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こんな時だからこそ、生き生きと

私は市からの委託を受けて高齢者を対象に訪問体操教室を行っています。

もともとは参加者の方々にコミュニティセンターに集まってもらい、団体で体操教室を行っていたのですが、先の緊急事態宣言を受けて今はこのような形になっております。

コロナ禍による自粛生活で特に高齢者の方は閉じこもりがちになっており、不活動により身体機能が低下し、転倒や病気の発症が心配されています。

以下に不活動による身体への悪影響を簡単に紹介します。

・神経筋機能
不活動になるとわずか2日で筋萎縮が生じ、10 日以降では神経筋接合部(運動神経が筋肉に命令を伝える部分)の変性も観察される。毎日の低負荷〜中等度の活動はこのような不動の悪影響を予防するために不可欠であり、高強度の活動は筋タンパク合成・神経筋変性の予防につながる。
・運動耐容能(持久力)
深刻な不活動では、運動耐容能(VO2max:最大酸素摂取量)が低下(約 0.5%/日)することが知られており、VO2max の低下は死亡率の上昇に関連している。不活動による VO2max の減少を予防するために必要な有酸素運動の量は明確とはなっていないが 4500-6000 歩/日程度の活動が妥当とされている。
・代謝系(糖質の代謝について)
身体活動低下は肝臓のインスリン感受性(インスリンの働きやすさ)に影響を与えることなく、骨格筋のインスリン感受性を低下し耐糖能障害を引き起こす。(筋収縮により血中の糖分を吸収し、血糖値を下げる機能が阻害される)1日 5000 歩以上を目標として活動低下した状態を避けることが必要である。活動の維持は、特に糖尿病の家族歴がある方や心疾患のリスクがある方(高血圧、肥満、 脂質代謝異常症、喫煙者)にとって重要となる。

(参考:日本地域理学療法学会 COVID-19 関連文献)

太字で示したように、不活動による身体への負の影響を予防するには適度な運動が必要となります。

私は訪問体操教室で「いきいき百歳体操」の推奨と実践を行っています。
内容としては、ストレッチを中心とした準備体操・整理体操と軽い負荷から始められる重りを使った筋力トレーニングです。座ってできるので高齢の方でも安全に行うことができます。

やり方については「いきいき百歳体操」のワード検索で大量の説明動画が出てきますので、そちらを参照してください。

今の世の中においては、ご近所付き合いや通いの場への参加など、高齢者の方にとっては楽しみでもあり、貴重な運動機会でもあった地域の集まりのほとんどが中止となっています。

もちろんコロナ感染症は怖いですが、「不活動は万病のもと」となる事も忘れないでいて欲しいと思います。

ですが、コロナ禍でも人生を楽しむことはできます。
こんな時だからこそ前向きに、楽しむことを忘れず、これからも元気に過ごしていけるように頑張っていきましょう!

私も微力ながらそのお手伝いをしていければと思っています。


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