膝蓋骨骨折術後の理学療法ケーススタディ

1. 患者情報

• 年齢：45歳

• 性別：男性

• 診断名：右膝蓋骨骨折

• 手術：観血的整復内固定術（ORIF）

2. 現病歴

患者は2週間前、ジョギング中に転倒し右膝を強打。救急搬送され、右膝蓋骨骨折と診断。3日後に観血的整復内固定術を施行。術後2週間はknee braceで固定し、全荷重歩行が許可された。術後2週からROM訓練開始、knee brace除去後も全荷重歩行が許可された。

3. 既往歴

特記事項なし

4. 社会背景

• 職業：オフィスワーカー（デスクワーク中心）

• 家族構成：妻と小学生の子供2人と同居

• 趣味：週末のジョギング、年に1-2回のマラソン大会参加

5. 理学療法評価（術後2週目）

疼痛評価

• 安静時：NRS 1/10

• 動作時：NRS 4/10（特に膝関節屈曲時）

関節可動域検査（右/左）

• 膝関節屈曲：45°/135°

• 膝関節伸展：-10°/0°

徒手筋力検査（右/左）

• 膝関節伸展：2/5

• 膝関節屈曲：3/5

• 股関節外転：4/5

その他の評価

• 腫脹：右膝周囲に軽度腫脹あり（周径差：膝蓋骨中央で+2cm）

• 歩行能力：knee braceを装着し、両松葉杖使用で10m歩行可能

• バランス：片脚立位困難（右）

日常生活動作（FIM）

• 運動項目：65/91点

• 認知項目：35/35点

歩行分析

立脚期：

• 右下肢荷重時間の短縮

• 膝関節の軽度屈曲位保持

遊脚期：

• 遊脚期の短縮

• 膝関節屈曲角度の減少

6. 問題点

インペアメントレベル

1. 右膝関節の関節可動域制限（特に屈曲）

2. 右大腿四頭筋の筋力低下

3. 右膝周囲の腫脹

4. 右膝関節の疼痛（動作時）

ディスアビリティレベル