこからコンテスタントは登場しそうだ、など、やりとりしていたわけですよ。でも、迷っていたら、あっという間にポーランド勢に負けてしまいました。巨大なカメラとカメラマンたちが城塞のように前を埋め尽くします。ヤバイ！ とられた！　とあわあわしていましたら、すごいことがおこりました。

なんと、あまりにチビなこのニッポンのワタクシを、心優しい巨大カメラマンさんが、三脚の下に潜り込ませてくれたんですよ！ なにこの奇跡！

いや、奇跡でもなんでもなくて。これは、演奏直後のコンテスタントたちのインタビューで動画を撮り続けてくれた、ピティナnoteチームのマルタ・カルシさんが、バックステージの現地の報道陣たちと連日連夜顔を合わせているうちに、そこでも仲間意識が生まれてきて、すごくいい雰囲気でみんなで取材してたんですって。そんなマルタさんとチームの私をニュッと三脚の下に滑り込ませてくれたんです。ありがとう！ チビであることをこんなに有利に感じたことはありません。 

こんな感じ。
（もうお一人入れてもらえました！ 受賞者の表情を録るのだ！）

しかし。そこから待つこと、延々ですよ・・・　ミラーホールと呼ばれる素敵空間ですが、床は大理石。１時間たち、2時間たち・・・お尻痛い。
でも、機材なんかを持ったまま立ち続けている人はもっと大変。深夜１時をまわるころ、もうみんなグログロに疲れてきた様子。

お水ください・・・トイレいきたい・・・（となっていた人もいたかも？）

ま、それでも、やっぱりいざ発表が始まると、みんなこの疲れが一気にふっとんで、階段の上からファイナリストたちが降りてきたときには大きな拍手と「ヒューッ！」とかの声で盛り上がっちゃいましたね。

ところで、マルタさんは日本語ペラペラのポーランドの素敵な女性なんですけれども。ポーランド広報文化センターの元副所長という才女。音楽が大好きで、かつてはシンフォニア・ヴァルソヴィアで仕事をしていて、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭で東京にも来ていたそうです！（すれちがっていたかも？！）

そんなマルタさんは、押しに押してる間、地元のテレビ局から「ちょっとしゃべって！」みたいな感じで呼ばれて出演してたりとか、大忙し。日本のラジオでもコンクール期間中にお話していました。すごくさりげなく優しくておもしろくて。おしゃべりしてると、よく大笑いもしちゃう。飯田はめちゃくちゃ助けてもらって、今日この日まで生きてます。

（ポーランドの文化チャンネルに出演中のマルタさん）

いやほんとに、彼女のおかげて生きてる。実は３次予選の発表の時も、なんだかんだで１時間くらい押したんじゃなかったかな。 今か今か・・・でもお腹がすいた・・・くらくら・・・となっていたら、
「バナナ食べる？」ってマルタさんが。

生まれてこのかたバナナがこんなに美味しいと感じたことはありません。

それで、このファイナルの結果発表の時にも、マルタさんが
「おなかすいた？」って手渡してくれたのが、

ショパンクッキー！
なんでも、配信のときに、よく流れているっていうじゃないですか。
「味が気になる」って、東京のnoteチームNさんが言ってたやつ。

すっごくおいしかった。チョコがわりとコッテリついてて、中のしっとりクッキーには杏ジャムみたいなのが入ってて。でも、お腹すいててバクバクバクと夢中で食べてしまったので、写真撮り忘れました。ごめんなさい。

結果発表を受けて、その後あれこれあって、反田さんが日本プレス向け記者発表を開いてくれたのは朝の４時頃。いや〜コンテスタント、審査員の先生がたが一番すごいけど、取材のみなさんもすごい。

そんな舞台裏の舞台裏話でした！

（写真：飯田有抄／ピティナ）