輪廻転生 あの世のその後
輪廻転生 小説版と地獄巡り編を書いていきましたが、今度は普通の人と尊者(尊敬されるべき人、徳のある人)についての動向を説明させていただきます。
できるだけ詳しく説明するため、今回は小説形式+説明で書いていきたいと思います。
登場人物紹介
影鷹 神剣を持つことを許された霊能者。故人。
宇賀御霊神(ウカさん) 稲荷の総元締め。影鷹とは長年の付き合い。
観音 影鷹の知り合い。
明王 影鷹の上司。ヤンワリと諫める。
①三途の川を渡ったその後
・幽霊は普通に歩いている?
・先導役
・世界各地に出かけることが多い
・歴史遺産ほど面倒くさい?
・護衛役(土地神)は毎日猫の手も借りたいほど忙しい
②神仏の階級ってどうなの?
・ザッとですがこんな感じです。
③修行の旅へ
・尊者(観音、菩薩の弟子)たちは各地にいる
・尊者になるにはどうしたら良い?
・生者を助けるのが修行
・任期満了後は戻って書類整理の日々
・尊者は神々の世界に足を踏み入れる?
④ゆったりと過ごす
・報告会(懇親会?)
・次にどんな人生を送る?
・転生の準備
⑤話を聞くことはとても大切
・こんなことをしていたら要注意!地獄に行くかも?
・獄卒に会ったら極悪非道の犯罪者でも震え上がる
①三途の川を渡ったその後
賽の河原における選別(罪、通、尊)を終えると罪人は苦しみながら、通常は歩いて、尊者は船に乗って三途の川を渡って彼岸(あの世)へと旅立っていきます。
この物語の主人公、影鷹は霊能者としての功績を認められて尊者として選別を受けたあと、さらにそこから進んで神格を有する=神様になることをこの時にすでに許されています。
獄卒「影鷹殿、いましばしお待ちを」
険しい表情で閻羅庁を歩く影鷹を獄卒が呼び止めた。
影鷹「なんだ?」獄卒「観音様がお呼びです。すぐにご出立下さい」
影鷹「・・・・わかった」
機嫌が悪いことを隠さずに言った。
観音「お久しぶりですね」
影鷹「一体全体なんの用だ?」
観音「まあそう剣呑にならずに・・・・まずはお茶をいかがですか?」
影鷹「いただこう」
良い香りのするお茶、緑茶を差し出されて飲んだ。
彼の好みのお茶だったらしく、いかにも機嫌が悪いという顔がほころんだ。
観音「早速ですがお話というか、私からの依頼を聞いていただけますか?」
影鷹「・・・・勘弁してくれ」
露骨に嫌そうな顔になった。
観音「まだ何も話していませんよ?」
影鷹「悪霊退治に死霊討伐とこの最近、目が回るような忙しさなんだ。
この上また別件を持ち込まれたら倒れてしまう」
心底嫌そうな顔で言った。
観音「そうでしたか・・・。
いずれ神格を有する(神様になる)ことになるあなたならきっと快く引き受けてくれると思ったのですが・・・できないというのであれば仕方ありません。
他の者に頼むことにしましょう、ご足労をおかけして申し訳ありませんでした。
お引き取り下さい」
にっこりと笑った。
影鷹「とりあえず話は聞くよ。
それからお断りするかどうするかを決めるよ」
観音「あなたらしいですね。
それではお話していきましょうか」
影鷹「なんなりと」
観音「簡単に言ってしまうと死者達と共に一時的に彼方(かなた=この世)へと行っていただきたいのです」
影鷹「・・・・はい?」
何を言っているのだろう?とばかりの表情になった。
観音「あなたにとっては思いがけない言葉だったようですね。
実はですね、最近彼方に出かけて戻ってこない者達が大勢いるのです」
影鷹「そんなの毎回のことではないのか?」
観音「ところが話はそんなに簡単なことではないのですよ」
憂いを含んだ顔で言った。
影鷹「というと?」
観音「あなたもご存じのとおり、悪霊や死霊などが彼方にいる生者に憑依してその欲望を煽り立て、あちらに行った者達を取り込むことが多くなっています。
それだけならまだしも、己の邪(よこしま)な心と向き合うことをせずに森羅万象の理(しんらばんしょうのことわり=要は霊的な力)を己の欲望を叶えるための道具として使用する者達が絶えないのです」
影鷹「・・・いつの時代にもそういう邪な心を持つ者は必ずいるものだ」
観音「そういった者達の目を少しでも覚ませるためにいずれ12天の1将、火天の称号を受け継ぐことが決まっているあなたに行っていただきたいのです」
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