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【第二部】美容鍼や小顔系のマッサージをする時に考えてもいいかもしれない話

今回は前回に引き続き、手技での検証をまとめていきます


そもそも何故このような検証を始めたかと言うと

美容鍼や小顔系の施術をするときは、顔だけの施術より身体の施術もした方が効果が高いんだ!

と、師匠に言われていたのを全く疑問を持たずでやってきてしまったので...


もしかしたらそうかもしれないし
そうではないかもしれないし

今回の検証で深く考察する事により、もっと効果のあるものを患者さんクライアントさんに届けられるかもと思った事がきっかけでした

前回は鍼での検証をまとめましたが、今回は手技での検証結果になります



検証内容とアプローチ方法

【検証内容】

・対象 : 20歳~85歳までの女性
(僕の患者さんクライアントさんから無作為に抽出し協力を仰ぐ)
・人数 : 延べ 288名

・期間と方法 : 検証パターンを6パターンに分けて大体2週間毎にパターンを入れ替えて測定する

・項目 : 『顔の皮膚のハリ,水分量がどれくらい変化するのか ※施術直後と更にその5分後』
(市販機器の数値を基準にする,測定場所は図1参照)

施術後の水分量が直後 or 更にその5分後で12%以上上がったら効果ありとする

・パターン :
①顔だけに鍼をする
②身体だけに鍼をする
③顔+身体の鍼をする
※前回まとめました

④顔だけに手技をする
⑤身体だけに手技をする
⑥顔+身体の手技をする

※今回の検証がこちら!

・手技 : 仰臥位 下記の図2を参照


※今回も参考にした指標
・肌の水分量,ハリ,油分
・1日の水分摂取量
・当日の外気湿度
・施術前後の体表温度変化(掌,顔,腹部,足裏)
・当日の睡眠時間
・既往歴,便秘の有無

※LF/HF, 不快度NRS,当日の天気は無視

画像1


施術の検証データもこんな感じでまとめてます

Ex :
2018.07.09 14:00~ 外気31.4hPa/湿度74%
 『D-1 30歳』 当日の睡眠5時間, 水1500ml/day
平均体表温度
掌33.2°→33.8° / 顔35.0°→36.2°
腹部35.2°→34.0 °/ 足裏35.3°→35.8°
水分量
おでこ :前『35%』→直後『38%』→更に5分後『38%』
左 :前『39%』→直後『39%』→更に5分後『42%』
右 :前『40%』→直後『38%』→更に5分後『41%』
顎 :前『42%』→直後『43%』→更に5分後『44%』


2018.07.09 16:00~ 外気30.6hPa/湿度76%
『E-1 43歳』 当日の睡眠7時間, 水1200ml/day
平均体表温度
掌24.0°→26.0° / 顔36.7°→35.4°
腹部37.2°→37.1° / 足裏27.6°→29.0°
水分量
おでこ :前『26%』→直後『26%』→更に5分後『27%』
左 :前『27%』→直後『27%』→更に5分後『30%』
右 :前『28%』→直後『29%』→更に5分後『32%』
顎 :前『26%』→直後『24%』→更に5分後『27%』


2018.07.09 18:00~ 外気30.4hPa/湿度78%
『F-1 50歳』当日の睡眠7.5時間, 水1800ml/day
平均体表温度
掌33.0°→35.0° / 顔36.1°→36.7°
腹部36.4°→36.8° / 足裏25.7°→28.3°
水分量
おでこ :前『29%』→直後『33%』→更に5分後『37%』
左 :前『30%』→直後『37%』→更に5分後『38%』
右 :前『29%』→直後『35%』→更に5分後『37%』
顎 :前『32%』→直後『36%』→更に5分後『39%』

2018.07.16
14:00~ D-1
16:00~ E-1
18:00~ F-1...

2018.07.23
14:00~ D-1
16:00~ E-1
18:00~ F-1...

これまた大変でしたがきっちりまとめさせて頂きました

※詳しくは前回のnoteでw



手技をする場所

今回も経験則と解剖知識的な観点から手技をまとめての検証でして、『どんな疾患があったとしてもまずは下記の統一の手技』でのアプローチでした


④顔だけ施術…

内容の説明は省略させていただきますが、図2-1の感じで顔全体的なアプローチに加え、頚・僧帽筋は狙っています

画像2


⑤身体だけ施術…

これも内容はsy...(ry 図2-2の感じで足首から肩、前腕に至るまでのアプローチです

画像3


⑥顔+身体は上記の箇所を組み合わせたもの

①②③の検証結果は前回のnote



手技の検証結果

これも結果だけでご容赦ください

述べ288名をパターン毎に分け,施術後もしくは更に5分後の水分量が12%以上上がったら効果ありとした場合,

④=45.1% (130名/288名)

⑤=33.6% (97名/288名)

⑥=47.5% (137名/288名)

この結果は結構ショックでした(´・ω・`)


数値うんぬんよりも一応臨床歴は
当時の2018年でも10年程あって、
小顔系の施術もがっつりしていたのにも関わらず、

④顔だけの施術ならまだしも
⑥顔+身体の施術効果で
半分以下の結果だったので...

顔が引き締まったり浮腫みが
取れたりしても、ちゃんと数字として
結果を得られなかった事に驚愕と失望でした

後から⑤の結果が思考に追いついてきて、
身体だけの施術でも3割ほど効果が実感
出来るんだと氣づけはしましたが...

やはり盲信して型にはまりすぎるといけませんね

定期的に客観視の精度を上げつつ、
型を破って常に思考し続けないと
精進は難しい
と思い知らされた検証結果でした

まとめ

今回の数値としての結果は③鍼で顔+身体へのアプローチをすることで54.8% (158名/288名)の効果あり

この結果から

・手技だとどの箇所のアプローチの組合せが良さそうなのか?

・鍼と手技の組合せのパターンは?

・置鍼の時間はどれくらいが最適か?

・抜鍼後どれくらいの時間まで水分量が維持できているのか?

新たな疑問を少しでも払拭するために、しばし検証を続けます

ただ、今回の検証で確実に言える事は、
施術家は臨床観の軸は持ちつつ、多角的に考え、多様なアプローチを模索するのは本当に大事って事!

施術家の皆々様、人の身体は理解し難いことだらけですよね

どうか思考を止めずに…今回の検証noteが日々の施術の仕方や考え方に疑問を持たせるきっかけになったら嬉しく思います


ここまで長文乱文のnoteをお読みくださりありがとうございました!!

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