肩関節周囲炎の炎症期はなにをすべきか?上腕骨中心のROMが危険な理由と解決方法!
四十肩・五十肩の患者さんに困っている人へ。痛みがなかなか取れなくて大変ですよね・・
吉田のFreePTsalonであった質問を深掘りします。
「肩の痛みがあって回旋の可動域が低下しています。挙上も90度程度。回旋ROMをしても痛みが出ます。外旋が10度で硬いです。」
はい、よくある悩みですね。
この記事を読んだら「なるほど!回旋ROMするよりも大切なことがあるんだ!方法はこれか( ̄▽ ̄)!」
と理解できます。肩関節の患者さんやクライアントさんでお悩みがある人はぜひ読んでください。
ではどうぞ!
肩関節の病期を考えよう
基礎的ですが、臨床家の頭が「痛みを取り除きたい!」にコミットしていると忘れがちです。
基本的に肩関節周囲炎には痛みが強い炎症期→組織が硬くなる拘縮期→痛みが楽になる回復期があります。
で、今回は特に最初の痛みが強い炎症期の対処方法を説明します。
この時期は基本的に「stay」です。なぜ?
痛みがあって炎症を起こしているからです。
可動域も当然のように落ちます。
セラピストはこの角度の低下を怖がります。大丈夫、そういうもんだと思って構えてください。(そもそも肩関節周囲炎は半年〜1年かかって回復していきます。)
ここで、回旋の可動域を広げようとして回旋ストレッチをかけると失敗します。
上腕骨の回旋=関節内圧がアップします。内圧があがれば痛みも増します。シンプルです。
痛みを伴うストレッチは可動域を低下させます。やめましょう。
また、安静時痛と夜間痛がある時期に動かしてしまうとキネシオフォビア(kinesiophobia)につながります。つまり動かすのは痛い・怖いという感情を脳が学習します。中枢部分に痛みを覚えさせてしまうと非常に厄介です。
夜間痛のメカニズムとは?
肩関節周囲炎の炎症期で厄介なのは「夜間痛」です。
痛くて眠れない・・・
は患者さんにとって大きなマイナスです。
ではこの夜間痛のメカニズムはなんでしょうか?
完全に明らかになっているわけではありませんが。
1肩峰下アーチの圧上昇
2肩甲骨下方回旋位での代償姿勢
3しかし夜寝るときは肩甲骨面が固定されるため、回避姿勢が取れなくなり、夜間に痛みが出る
という流れがわかりやすいです。
肩峰下アーチの圧上昇に関しては骨棘、靭帯の肥厚、滑液包の炎症などが複雑に絡んでいます。患者さんはその状態を回避するために肩甲骨下方回旋を代償的にとります。
しかし、寝ているときは床面で肩甲骨が固定されてしまうため、肩甲骨が下方回旋できません。さらに重力で腕が下に落ちて、肩甲骨面上から外れ、伸展位になり、肩関節前方組織に伸長ストレスが加わります。
ちょっとだらだら書きましたが。この状態を回避することが痛みを楽にする時間を増やすことになります。
肩関節周囲炎の炎症期にセラピストがやれること
この時期は徹底的に「痛みを楽にする」方法を考えてください。
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