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道の途中 〜第7節岩手戦〜

第4節の町田戦から3試合勝ちのないファジアーノ岡山。前節大宮戦では後半アディショナルタイムにムークの劇的同点弾によりドローに持ち込めましたが、今節はなんとしても勝ち点3が欲しいところ。ホームに戻ってきた選手たちでしたが平日ナイトゲームの結果は0-1での敗戦。連戦という事もあり大幅なメンバー変更を行いましたが悔しい結果となってしまいました。


岡山:4-3-3        スタメン  岩手:3-5-2


●概要


 前半開始直後からファジアーノの選手たちは積極的にボールを保持し相手ゴールに迫っていきました。本山遥に変わってアンカーに入った河井陽介は落ち着いたボール捌きをみせ、2試合連続でスタメンに選出された木村太哉は勢いをもってプレーしていました。今季から採用した4-3-3は諸刃の剣、カウンターを受けると一気に劣勢に回ってしまう余程の習熟度がなければリスクのあるフォーメーションだなとこれまでの試合を見て個人的にはそのように感じています。
 最初のうちは攻め込んでいましたが徐々に岩手がスローインを繰り返しながらファジアーノ陣地に攻めこみ、前半15分WB中村太亮のコーナーキックをDF甲斐健太郎が頭で押し込み岩手が先制します。奇しくも前節大宮戦で喫した失点とほぼ同じ時間帯でした。失点後も下を向く事なく果敢に攻め込んでいく選手たち、木村太哉のシュートが惜しくもバーに弾かれる場面もありましたがそんな時ふと感じた事がありました。

 「なんだか焦ってないか?」

 今季チームは今までにない程の熱量をもってJ1昇格を打ち出し、大規模な選手補強を行いました。もちろんチームの熱い思いに共感して移籍や入団を決断してくれた選手が多数であったと思います。しかしその熱量に彼らが囚われすぎているのであればそれは大きな足枷になってしまう危険性があるように感じたのです。もっとシンプルにプレーしても良さそうな場面ですら自分たちで難しくしてしまっているようにも見て取れました。サッカー経験のない私が偉そうな事は言えませんが、相手からすれば守りやすいプレーが多かったのではないかなと感じながら観ていました。

 後半に入ってもその苦しい流れは断ち切れず無得点のまま時間だけが過ぎていきます。ムークの鋭いシュートは惜しくも枠の少し外側にそれ、チアゴのボレーも上にそれていく。次第にフラストレーションや焦りの表情が選手たちに表れてきているような感じが見受けられました。そして岩手のゴールネットを揺らす事がないまま無情にも試合終了のホイッスルがスタジアムに鳴り響き町田戦以来の敗戦となりました。


●スタッツからみる今節


 では今節の結果を試合全体のスタッツから見た時に何が見えてくるでしょうか。数値は以下の通りです。

 ・ボール支配率 岡山58% 岩手42%
 ・シュート数 岡山13本 岩手8本
 ・枠内シュート数 岡山5本 岩手3本
 ・CK数 岡山2本 岩手8本
 ・FK数 岡山11本 岩手10本
          
              (JSTATsより引用)

 私が気になったのは太字のCK数です。今季開幕から今節まででみてもわずか1〜3本にとどまっています。大勝した開幕戦ですら4本となっています。一方岩手は8本、得点もCKから生まれています。試合の流れからはあまり岩手に攻め込まれて防戦一方という訳ではなかったように思いますが、ポイントポイントで攻め込まれCKになる場面が増えたのでしょう。セットプレーは何が起こるか分からないので得点のチャンスは十分にあります。ましてや今季はCBの柳育崇やヨルディバイス、CFのミッチェルデュークなど高さで対抗できる選手がいます。また今季の得点のうち多くがセットプレーから生まれているのも事実、という事はプレーの中でFKやCKで勝負する場面を創出していく事も必要になってくるのではないかなと感じています。CKの本数が増える時、それがチームとしてやろうとする事が明確になってくる時なのかもしれませんね。


●道の途中


 今季は開幕からなかなかの難敵との対戦が多くありました。首位をひた走る横浜FC、昨季3位の甲府、タレント揃いの徳島と大宮、昇格の勢いを保っている岩手、新しい監督の元勢いをつけつつある栃木。7試合で得たものはここからチームを強くしてくれるに違いありません。選手たちには昇格を頭に入れておきながらもどうか楽しんでサッカーをしてもらいたい。その楽しさが強さになり、自ずと結果が出てくるようなそんな気がしています。次節も難敵の山形です。現地に行かれる方はスタジアムで、DAZNで感染される方は画面越しに成長中のチームをみんなで後押ししましょう。まだまだ道の途中、我らがファジアーノに幸あれ!!!

               
                 ふぁじまろ

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