ヒプノシスマイクを1ミリしか知らなかった人間がアニメを最終回まで観て思った事(後編) - マイクの実存と今後
前編のおさらい
こちらの記事は以下の記事の続きです。未読の方はこちらからどうぞ。
さて、前回は「マイクの仕組みや社会的にどう扱われているのかが気になるなーと思っていたらマイク自体が光に包まれて変身してしまった」という話でした。…なんだこれ。
ヒプノシスマイクはマイクとして存在するのか その実存と力について
一体何が起きたというのだ…。ヒプノシスマイクの存在について考えることは、もしかして魔法の世界における魔法の存在を考えるくらい無意味なことなのか?!
ハリーポ。ターでいう所の杖ではなくその先から出てくる魔法の光のような…杖ならどのように作られてどこで手に入れてとかの話は出来ますが、ルーモスを唱えたときに出てくる光はどのように作られてどうやって光っているのかとか…「魔法だからだよ!!」としか言えねぇ…。
とまぁしばらく混乱し切っていたのですが、この冒頭数話の時点でもよく考えたらそうでも無いんですよね。
仮説ですが、マイクがガラケーなどに変身したのは「ヒプノシスマイクの効果の一環としてそう見えているだけ」なのでしょう。
冷静に考えると1話目の時点で、マイクの攻撃で落雷が落ちても病院の屋上に焦げ跡などの影響は見受けられませんでした。横浜の一角で重火器が出てきても死人までは出ず、周りの道路などにも損傷はありませんでした。
というか人にRPG(対戦車砲の一種)ぶっ放しちゃ色々大変なことになるでしょう。それが、攻撃を受けた人間は耳を塞ぎながら叫んだり倒れたりするだけ。五体満足のままで、です。
つまりヒプノシスマイクによる攻撃は物理的な力を持たず、相手の精神にのみ影響を及ぼすものであると考えることが出来ます。
なお、重火器やメダルの雨などのマイクによる攻撃時の描写は、攻撃を受けた本人がそれを見て驚いたり怯えたように周りを見回す描写があることから、登場人物にも視覚情報として見えていることが伺えます。視聴者向けのみのメタ演出では無いようですね。
(Dr.STONE アニメ1期で見られた刀のイメージ映像など。主人公らが刀の製造に成功した際にメンバーが突如として和装で刀を構える映像が少しだけ写りましたが、その後登場人物の誰からも突っ込まれることなく「無かったこと」にされています。つまりあれは視聴者だけが見えたイメージ映像であり、登場人物には見えてなかったことになっているのです。)
マイク自体にイメージを相手に押し付ける幻視作用のようなものがあることになるため、そこはファンタジー要素になりますが…。マイクの変身については、マイクそのものの形状が変わったというより、ラップバトル時のヒプノシスマイクの効果により「変わったかのように見えているだけ」と考えるのが妥当です。
効果でといっても…そもそもバトルの時にマイクを変身させる意味はあるのか?と思った方もいるでしょう。
こちらについては、ヒプノシスマイクの力を強化する為…有り体に言えば「演出効果」を狙ったものと推察出来ます。
音楽番組やライブでボーカルが使うマイクがやたら派手だったり、無線機やメガホンの形をしている事すらあるのも、見たことがある人は見たことがあるでしょう。
つまり使う道具の見た目によって歌にインパクトを与えるという考え方は現実にも存在している訳です。それがヒプノシスマイクにも反映されていると捉えられます。
ヒプノシスマイクにおいてマイクの変身を使い手が意図してやっているか否かは不明ですが、バトルシーン以外でマイクが変身した様子は無いので、バトル時以外は変身させる意味がないとも言えそうですね。
(バトル中にマイクを変身させないラッパーもいました。1話だけ登場してやられる強盗などの脇役です。…雑魚の証でしょうか?)
ともあれ、少なくともマイク自体は物理法則に則って存在しているのであれば、流通経路などマイクそのものに関して考える余地はあるはず…!
もし2期があったら注目したいポイント
そんな事を思いながら観ていましたが、さすがにと言いますか、なかなかマイクそのものに関する踏み込んだ言及はほとんど無いまま物語が進み…。
最終回にしてやっと遂にマイクの「開発者」なる人物がチラッと登場しました。中々に胡散臭めなおじさまでしたね。
先述のようにマイク自体は物理的に存在していると考えられるため、このおっさんが「これを使って日本の頂点に立ってよ!」とか言いながら中空からポン!とマイクを出現させた線は無くなったはず…いや、恐ろしい絵面になるところでした。危ない危ない。
そういう訳で、中盤のストーリーとかは一気にすっ飛ばしましたが…。
仮にマイクが自分の想定したようなちゃんと実体を持つ存在だとして、2期があったら個人的に注目したいポイントを並べてみます。既にアニメ以外の媒体で判明している情報があったらごめんなさい。
・マイクによる攻撃の強弱の基準、言葉を攻撃に変える仕組み
1期の時に韻の数が攻撃につながるかのような描写がありましたが…それだけじゃ無いですよね?
・マイクの流通経路 「違法マイク」とは何か
じゃあ何なら合法なのか?その辺の家電量販店に売ってる訳じゃあるまいし。もしそこまで普及していたらもっと周りの一般市民も利用している描写があって良いはず。
・マイクの出現当初 どんな影響があってどのように世の中が変わっていったか
サイコパスの方にはもうこれでもかというくらい細かく社会の変遷が描かれています。読みきれねぇ。(※本編のネタバレ含む)
そりゃあその、ヒプノシスマイクは別にSF重視のストーリーではないでしょうし、それどころかストーリーよりも音楽やキャラクターの描写を重視していると言っても過言ではないのでここまでの作り込みはない(むしろSF周りを作り込みすぎると逆に方向性が分かりづらくなる)と思いますが…どっかでこの辺りの話もチラッと滲み出てこないかなーと。
・なぜ女性優位の社会になったのか
女性の方が言語能力が高かったから…というよりは、マイクの流通経路・収入などの権利をたまたま女性が握ったから、ないし実力を握った人物がその人自身の考えに基づいて女性優位の社会を作り上げたから…と考えた方が現実的な気がしますね。
『女性=男性よりラップが上手い』とはならないでしょう。ラップバトルを歓声上げながら観ていた女性客たちが実は全員参戦者たちより強いとか…カオスすぎる。
2期があるという話は今のところ聞きませんが、もしあれば観て見たいです。言葉が力を持つとはどういうことなのか、どんな風に描かれるのか…。
やりようによっては寓話的に持っていくことも出来るでしょうし、視聴者の価値観やモラル、メディアリテラシーにすら大きく影響しうるでしょう。
(既に別の意味で主に金銭感覚が変動した人も散見しますが。グッズ方面で。)
とにかく、今後が楽しみです。
おまけ
マイクの変身はあくまで見た目だけといっても…ガラケー型マイクを肩で持っていたよね?やっぱり物理的にも変身(変形)しているのでは?
考えられるケースは2点
・本当は手で持っているけど、肩で持つ姿勢ごと「そのように見えているだけ」
・肩ですげー頑張って持ってる。普通の形のマイクを。転がり落ちないように。
マイクキャンセラーのことは?
終盤で出てきたアイテムですね。主人公らがマイクを使おうとしても変身が解けてしまい「マイクが使えない?!」となっていました。
こちらはまぁ、現実のノイズキャンセリング機能か妨害電波と似たような物かと。
まだマイクが言葉を力に変える仕組みがわかっていませんが、そのプロセスのどこかを遮断ないし無効化しているのでしょう。
少なくともマイクの機能自体に干渉する事なく言葉の力それ自体で真っ向勝負はしていないですね。「俺たち最強!」に対して「な訳ねーだろ雑魚野郎!」みたいなネガキャンが自動で瞬時に返されるとか…うーん、嫌なキャンセラーだ…。相当うるさいという意味では一応これでもキャンセラーとしては十分機能するかもしれない。
ともかくマイクそのものの仕組みが不明なので、キャンセラーのことも正直今のところこれくらいの事しか言えません。
以上!