「君たちはどう生きるか」の感想を語り合いたい
8月のある水曜日,唐突に宮崎駿の最新アニメ映画『君たちはどう生きるか』を観たくなり,前日に予約を取って仕事帰りに行ってきた。田舎のシネコンあるあるだと思うが,どんなに大作でも平日夜はすきすきだったりするので,前日でも余裕で予約を取ることができた。座席の画面を見ると,中央寄りの席はほぼすべて埋まっていて,やむなく2列シート席の一番後ろを予約。当日,久しぶりの映画館に緊張しながら向かうと,レイトショーなのに結構な人出で驚いた。「ふーん,結構いるんだなぁ」と呑気に思っていたけど,このときはほぼ満席だったとは知る由もない。
映画の感想は,端的に言うと「ジブリの典型通りだけど,面白かった」につきる。いろいろ解釈・考察したいのだけど,今ここでこれをしてしまうと,前情報なしで観たい人の邪魔をしてしまうので,とりあえずこれ以上は言わないでおく。1年後ぐらいに,覚えていたらもうちょっと詳しい感想を文章化してみたい。覚えていたらね。
直近で観た映画は何だったか…,多分『さかなのこ』で,あれはあれで感動的でよかった。『君たちは~』も感動的だった。欲を言えば,不可能だけど思春期の穢れなき心で観たかったなーとは思う。大人になると話の元ネタとか,心理学的な解釈とか象徴理解とか,雑念をあれこれ思い浮かべてしまうのが厄介。まぁ,それも楽しいのだけれど。
ジブリアニメとの出会いは,『風の谷のナウシカ』『ルパン三世カリオストロの城』あたりだと思う。ジブリファンの古参中の古参といった年代だ。なんたって,『ナウシカ』の雑誌連載,読んでたもんね。あの時点で駿さんの型は出来上がっていたと思うのだけど,『君たちは~』でもその型は守られていた。だから,安定しているし,安心して観られる。「次はこれが来るんでしょ」と予測できちゃうんだけど,それでも「わぁ!」とか思わせるのはさすが。何より,あの映画を駿さんの内面とするならば,その何と豊かなことか。エリクソンの発達理論の老年期を地で行くような感じ,とも言おうか。
ジブリアニメはいつだって多義的だ。だから,いくつになっても楽しめるポイントはあるし,時代が過ぎても色あせない。それは『君たちは~』も同じ。駿さんの年齢的には,これが最後かなぁ…と思ってしまうのは少し寂しいけれど,最高の遺言を見せてもらった気がする。そして,『君ちたちはどう生きるか』の後に,「ボクはこう生きたけどね」とはにかみむ駿さんの笑顔が見える気がするのだ。
これ以上語ってしまうと,ストップできなくなりそうなので止めておく。同僚にいろいろ言ったら「観に行く(確定)」と言っていたので,それをまって職場で議論しまくろう。…もう一回見に行こうかなぁ,ジブリアニメ配信ほぼしてないし…。
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