私的チームビルディングのやり方①

特に社会人だと、顧客からお金をいただくまでを、一人でできることって
そうそうないですよね。

特に、マーケティングやシステム開発などは、一つの業務を切り取っても、
複数のメンバーの力を借りて、どうにか成果に繋げているものです。

そのときに、私も含めリーダーの方はチームビルディングが必要になる。
もうちょっというと、「チームの立ち上げ」と「チームの育成」を、
目標に合わせ戦略として計画し、戦術として実行しなきゃいけない。

ここからは、私の少ない経験と先人の知恵で積み上げたノウハウの一部を、
自分用のメモがてら書こうと思います。
尚、長くなるので、今回は「チームの立ち上げ」に絞ってお話します。

チームの立ち上げの流れ

個人的に、自身がリーダーとして行う仕事の内、成果に寄与するものの50%は人材配置にかかっていると思います。
(残り:30%は戦略の正しさ、10%は定点観測制度、その他は10%)

上司に言われるがままのチーム編成を受け入れていると、大概失敗する。
特に、2か月以内で完了する仕事ならリーダー自身のパワープレイでどうにかなるけど、それ以上はどうしてもカバーできないシーンが発生する。

そこで私がやっているのは以下の3点です。
1.自分の行動特性を知る
2.候補者の人材特性(行動特性×対人特性)をプロファイルする
3.ミッション×自分に合う候補者を選ぶ
  (いないなら、派遣社員など外から捕まえる)

順に説明します。

1.自分の行動特性を知る

まず、リーダー自身の行動手特性の把握が必要です。
私は良くDiSCを使っています。

DiSCは、各人の行動特性を分類し、さらにその特性が強い/弱いを測る診断です。大雑把に言うと、以下のような感じです。

タイプ①:Dタイプ
 自分の力で世界を変えたい。自分中心×結果主義。変化を起こす人。
タイプ②:iタイプ 
 良いものを周りに伝播したい。他人中心×結果主義。通称、人たらし。
タイプ③:Sタイプ
 現状の作業を守り維持したい。他人中心×プロセス。優しい、いい人。
タイプ④:Cタイプ
 自分の世界を進めたい。自分中心×プロセス。職人肌。

※厳密には、Dよりのiなど、計12タイプに分類されます
※ちなみに、日本はS:40%、C:30%、i:20%、D:10%の割合だそうです
※様々なWebサイトで簡易診断もできますが、精密な診断をすると、
 その行動特性の傾向が強い/弱いも分かります

行動特性はそうそう変わらないので、一回どこかでしっかり調べたら十分です。

2.候補者の人材特性(行動特性×対人特性)をプロファイルする

それでは、次の、チームに入れる候補者の人材特性を見ていきます。

まず、アサイン可能な候補者のDiSCを推測します
本当は、各人事前に診断結果があればいいのですが、企業で全社的に実施していない限りないので、通常は、「この人はDiSCのどの分類の人か」を
推定することになります。
※何度も練習すると見えてきます。

次にもう一つ、候補者の対人特性を推測します。

とあるコーチング理論の方からいただいた知恵ですが、人というのは、大雑把に、「転火型、自燃型、他燃型、不燃型、消火型」に対人特性を分類できます。(厳密にいえば、上司によって少し変動します)

その分類方法を活用し、リーダーが自己判断で、「○○さんは自燃型かな?他燃型かな?」と推測します。

最後に、行動特性と対人特性をかけ合わせます。
例えば、「Cタイプ × 転火型」ならば、
自分の培ってきた技術を、積極的に他人に伝授したがる人
と読み解けます。
一方、「Cタイプ × 消火型」ならば、
自分の領域においては、他人の意見を潰しがちのアイデアクラッシャー
と読み解けます。
※消火型の人は上のように書くと悪いイメージですが、
 単独で業務や主要ビジネスが完結する作業に向いています。

3.ミッション×自分に合う候補者を選ぶ

さて、ここまで終わって最後に、自分の結果と今回のミッション、そして
候補者の人物特性をかけ合わせます。

まず、ミッションの特徴が何かを理解します。
ミッションは、新規事業ですか?システム開発ですか?
マーケティングリサーチですか?販促活動ですか?

それらの目的によって、DiSCや対人特性に合ったメンバーの配分が異なります。例えば、新規事業をするのに、CやSの人ばかり揃えては、一向に前に進みません。(多くの日本企業でやりがちですが…)

そして、これが一番大事ですが、チームというのは有機的なもので、あなたというリーダーに合うチームでなければなりません。

具体的に言うと、私はまごうことなきi寄りのDタイプで転火型なのですが、
このタイプがリーダーになるなら、「信頼できるiタイプ(できればS寄りのiタイプ)×自燃型or他燃型を右腕につければ、メンバーとリーダーの間の潤滑油として貢献してもらえ、リーダーは安心してビジネスを順調に進められる」という効果を得ることができます。

一方、もし「Sタイプ×不燃型」をメンバーに入れた場合、「おせっかいな転火型に対し、なまじ人当たりはいいけど、内心関わってほしくない現状維持の不燃型の間で、徐々に関係性悪化(最悪、面従腹背)」が起こってしまいます。

「なんだ、当たり前じゃんか」と思う方も多いと思いますが、その効果の大きさをわかっていません。
だって、会社の退職理由の8割は人間関係って言われているんですよ?

ちなみに、特にシステム会社やマーケティング部署の方から、「技術や知識でチームビルディングしないのか?」という質問が来ますが、
そんなのは、「戦略の中に人材育成計画と適切な教育環境を用意しておけばどうにでもなる(立ち上がり2か月は足踏みするかもだが、取り戻せる)」が私の持論です。
現に、私は人物特性のみで選んだチームで、何度も難易度の高い案件をクリアしてきました。それこそ、リーダーの能力の見せ所だと思います。

ただ、重ねて申し上げますが、どんなにリーダー個人の能力が高くとも、面従腹背のチームではビジネスを成功させることはできません
合わない人をメンバーに入れるぐらいなら、コストが高くても他社や派遣社員を使ったほうが何倍も生産的です。

これと似た話は、海外でも聞くと思います。よく、某企業で素晴らしい功績を上げた方が、別の会社のCIOになったら、メンバーがごろっと変わることってニュースで聞きますよね?もしくは、天才といわれた人が成果が上がらず、一か月で退職するニュースも聞くかと思います。

日本・海外問わず、物事の成功に人間関係は最重要です。
素敵な戦術、優秀なリーダーがいても、チームである限り限界があります。

もし、あなたが今、ある案件のリーダーをしていて、メンバーのアサイン権限を持っておらず、人間関係で苦慮しているのならば、会社を巻き込んで相談をすべきです。

私も過去、自分の意志でメンバーを選べなかったこともあります。
その時は、どんなにエネルギーを注いでも、詰まらないところで問題が頻発し、ビジネスとしての結果もせいぜい「安打」どまりでした。

もし、会社がDX(競争優位性の創出)を至上命題であなたに命じているならば、「ホームランを打つために、チームは私が選ばせてください」というべきだと思います。

長くなりましたので、今日はこのぐらいで。
それではまたいつか。

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