毛虫を描く宮崎駿

彼は指先だけが神聖化されている
あとはただの人

 体は疲れ果て
 心は疲れ果て
 それでも彼を描かせるのは
 一匹の毛虫
 現実にはいない
 一匹の毛虫
 彼の手のひらだけが知っている
 一匹の毛虫
 疲れ果て一服したコーヒーの味は
 あなたの孤独を安らがせたか

 かつて描いた腐海の中に
 自分が飲み込まれつつあるのを感じて
 かわいいプードルは声をあげた

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