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【自主性・主体性ある会社・組織・チームの作り方】 第4回 価値観・考え方をどう共有するのか?

この記事では、中小企業(特に成長を目指すベンチャー企業)として、マネジメント・組織作りをどのように行っていくべきなのか、実体験と実践内容をもとに考えていきたいと思います。

さて、前回(第3回 スキルよりウィル:会社の価値観に合わない人を採用しない)の最後にも書いたとおり、今回は会社の価値観や考え方などを、社員にどのように共有するのか、について取り上げます。

会社には会社ごとの価値観・考え方が存在し、所属する社員・メンバーによって自然と社内カルチャーが形成されていきます。
顧客や取引先を訪問すると感じることがあるのですが、会社ごとに「雰囲気」や「色」があるわけです。

だからこそ、会社の価値観・考え方に合致しない人を採用しないことが大事になりますし、さらには、合致しない社員がいれば自然と退社に至るだけの明確なモノが必要となるわけです。

ここで、多くの会社が「暗黙知」のまま放置しているからこそ、社内の価値観・考え方を採用基準に生かせず、また社員の評価に反映することができないのです。
この「暗黙知」をいかに【形式知】にできるかが大事になります。


■「理念経営」とはよく言うけれど・・・

私は独立・起業してから10年弱の間、「会社には理念が大事」という話を散々聞いてきましたが、それまで理念などというものを作ろうと思ったことはありませんでした。
正直なところ、目の前の仕事・事業をいかに伸ばすかだけを考えてきました。

その間に従業員数は増え、会社の拠点も東京・那覇と2ヵ所になるとともに、社内マネジメントに苦しむことが増えました。
もはや「もぐら叩き」みたいなもので、社内で問題が起こるたびに、何が悪かったのかを社員たちに説くわけですが、これがまた一向に伝わらず、同じ問題が繰り返し起こるわけです。

そして今から3~4年前になりますが、役員を含めて会社の「目的」「ビジョン」「行動指針」の明文化に着手しました。そこからブラッシュアップを繰り返し、もともと行動指針などが多かったものを整理して、1枚にまとめたものが下記になります。

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この会社は、

・何のために/何を目的に存在しているのか?
・どうあるべきだと考えているのか?
・何を判断/行動基準にすべきなのか?

をまとめ、言語化したものです。

採用基準はもちろん、社員の評価項目にもこれらを強く反映させていますし、普段の言動等を含め、何が悪いのか・是正すべきなのかを指摘する際には、この中の「○○という主旨から外れている」と指摘することで、社内共有される価値観・考え方をより強固にしていくものです。


■とりあえず言語概念化する

経営者が「うちの会社はこうあるべき」といくら語っても、社員には忘れらますし、各社員で受止め方・捉え方が違うわけです。また、口頭で伝えるということはニュアンスも違ってきます。経営者が言う「頑張る」と各社員が思う「頑張る」は違って当然かもしれません。

私も以前は、毎回社員には口頭で改善すべき点を指摘していましたが、今は社内向けのブログを更新・共有することにしています。

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「経営者が何を・どう考え、会社としてどうあるべきだと考えているのか」を、いかに文字にして伝えるのかを大事にしているわけです。

私はこれを「言語概念化」と呼んでいますが、自らの考えをあえて文字・言葉にすることで、その考え自体が整理されたり、新たな考え方が生まれたり、「考え⇔言語」の行ったり来たりをすることで、経営者自身も思考が深まることになります。


■伝えたいことを収録~アーカイブに残す

経営全般の話になりますが、社内で仕事内容等を共有・指示するのに、同じことを2度以上伝えるのはムダなので、マニュアルなどの業務資料を作成すべきですし、弊社ではそれを徹底するよう指示しています。

これと同じ考え方なのですが、毎月初営業日の午前中に実施している「全体会議」では、全てビデオカメラによって収録、そのアーカイブを全社で共有しています。

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よく言われることに、経営者は「100回言っても社員に伝わらないなら101回言え」という精神論があり、私自身も経営者として同意しますが、一方で「前も言ったよね」がムダであることは変わりません。

弊社では、私が社内で講義をした「価値観研修」も必須の動画としてアーカイブしています。
この講義はまさに、「仕事とは何か?」「この会社は何を目指しているのか?」「会社と社員間の関係性はどうあるべきか?」などを数時間にわたって話したものです。

また、本稿の趣旨とは異なりますが、弊社では私が開催した講座がいくつかあり、社内向けの「マーケティング講座」なども動画として共有しています。

弊社は、Webを中心としたマーケティングで成り立っている会社です。
このマーケティングにはテクニック・手法だけではなく、その前提となる原則的な考え方が非常に重要になるので、講座を収録したものを繰り返し見れる状況を作っています。


■採用面接段階で実施している施策

弊社ではこのようにブログや動画で、従業員全員で共有すべき価値観・考え方を、暗黙知ではない形式知で公開しているわけですが、社員の採用時にもこれらを活用しています。

具体的には、採用応募~書類選考~1次面接の後、2次面接に進んでいただく方には、私の動画やブログを見ていただくことにしています。
それらを見たうえで、「この会社には合わないな」と思ったら、2次面接を辞退いただくことも想定していますし、実際に辞退者も出ます。

これは前回に書きましたが、会社のカルチャー・考え方にマッチしない人をいかに採用しないかを最優先に考えているため、弊社の価値観・考え方を先に共有し、いわばリトマス試験紙のようにも利用しています。

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また、「動画・ブログを見ました」「この会社に合うと思います」と言い、とりあえず2次面接に進もうとする人を排除するためにも、2次面接では動画やブログの内容に具体的に質問し、実際に動画などをしっかり見たのか、見たうえで自分にマッチしていると本当に思っているのかを確認するということまでします。


■最後に・・・

経営者の考え方や方向性が、社員に落とし込まれない理由は経営者自身に問題があり、「何度も言ったはず」「言わなくてもわかってくれよ」というのはムリだということです。

会社のカルチャーや考え方・価値観などを社員に共有していくためには、経営者が自身の考え方をいったん整理し、言語概念化して伝える、さらにはそれをいつでも・後からでも見れる状況を作ることが大事ということです。

また、社員に自主性・主体性が生まれる環境を作るためには、全社員に情報が共有されている、もしくは知ろうと思えば知ることができるという社内環境が必須になります。

弊社では、原則として共有されていない情報がない、という状況を作っていますが、何を・どこまで情報共有しているのかについて、次回で取り上げてみましょう。

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