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足関節アーチで見落としがちな外側縦アーチ!〜骨・筋肉・関節・アーチ評価と治療方法について〜


今回は足関節のアーチ機能と外側の縦アーチの作り方についてやっていきましょう!

アーチ機能をしっかりと理解すると足のアプローチも増えます。
そしてその中でも外側の縦アーチがとても優先順位が高いので、外側縦アーチを深掘りしていきましょう!!

基礎的な足部アーチは3つ


まずはすっごい基礎から行きます。アーチ構造の全体についてのお話です。

アーチはシンプルに

1内側縦アーチ(舟状骨がトップ)
2外側縦アーチ(立方骨がトップ)
3横アーチ(第2中足骨、中間楔状骨がトップ)

になります。

カパンディさんは足関節にかかる体重比率を

踵骨:内側アーチ:外側アーチ=3:2:1

と報告しています。

つまり

1踵
2内側アーチ
3外側アーチ

の順で体重が強くかかるということですね。

外側のアーチが潰れると、この体重比率も変わってきてしまいます。


内側縦アーチの構成


内側縦アーチを構成する筋肉

  • 長腓骨筋

  • 後脛骨筋

  • 母趾外転筋

  • 前脛骨筋

  • 長母趾屈筋

  • 短母趾屈筋

  • 長趾屈筋

内側縦アーチは軟部組織以上に靭帯の支えがかなり重要になります。

足底腱膜が79.5%の寄与率。

そのほかはバネ靭帯8%と長短足底靭帯12,5%です。

つまり静的な内側縦アーチの支持機構としては足底腱膜がメイン。

ちなみに筋肉では後脛骨筋がメインで長母趾屈筋・長趾屈筋の寄与率はちょっとだけ。


内側縦アーチを考える評価

1:Foot Posture Index

引用:researchgate

客観的なアーチの評価として有名ですね!


2:後脛骨筋腱のステージ分類

ステージ1:内くるぶしの先端から後方にかけての腫脹と疼痛があり、後脛骨筋腱の炎症の痛み

ステージ2:後脛骨筋腱は変性・伸張した状態で、荷重時には後足部が外反するが、変形は徒手的に矯正可能

ステージ3:後脛骨筋腱は完全に伸びきってその運動機能が完全に失われ、関節の変形が固まった状態です。前足部の内反変形と後足部の外反変形は著明で、徒手的な矯正は不可能。

ステージ4:足関節への慢性的な外反負荷により、足関節の変形を来たした状態。徒手的な矯正は不可能。


3:Navicular Drop test
臨床的で有名な舟状骨の高さを評価するテストです。

<方法>
1舟状骨粗面と床面との距離 (舟状骨高)を座位と両脚立位で計測→その変化量を算出します
2座位での舟状骨高(㎜)-立位での舟状骨高(㎜)
3値が 6mm から 9mm の間、もしくは 10mm 以下は正常。


他に内側縦アーチに関わる因子としては

  • 下腿三頭筋の収縮

  • MTP関節の背屈

  • 距骨下関節の回外

あたりですね。これはまたいつか紹介します!



横アーチの構成

次に横アーチです。横アーチにはざっくりと前方と後方があり。

横アーチ前方の要:第2中足骨
後アーチ前方の要:中間楔状骨

になります。

横アーチを構成する筋肉

  • 長腓骨筋

  • 母趾内転筋

  • 後脛骨筋

など。

長い間扁平足で横アーチが低下している人は足背部の皮膚自体も硬くなっているの足背部のリリースもしてあげると良いですね!

他には
・深横中足靭帯
・底側中足靭帯
・背側足根中足靭帯

も関係しています。


横アーチが潰れると

横アーチの問題になりやすいのは外反母趾や第2〜4趾の中足部の負担。
つまり前足部の問題が出やすくなるということです。

対策としては中足骨のアライメントを整えてアーチを正常化させることやインソールを挿入することが大切。母趾外転筋周りの軟部組織の癒着や内在筋の筋力低下が問題になりやすい。

また、脛骨遠位2/3に沿った痛みが運動によって出現する内側脛骨ストレス症候群(medial tibial stress syndrome:MTSS)との関係性も示されています。


横アーチの理学療法評価

はい、これも現場ですぐ使える臨床的な評価はありません。

なので臨床的な評価としては

  • 非荷重時にすでにアーチがない(舟状骨の高さをチェック)

  • OKCにて中足骨、楔状骨部分を足底部分のアーチがない(視診)

  • フットプリントをとるor中敷の圧のかかっている部分を見る(足圧中心の位置が内側に移動するよ)

などです。


横アーチはどうやって回復させる?

ここでは簡単に

・カーフレイズ(後脛骨筋、長短腓骨筋、足指の屈筋群)
・足趾のグーパー(母趾・小趾の内転筋・外転筋)
・タオルギャザー(内在筋の強化)

がありますので、参考にしてみてください。

他にもインソールでも補助ができます。

では前置きはこれくらいで。
本題の外側の縦アーチを深掘りしていきましょう。

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