M-poxワクチンMVA-BN皮下・皮内注射:短期有害事象報告・・・局所症状:アトピー皮膚炎に多い

皮下・皮内投与によるワクチン節約が仇?
皮膚反応多そうだ、でも、全身性有害事象はまれでまぁ安心だが・・・

Deng, Lucy, Laura K. Lopez, Catherine Glover, Patrick Cashman, Renee Reynolds, Kristine MacartneyとNicholas Wood. 「Short-Term Adverse Events Following Immunization With Modified Vaccinia Ankara-Bavarian Nordic (MVA-BN) Vaccine for Mpox」. JAMA, 2023年5月5日. https://doi.org/10.1001/jama.2023.7683.



要約:written with ChatGPT

グローバルなMVA-BNワクチン不足への対応として、オーストラリアは最近のmpoxアウトブレイクに対して節約スケジュールを採用し、予防接種前には0.1mLの皮内MVA-BNワクチン、予防接種後には0.5mLの皮下ワクチンを4週間おきに2回投与することを推奨しています。MVA-BNワクチンの副作用プロファイルを理解するために、オーストラリアのワクチン安全監視システムであるAusVaxSafetyが収集した、皮下および皮内MVA-BNワクチン接種後の有害事象についてのデータが分析されました。

方法
2022年8月8日から2023年3月20日までの間にMVA-BNを受けた人々が、監視に参加するためにQRコードで自己登録するよう招待されました。監視サイトは、すべてのmpoxワクチン接種サイトの76%をカバーしていました。登録した人々は、ワクチン接種後7日間の有害事象について尋ねるSMSテキストメッセージやメールでアンケートリンクを受け取りました。

結果
MVA-BNワクチンを受けた21,601人のうち、13,306人(62%)が7日目の調査に回答しました。最も副作用が多かったのは、皮内ワクチンの1回目の接種(53%)で、最も副作用が少なかったのは、皮下ワクチンの2回目の接種(31%)でした。

議論

このMVA-BNワクチン接種後の副作用に関する研究では、皮内投与後の局所副作用が最も多いことがわかりましたが、以前の研究に比べて絶対的な事象の発生率は低かったです。また、医療の相談や日常活動の欠席を報告する人の割合が低かったことから、ワクチンは一般的に良好に耐えられていると考えられます。

研究の限界には、ワクチン接種後1週間の副作用のみを報告し、副作用の解消までのフォローアップがなかったことが含まれていました。また、監視は自己登録に依存しているため、研究期間中に接種された個人の総数は不明でした。また、参加は英語を話す人やインターネットにアクセスできる人に限られていました。

この研究では、皮下接種後には局所的な痛み、腫れ、赤みが最も一般的な副作用であり、皮内接種後には局所的な赤み、かゆみ、腫れが最も一般的でした。心臓・呼吸器症状はまれでした。両投与経路で1回目の接種後に局所副作用が最も多く、皮内接種では1回目の接種後に52%、2回目の接種後に34%、皮下接種では1回目の接種後に44%、2回目の接種後に28%でした。全身副作用の発生率は投与経路間で類似していましたが、両投与経路で1回目の接種後が最も高かった(皮内:1回目の接種後21%、2回目の接種後15%、皮下:1回目の接種後23%、2回目の接種後14%)。

アトピー性皮膚炎の患者は、投与経路と回数に関わらず最も副作用の発生率が高かった(47%~81%)。免疫不全および/またはHIVの患者は、慢性病のない個人と同様の副作用発生率を報告しました。医療の相談を求める割合は、全体的にも投与回数や経路によっても低かった(0.7%~1.2%)。また、副作用により仕事・学業や通常の活動を休むことを報告した個人は、投与回数や経路に関わらずわずかでした(2.5%~3.7%)。この研究の結果は、MVA-BNワクチン接種後の副作用に関する重要な情報を提供しており、接種プログラムの実施に役立つでしょう。しかし、今後の研究では、副作用の解消までのフォローアップや、英語以外の言語を話す人々やインターネットアクセスのない人々を含めたより広範な参加者に焦点を当てることが重要です。また、ワクチン接種後の長期的な副作用に関するデータも収集することで、ワクチンの安全性に関する更なる理解が得られるでしょう。

今後の対策として、副作用への対応や予防策の改善が求められます。例えば、副作用の予防や緩和のためのガイドラインを提供することや、接種前のカウンセリングを強化することが考えられます。また、ワクチン接種後のフォローアップを充実させることで、副作用への対応が迅速かつ適切に行われるようにすることが重要です。

最後に、今回の研究結果は、ワクチン接種プログラムの評価や改善に役立つ情報を提供していますが、さらなる研究やデータ収集が必要です。特に、異なる年齢層や民族、健康状態の人々における副作用の発生率や傾向を調査することが重要です。これにより、ワクチンの安全性や効果をさらに向上させることができるでしょう。

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