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大腿骨の骨折でいつ運動する?

こんにちは!
日本身体運動科学研究所 代表の笹川です。


リハビリスタッフとして
私が勤務し始めたときに一番怖かったのは
『骨折のリハビリ』です。


・痛い思いをさせてしまう
・骨にヒビが入ったり、ズレたらどうしよう
・可動域が全然変わらない


など、

患者さんを悪化させるリスクもある中で
筋力をつけてもらう、正常な歩行に
なるように動いてもらう、


ことが必要になってくるので不安になります。


今回は骨折に対するリハの
質問を頂いたので回答したいと思います。


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千葉の病院で理学療法士をしている○○と申します。

LINEにも同じ内容の質問をさせてもらいました。

寛骨臼骨折術後や大腿骨骨折術後の高齢者で、全荷重が可能になる日まで完全免荷でリハビリをとの医師からの指示多いです。

完全免荷の方には内転筋の関トレや多裂筋の関トレ(セラピストの大腿に患者の両下腿を乗せて臀部挙上)は実施しても大丈夫でしょうか。

よろしくお願いいたします。

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骨折に関して術式(どんな手術をしたか)が
重要になってきます。


たとえば、高齢者の多い骨折で
大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)が
多いのですが


大きく分けて
・大腿骨頚部骨折
・大腿骨転子部骨折


に分かれます。

※大腿骨頚部骨折は大腿骨頚部内側骨折
 大腿骨転子部骨折は大腿骨頚部外側骨折と
 分かりやすく分類されることもあります。

※内側、外側というのは
 関節包内での骨折か、関節包外での骨折かの違い
 

大腿骨頚部骨折の場合、
大腿骨頭が壊死してしまうので
人工関節を入れます。

※術式は人工股関節全置換術(THA)といいます


この場合は、免荷(体重を乗せない)は
しなくても大丈夫なので股関節が脱臼しない
ようにだけ気を付けます。


ただし、骨接合術である
ハンソンピン固定術などは骨癒合の
問題もあるため免荷が必要になります。


すみません。。。いつも以上に
専門用語が多くて(笑)


次に


大腿骨転子部骨折では
大腿骨頭の壊死は起きません。


ですので、基本的に骨接合術をおこないます。

そこで用いられるのは

・CHS(Compression Hip Screw)

・γ Nail(ガンマネイル)
他にもありますが、基本的にこの術式で行います。


この場合、固定性が非常に高いため
術後、次の日から体重を全部乗せてよいと
いう指示をもらえます。


全部体重を乗せることを
全荷重といいます。


ご高齢の方の骨折は寝たきりになり
認知症が進行することです。


手術して、さっさと歩かせる


というのが常識になりつつあります。


まずは、難しいことは考えず
術式によって荷重はOKか確認してください。


ご質問いただいた方からは
大腿骨の骨折、寛骨(骨盤)の骨折と
おっしゃっていますので、


この大腿骨頚部骨折に当てはまらない
ケースがありますが、多い骨折として
大腿骨頚部骨折ですのでこちらをまずは押さえます。


続いて、大腿骨骨幹部骨折や寛骨骨折などに関しては・・・


これはドクターの指示に
従うしかありません(笑)


ただ気がかりなのは…


完全免荷 ⇒ 全荷重


というドクターからの指示なので
恐らく整形外科医はこの間に部分免荷の
指示を与えないといけないハズです。


その一つの目安が仮骨の形成になります。


たとえば、

部分荷重であれば体重の1/3を
乗せられるくらいであれば、セラピストの
大腿部に載せての臀部挙上など行ってもOKです。


なぜならば


仮骨(骨がくっつくときにできる)が
できるレベルになっているので、強い力を
加えなければ骨折しないです。


つまり、足を地面についての
トレーニング(荷重下、半荷重下)を
行なわなければせっかく手術して接合した
部位がズレるということはありません。


なので

完全免荷(全く体重を乗せない)で
なければベッド上での運動は可能です。


今回、かなり専門的な内容になりましたが、まとめると


・大腿骨頚部骨折は人工関節が多いので
 手術したところの脱臼リスクを守る

・大腿骨転子部骨折は次の日から全荷重OKなことが多い
(基本的に痛みの範囲内でどんなリハビリもOK)

・骨幹部骨折や寛骨骨折などは
 手術しても固定性が低いため免荷の指示を受ける

・ドクターの指示に従い仮骨ができたら
 ベッド上での非荷重トレーニングを行う


この辺がポイントになります。


私が

「仮骨ができたら運動していいよ!」と


伝えても病院のドクターがOKでなければ
運動しちゃダメです。


それで、医療事故起こしたらアウトだからですね。


急性期の病院にいたときは


「先生!これもう仮骨できているので
1/3荷重は始めてもよろしいですか?」


という感じで医師に指示を
仰いでいました。


そういった提案ができる
セラピストは少ないですし
提案できるということは知識が
なければできません。


ぜひ、リスク管理の知識を身につけて
チャレンジしていただきたいと思います^_^

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