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無いのではない、薄いのだ

才能と強みは違う。分かっているようで分かっていなかったこと。

本屋で見かけてはいた「ストレングスファインダー」という本を手に取る機会があった。この本にはウェブテストがついてきて自分の資質上位5つを導き出すことができる(もっと課金すると全34の資質までわかる)。

弱点を直しても元々持っている人には敵わない。自分の強みをもっと磨くことで自分の力を最大限に引き出す、という考え方がこのテストを実施する意図。まずは自分の資質を知ろうということ。

出てきた資質を見た時、違和感が少しあった。「そんなもの私持っていたっけ?」そんな感覚。でもそれぞれの中身を読んでみるとあるわあるわ思い当たる節。「あ、それのこと?何、それみんな持っているんじゃないの?」それが最初の私の感想だ。

34に分かれた資質は下位だから「無い」のではなくて、みんな持ってはいる。その濃さが違うのだという。上位のものほど色濃く持っていて、磨けば強みにしていける。資質をかけ合わせれば尚強みも増すのだそう。だからみんな持っているものだけれど、自分は人より多めに持っている資質があるってことになる。それを知った時、自分の癖が自信に変わった。良くも悪くも色濃く出ているその資質が妙にいとおしくなった。

始めて「分かってあげた」気がした。自分を。この何十年もやってきた自分ってやつのことを。

そして知れば知るほどに、だから私音楽やってるんだ、と腑に落ちたのだ。いい音楽を作ることは好きだったけど、コンクールで賞争うのは好きじゃなかった。必要としてくれる人たちと音楽を作って、聞きたいと集まってくれる人たちに聞いてもらうことはこの上ない喜びだったけど、売れたいと思ったことはなかった。私はそれを「どうせ自分に自信がないからなんだろう」とどこかで思い続けてきたと思う。年を重ねた今でさえ呪いのようにぼんやり心に染みついていたと思う。

でも今回資質を見て分かった。演奏する仲間にも、集まってくれたお客さんにも今を充実した時間にしてほしい。辛いことを抱えている人も、ただ音楽を楽しみたい人も、ぱっとしない日々を過ごしている人も、ここに来たからには「今日これに関われてよかった」と感じてほしい。これにはいくつもの資質が絡み合っている。読み解くことで自分が何を喜びとする人なのかが見えてくる。何故それを選ばないのかが見えてくる。

「降ろしたらヤバいこと起こるよ」と言われてずっと背負ってきた何か重い物を、いつの間にか降ろしてしまってたんだけど、何も起きないしむしろ軽くなってもっと何かやってみたい気持ちが生まれている、そんな状態に私はいる。自分がそもそも持っている資質が何に使えるのかをこれからは考えたいと思う。

この機会をくれた「一般社団法人ひとりとひとり」の「おひとりさま検定試験」スタッフの皆様、共に受講しているメンバーの皆様に感謝!

一生付き合っていく自分を、面白く生かすために、さて何ができるのか。

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