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背骨の可動域はどうなっている?〜背骨1つ1つの動きの特徴を知り、臨床に生かす方法〜

どうもです!

今回は「背骨」です。

背骨の可動域に着目してみましょう。

「いやいやそんなの教科書で習ったよ〜!」

で終わりにしませんので、よろしくですw


「脊骨の個々の椎骨が正確にどのように動くか」

という質問は単純に思えますが。

答えは決して簡単ではありません。


その理由は。

脊椎の動きは

・6 つの自由度(屈伸、側屈、回旋)
・動的に回転軸がある
・個別の各椎骨の相互の動きの合計が影響

だからです。もちろん、他にももっとあります。

研究の方法によっても違います。


in-vitro/in-vivo/Ex-vivoを簡単に理解しよう

ちょっと用語の部分から説明します。

それぞれ研究を「どの層」で行なっているか?をチェックしてみましょう。

超簡単に説明するので、サクサクいきましょう。


invitro(主役は細胞)

細胞を使った実験でごわす。

invivo(主役は動物)

これは主に動物実験でごわす。細胞内で証明されたことを動物に実験をするということです。

Ex-vivo

「生体の外」という意味で、臓器単体のを対象とする研究です。


ではこのあたりをチェックした上で背骨の可動域をみていきましょう。


例えばin-vitroの研究で胸椎の可動域を見てみよう!

じゃあこの研究から見てみましょう。

屈曲/伸展:T1-T2 (14°) を除く胸部領域全体の平均 ROM は 6° から 8°

側屈:上部胸部 (T1-T7) は平均 ROM が 10° から 12° 、平均 ROM が 8° から 9° の下部胸部 (T7-T12) よりも柔軟

軸回旋:胸部領域が全体的に最高の柔軟性を提供し、平均 ROM は上胸椎と中胸椎 (T1-T10) で 10° から 12°、下胸椎 (T10-T12) で 7° から 8° 。 ROM の連続的な減少の傾向は、下部胸部領域 (T7-T12) で観察できます。

すんごくまとめると

胸椎のROM は屈曲/伸展で最も低く、軸回転で最も高く、軸回転の下部セグメントで減少する

引用:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0177823

右側の図は1990年に報告された研究ですね。
詳しくはこちら↓

その時と比較すると

・上位胸椎の屈曲・伸展可動域が大きい
・下胸椎の側屈可動域が小さい

のが特徴的ですね。

実際のところ、さまざまな著者によって実施された複数の in vivo および in vitro 研究があり、データ内に大きなばらつきが生じているのが現状です。


背骨の動きを完全にデータ化していくのが難しい理由

OKOK!

じゃあ背骨はその数値を元に考えたらいいんだね!

・・・・・・ではないんです。

なぜなら

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