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初めて泣いたマンガ

初めて泣いたマンガは
何歳のとき、どんな内容でどんなシーンだったでしょうか。

私は中学生のときでした。

残念ながらマンガのタイトルは覚えていませんが、
確か別冊マーガレットに載っていた短編作だったと記憶しています。

そのシーンは今でも強く印象に残っています。
その瞬間涙がでている自分に驚きました。

その時どんな気持ちを感じたのか、
喜怒哀楽とは違う気がします。
感動、嬉しい、楽しい、そのような気持ちとも違う。

今もハッキリとはわからないけど、
その状況に、とても安心したのだと思います。
世界の優しさと、
自分もどこかで繋がっているのだと思えたのかもしれません。


物語について

主人公は女子高生でした。

彼女は階段を上ることが難しいため、
学校までバスで通学するときは、
必ず幼馴染みの男子高生と一緒に通学していました。
彼はバスの階段をおんぶして乗せてくれました。

そんなある日、二人は喧嘩をしていまい、
女子高生は一人で通学することになります。

彼女は朝のバス停で他の乗客の一番後ろに並びます。
バスが到着し乗客が乗り込んでいき、自分の番になります。
ですが、どうしても足を上げることができず、
階段の前で立ちすくんでしまいます。

そんな彼女にバスの運転手や他の乗客たちが
冷たい視線を送りました。

彼女はギュッと目を瞑り緊張していました。

私も彼女になったかのように、
胸が締め付けられるように苦しくなりました。
早くこの場から立ち去りたい、そう思いました(主人公に感情移入)
彼女は諦めてそのバスを見送り、
今日は学校へ行かない選択をするのかと思いました。
だけど、そうじゃなかった。

「誰か助けてください」
彼女は大きな声でそう言いました。

その瞬間、みんなが彼女に手を差し伸べ、
その気持ちにこたえようとました。
冷たい目だと思っていた視線は、
一瞬にして、温かい眼差しに変わり、
彼女の助けになりたいという気持ちが伝わりました。

その瞬間、
私は泣いていました。
私は、他人である冷たい目でみている乗客たちが
助けてくれるとは思っていませんでした。

だけど、
冷たい目だと思っていた視線は、
ただ、みんな何が起きているのかわからず、
彼女を固唾をのむように見守っていた。
状況を把握しようとしていたのではないか。
そう解釈することもできると思いました。

そのマンガの主人公や乗客の表情、臨場感のある描写のおかげで
人は優しいもの、それを体感したよう感じ取れたのかもしれません。
世の中に対して、安心と希望を感じたからなのだと思います。

人に優しくされたことならたくさんあると思います。
だけど、このマンガで客観的に感じることができたのかもしれません。

それから、彼女が勇気をだして知らない人に助けを求められたのは、
それまで付き添ってくれた優しい男子学生との温かいやり取りの中でも、
自然と育まれたかもしれないと思いました。

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