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PTA改革は必然か否か?

PTAのことを「したくないけど、必要だとは思う」という考えの人が多いのではないだろうか。
では、なぜ昨今になってPTA改革が叫ばれるようになってきたのだろうか。
その点を考察していく。

なぜ共働きが主流となったのか?

1.人間の欲

戦後からバブル崩壊後くらいまでは専業主婦の母親が多く存在していた。
しかし、バブル崩壊後から共働きが少しずつ増えてきて、今や共働きが当たり前の時代になってきた。
これにはしっかりとした理由がある。
今の子育て世代は主にいわゆる「団塊の世代」の子供だ。
あの時の日本は裕福で、お金と生活に余裕があった。
その生活で育った我々団塊の世代ジュニアは、その生活が当たり前として脳内にインプットされている。
人間とは非常に欲深い生き物で、なるべく後退したくない。
むしろ前進したいとさえ思っている。
DNAの特性上仕方ないのかな。
バブル崩壊後平均給料は下がり、約30年間ほとんど横ばいで推移してきた。
自分たちの生活水準を維持する必要があったため、共働きが加速し、今では当たり前になった。
これが共働きの大きな理由ではないだろうか。

2.離婚の増加

他にも離婚率の増加が一つの問題であろう(離婚に関してはそれぞれの家庭の問題なのでとやかくいう必要はまったくない)。
離婚すると親はほぼ必ず働く必要がある。
1980年における離婚件数は14.2万件だったのに対し、2019年は20.8万件と約1.5倍になっている。
しかし、2002年の約29.0万件をピークに離婚件数は減少傾向にある。
婚姻数が減っているので離婚件数も相対的に減少傾向にあると考えられる。
特殊離婚率(同じ年の離婚件数を婚姻件数で割った指標)は増加傾向にあり、2023年は38.7%となっている。

3.少子化

そしてもう一つの大きな問題である「少子化」だ。
21世紀になり少子化が大きな問題となってきた。
私が小学生の頃(約30年前なので1990年頃)から少子化について社会で習っていた記憶がある。
それが今(2024年)になってもまったく解決しておらず、むしろ最早どうしようもない段階に達している。
2019年に出生数90万人割れを起こしてから、2020年は新型コロナの影響もあり出生数は84万832人と激減。
2年後の2022年には80万人を割り77万759人、2023年は過去最少の72万7277人と超加速度的に少子化が進んでいる。
婚姻数も激減していることから、少子化に歯止めをかけることは最早不可能である。
少子化対策についてとやかく書くことはしないが、出産後に予算を使うより、まずは子どもを産んでも安心できる社会を目指さない限り、少子化は止まらないだろう。

少子化がPTAに及ぼす影響

少子化がどのようにPTAに影響を及ぼすかを書き進めていく。
PTAには「部」というものがある。
我々の小学校であれば、執行部、総務部、広報部、事業部、保健体育部、生活指導部、バザー部、家庭教育学級の8つがあった。
この部には部長、副部長、書記の三人が必要(三役と呼ばれている)となる(執行部だけは会長、副会長、書記会計と呼び名が変わる)。
三役を選ぶには各クラス(6学年×クラス数)から代表者が必要となる。
我々の小学校は各学年2クラスしかなかった。
子どもの数が少なければ確率的に三役になる可能性が高くなるのは必然だ。
この役員を選ぶ時に前回の記事で書いた「ポイント制度」が活躍する。
何をしたかでポイントが変わる。
専門部全体の部長をすると4点(バザー部だけ5点)、クラス部長は2点。
専門部全体の副部長は3点(バザー部だけ4点)。
平部員には点数はない(バザー部だけは1点)。
この点数を稼ぐことがPTAでは絶対となる。
所持点数が高ければ高い人ほど役をしなくて済む。
逆に点数が低い人は何かの役をしなければならなくなる。
5年生か6年生で6〜7点取ってれば特に何もしなくて大丈夫と言われていた。
しかし、数年前までは4〜5点であれば何もしなくて大丈夫であったにも関わらず、ここ数年で徐々に点数が上がってきた。
なぜかと言うと、「少子化」の影響で役をする回数が増えたのだ。
役をする回数が増えれば必然的に全体的に点数が増える。
先ほど説明した通り、これから少子化は加速度的に進行する。
そこにバザー部の平部員にだけ1点を付与するという暴挙により、ポイントのインフレが起こり、数年後には10点以上所持していないといけなくなっていた。
そうなると点数を10点取らないといけなくなる日もそう遠くはなかった。

余談

少し話がそれるが、このバザー部の平部員1点付与に関することを書く。
数年前の執行部がバザー部の平部員も大変な活動なので、1点を付与しようということになったらしい。
それを聞いたときは唖然とした。
普通に考えたら1点を付与するんじゃなくて、大変な活動とやらを縮小させるなりして、会員の負担を少なくすれば良いだけの話だ。
どうしても会員に活動をやらせたい人たちだったのでしょう。
ポイントのインフレが起こることなんて夢にも思ってなかったのだろう。
そんなことが子どものためだって?
実に馬鹿げている。
バザーに関してはまた別の記事で書くので、ここまでにする。

子どもが多ければ多いほど喜ばれるはずが…

話を元に戻す。
この強制労働システムのポイント制には、さらに追い打ちをかけるような事実がある。
この点数は子ども1人に対してなので、子どもが2人いたら倍になる。
3人いたら3倍。
なんて過酷なことなのか…。
少子化で子どもの数が多ければ多いほど社会的に喜ばれるはずが、まさかPTAによって苦しめられるとは誰が想像できただろうか…。

上述してきたPTA改革の必要性を整理する。

・共働きの増加
・離婚率の増加
・急激な少子化の進行

これらの情報や状況を考えると、PTA改革は急務であり、どこの学校でもしなければならないことであるのは火を見るより明らかであろう。

終わり

次の記事からは実際の改革をどのように進めたのかを書いていく。
全体にとっての正解を追い求めながら自問自答を繰り返しPTAというものに挑んでいく。
話はPTAの現場に戻っていく…。

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PTA組長
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