個人事業主に対する税務調査の実態
昨今は、サラリーマンを辞めてフリーランスとして独立する「個人事業主」の方も増えました。
さて、個人事業主の方で気になるのは、税務調査ですね。
・確定申告の時に急いで集計しているので計算に自信がない
・領収書があれば全部経費にしているが、税務署に認められるか不安
・税理士をつけていないので、税務調査に入られたらどうすべきかわからない
こういう気持ちが、個人事業主の方の税務調査に対する本音だと思います。
さて、まず個人事業主に対する税務調査の件数や追徴税額などが、毎年国税庁から発表されています。
平成28年10月に発表された情報(集計期間は平成27年7月から平成28年6月まで)が下記です。
「平成27事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」
この資料から読み取れることを解説しましょう。
目次
1. ①個人事業主への税務調査は年間65万件行われている
2. ②申告漏れの割合は約61%
3. ③申告漏れの平均金額は約222万円
4. ④追徴税額の平均金額は27万円強
5. ⑤個人事業主の消費税調査は年間8.8万件
6. ⑥消費税の申告漏れ割合は約61%
7. ⑦消費税の追徴税額平均金額は44万円強
1. ①個人事業主への税務調査は年間65万件行われている
法人場合は、登記がありますので法人数というのは明確にわかりますが、個人事業主の場合は、その正確な人数はわかりません。
極端なことをいえば、個人事業主として活動していても、確定申告もせず、税務署が把握していないケースも多くあることでしょう。
ただ、青色申告者の数は約500万人であることを考えれば、白色申告者を含めても個人事業主の数は1000万人には満たないものと推察されます。
ざっくり個人事業主の人数が700万人程度と想定しても、年間で10人に1人程度の割合で税務調査を受けていることになります。
これはあくまでも単年でみた場合の割合ですから、3~5年(税務調査の遡り期間)で考えれば、かなりの割合で税務調査が行われていることがわかります。
2. ②申告漏れの割合は約61%
税務調査に入られ、申告漏れ等の非違があった件数は39.6万件となっています。
税務調査の総件数が65万件ですから、申告漏れと指摘された割合は、60.9%となっています。
ざっくり、3件の税務調査に2件は申告漏れとなっている、といえます。
3.③申告漏れの平均金額は約222万円
申告漏れの金額ですが、総額で8,785億円となっており、申告漏れの件数が39.6万件ですから、税務調査1件あたりの申告漏れ平均額は約222万円となっています。
4.④追徴税額の平均金額は27万円強
追徴税額の金額ですが、総額で1,074億円となっており、申告漏れの件数が39.6万件ですから、税務調査1件あたりの追徴税額平均額は約27.1万円と、そこまで多額の追徴税額になっていないことがわかります。
さて、これに加えて、毎年売上が1000万円を超えている個人事業主の方には、所得税と合わせて消費税の税務調査も行われることになります。
5.⑤個人事業主の消費税調査は年間8.8万件
個人事業主に対する税務調査の総数が65万件ですから、消費税がかかっている(売上が1000万円を超えている)個人事業主の割合は約13.5%ということです。
6. ⑥消費税の申告漏れ割合は約61%
個人事業主が消費税の税務調査を行われ、申告漏れ等の非違があった件数は6.1万件となっています。
総件数が8.8万件ですから、申告漏れと指摘された割合は、69.3%となっています。
消費税については、3件の税務調査に2件以上の割合で申告漏れであることがわかります。
これは、かなり高い数字と言えるでしょう。
7. ⑦消費税の追徴税額平均金額は44万円強
消費税に関する追徴税額の金額ですが、総額で271億円となっており、申告漏れの件数が6.1万件ですから、税務調査1件あたりの追徴税額平均額は約44.4万円と、所得税の追徴税額より高くなっていることがわかります。
今回は、個人事業主に対する税務調査について、国税庁が発表している実数から分析してみました。
これらの追徴税額を高いとみるか、案外安いとみるかは人によって違うとは思いますが、いったん税務調査が入れば、ある程度の追徴税額が課されることだけはおわかりいただけたかと思います。
漠然と怖いと思っている税務調査も、こういう分析をすることで、その実態が見えてくるものですね。
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