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足底感覚と平衡機能

足底感覚と平衡機能
金井秀作 岡村和典 長谷川正哉
Journal of Physical Therapy Vol.38 No.12 2021.12 P 1071-1078

【アブストラクト】

平衡機能について 
体性感覚と足底感覚
平衡機能検査と足底感覚検査
静的平衡機能における足底感覚の役割
動的平衡機能における足底感覚の役割

【構成】

1990年後半頃から、足底の感覚と各動作における平衡機能との関連について多くの研究成果が報告されています。足底感覚が平衡機能においてどのような役割をしているかが記載されている文献です。

【内容】

平衡機能をつかさどるものとして重要な感覚要素は視覚、前庭感覚、体性感覚である。特に視覚と体性感覚については不安定化予測において機能するとされている。

足底感覚は体性感覚に含まれている。具体的に皮膚受容器に由来する表在感覚としての足底感覚と、腱・筋など皮下受容器由来する深部感覚としての足底感覚に分かれる。理学療法の領域においては足底圧覚や二点識別覚などを皮膚覚として重視されている。

 立位に必要な平衡機能を客観的に評価できるものが重心動揺計である。また、足部体性感覚の客観的な検査をするためにも重心動揺計が用いられる。最近ではゴム製5本指靴下を履き、皮膚覚を制限する事ができるなど、足底感覚に着目した検査が広がっている。


 静的平衡機能において足底感覚は重要ではあるが、静的条件下では他の感覚機能によって代償可能なものと考えられる。しかし、加齢や疾患によって感覚機能の冗長性に制限がある場合、足底感覚の異常は静的条件下でも平衡機能に大きく影響すると予測される。

 動的条件下でも静的条件下と同様である。しかし、高齢者や糖尿病性神経障害の患者に転倒が多いのは事実である。そのため、足底機能を改善または代償させるアプローチを行うことは重要である。

【面白かった点と感想】

足底感覚が平衡機能において担う役割が分かりやすく記載されている文献だと思います。感覚を制限した重心動揺計の用いり方が記載されており面白かったです。重心動揺計がない施設等が多いと思います。臨床でどの施設でも用いることのできる評価を考えていく必要があると思いました。 

【結語】

平衡機能において足底感覚は重要な役割を担う要素の一つです。理解を深めるためにも是非読んでほしい文献です。

記事:琢麻

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