本物のお金持ちはタワマンに住まない!? アッパー層の家選びを国勢調査から見る!#1【横浜中心地~南部編】
「本物のお金持ち」、度々X上で議論を巻き起こすワードです。
「タワマンに住むのは成功者」
「注文住宅こそが正義、本物のお金持ちはタワマンに住まない」
「郊外のニュータウンは廃れている」
このように様々な暴論が飛び交うのは現代社会のおもしろいところでもありますが、今回は実際のところどうなのか、国勢調査のデータより見えてくる傾向についてご紹介します。
概要
2020年国勢調査で行われた調査「小地域集計・職業(大分類)就業者数」の結果を基にしています。
今回の調査では、より富裕層の出現率が高いと思われる「管理的職業従事者・男性」の割合が高い地域を【横浜中心地~南部】に絞って見ていきます。
この記事は#1【横浜中心地~南部】です。
(#2【横浜北東部・川崎】、#3【三浦半島】、#4【湘南・神奈川西部】の予定です)
(※ストック型富裕層、医師、士業などは含まれません。あくまで1つの物差しとしてです。)
結果
①地域名
②エリア
③管理職割合
④地域についての考察
の順で各地域を取り上げます。(母数が50人未満の地域を除く)
今回は10%を超える超集中地域をご紹介します。追加部分では5%~10%の小集中地域をご紹介します。
横浜市神奈川区
金港町 11.911% (県内26位)
・横浜駅東口エリアです。横浜ベイクォーターがあると説明するとよく伝わりそうです。学区は幸ケ谷小学校→栗田谷中学校で、過去記事で取り上げた翠嵐高校進学率上位の中学校に該当しています。
・管理職割合は11.911%、総数403人のうち48人が該当します。
・金港町は、マンクラ界隈では有名なタワマン「ナビューレ横浜タワーレジデンス」と「パークタワー横濱ポートサイド」の2棟が住民のほとんどを占めます。
→管理職はお金持ち、と対応する訳ではないものの、「本物のお金持ちはタワマンに住まない」という論は根拠に欠けることが分かります。
横浜市西区
みなとみらい3丁目 19.444% (県内1位)
・みなとみらいの中で最もみなとみらい感が強いエリアです。マークイズみなとみらいがあり、人で賑わうエリアです。学区はみなとみらい本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は県内ダントツトップで19.444%、総数108人のうち21人が該当します。
・みなとみらい3丁目はマンションが1つあるのみです。全住民が、マンクラ界隈では有名な「ブランズタワーみなとみらい」に住んでいます。
→管理職はお金持ち、と対応する訳ではないものの、「本物のお金持ちはタワマンに住まない」という論は根拠に欠けることが分かります。(2回目)
みなとみらい6丁目 16.250% (県内7位)
みなとみらいの中で最も北側にあるエリアです。アンパンマンミュージアムやつい最近完成したKアリーナがあります。学区はみなとみらい本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は県内7位で16.250%、総数160人のうち26人が該当します。
・みなとみらい6丁目はマンションが1つあるのみです。全住民が、マンクラ界隈では有名な「ブルーハーバータワーみなとみらい」に住んでいます。
→管理職はお金持ち、と対応する訳ではないものの、「本物のお金持ちはタワマンに住まない」という論は根拠に欠けることが分かります。(3回目)
宮崎町 14.488% (県内12位)
・桜木町駅に近い「伊勢山」と呼ばれるエリアです。紅葉坂の南側で、伊勢山ヒルズや皇大神宮があります。学区は本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は14.488%、総数283人のうち41人が該当します。
・宮崎町は、マンクラ界隈では有名な「グランドメゾン伊勢山」の住民も多いです。
みなとみらい4丁目 13.370% (県内15位)
・みなとみらいの中でも元祖みなとみらいと言えるエリアです。学区はみなとみらい本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は13.370%、総数1451人のうち194人が該当します。
・みなとみらい4丁目にあるマンションはどれも有名です。全住民が、マンクラ界隈では有名な「M.M.TOWERS The East/The West/The South」「M.M.TOWERS FORESIS L/R」「みなとみらいミッドスクエア ザ・タワーレジデンス」の何れかに住んでいます。
→管理職はお金持ち、と対応する訳ではないものの、「本物のお金持ちはタワマンに住まない」という論は根拠に欠けることが分かります。(4回目)
横浜市中区
根岸加曽台 18.000% (県内2位)
・山手の高台最前線にあるエリアです。学区は間門小学校→本牧中学校、立野小学校→仲尾台中学校です。
・管理職割合は県内2位で18.000%、総数50人のうち9人が該当します。
・根岸加曽台は、「ガーデン南山手」の住民がほとんどです。近年「レーベン横浜山手 ONE WARD COURT」も完成しました。
日本大通 17.241% (県内3位)
・県庁や横浜スタジアムがある横浜の中枢エリアです。学区は本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は県内3位で18.000%、総数58人のうち10人が該当します。
・日本大通は、「シティタワー横濱」の住民がほとんどです。
山手町 16.701% (県内5位)
・所謂、由緒ある横浜の高級住宅地と呼ばれるエリアです。学区は石川小学校→平楽中学校、元街小学校(北方小学校)→港中学校、北方小学校→仲尾台中学校です。
・管理職割合は県内5位で16.701%、総数982人のうち164人が該当します。
尾上町5丁目 15.000% (県内10位)
・関内駅前エリアです。学区は本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は県内10位で15.000%、総数60人のうち9人が該当します。
・尾上町5丁目は、「横浜シティタワー馬車道」の住民がほとんどです。
寺久保 14.535% (県内11位)
・米軍根岸住宅地区に隣接する高台住宅地です。学区は山元小学校→平楽中学校、根岸小学校→根岸中学校です。
・管理職割合は14.535%、総数175人のうち25人が該当します。
北仲通5丁目 13.793% (県内13位)
・近年開発された馬車道エリアです。学区はみなとみらい本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は13.793%、総数435人のうち60人が該当します。
・北仲通5丁目はマンションが1つあるのみです。全住民が、マンクラ界隈では有名な「ザ・タワー横浜北仲」に住んでいます。
本町4丁目 12.727% (県内19位)
・昔ながらの馬車道エリアです。学区は本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は12.727%、総数55人のうち7人が該当します。
・本町4丁目は、「D'グラフォート横浜クルージングタワー」の住民がほとんどです。
本牧和田 12.684% (県内20位)
・本牧エリアの高級住宅地です。ゆったりとした区画に大きな戸建て、電線地中化やおしゃれな道路舗装など、全域が整備された戸建て/マンション街区です。学区は本牧小学校→本牧中学校です。
・管理職割合は12.684%、総数339人のうち43人が該当します。
元浜町3丁目 11.765% (県内27位)
・神奈川県警察本部の近く、海に近い馬車道エリアです。学区は本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は11.765%、総数51人のうち6人が該当します。
・元浜町3丁目はマンションが1つあるのみです。全住民が、「プロスタイル横浜馬車道」に住んでいます。
元町5丁目 11.111% (県内33位)
・横浜元町ショッピングストリートの一角を担う、ザ・元町な雰囲気漂う元町の玄関口的エリアです。学区は元街小学校→港中学校です。
・管理職割合は11.111%、総数90人のうち10人が該当します。
吉浜町 10.823% (県内38位)
・石川町駅前エリアです。首都高ジャンクション内部に街が広がるという面白い構造をしています。学区は本町小学校→横浜吉田中学校、元街小学校→港中学校です。
・管理職割合は10.823%、総数231人のうち25人が該当します。
・吉浜町は、「パークスクエア横浜」の住民がほとんどです。
長者町6丁目 10.769% (県内40位)
・イセサキモール近く、横浜の繁華街らしいエリアです。学区は本町小学校→横浜吉田中学校です。
・管理職割合は10.769%、総数65人のうち7人が該当します。
・長者町6丁目は、「グランアルベーラ横濱関内」の住民がほとんどです。
横浜市南区
山王町2丁目 10.976% (県内37位)
・吉野町駅からすぐ近くのエリアで、関内エリアからも近いです。学区は日枝小学校→共進中学校です。
・管理職割合は10.976%、総数82人のうち9人が該当します。
・山王町2丁目は、「ランドシティ横濱吉野町レジデンス」の住民も多いです。
横浜市金沢区
西柴4丁目 10.366% (県内43位)
・金沢文庫駅と能見台駅の間にある、西武が開発した戸建て住宅地です。きれいな半円を描く形の分譲地が特徴です。学区は西柴小学校→西柴中学校です。
・管理職割合は10.366%、総数164人のうち17人が該当します。
横浜市栄区
庄戸5丁目 11.111% (県内33位)
・円海山の麓にある区画整理された戸建て住宅地です。学区は庄戸小学校→上郷中学校です。
・管理職割合は11.111%、総数90人のうち10人が該当します。
庄戸4丁目 10.823% (県内38位)
・円海山の麓にある区画整理された戸建て住宅地です。学区は庄戸小学校→上郷中学校です。
・管理職割合は10.823%、総数231人のうち25人が該当します。
横浜市中心部~南部のうち、保土ヶ谷区、磯子区、戸塚区、港南区、旭区、瀬谷区、栄区、泉区については10%を超える該当地域はありませんでした。(追加部分ではご紹介します。)
まとめ
以上、10%を超える超集中地域、21地域をご紹介しました!
「本物のお金持ちはタワマンに住まない」というのは果たして信憑性がある言説なのか、私はこのデータを読み解くうちに懐疑的な見方になりました。
この後では5%~10%の小集中地域のまとめとして、120地域を追加でご紹介します。学区との関連についてなど少し踏み込んだ話もしております。
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次回は、#2【横浜北東部・川崎編】をお届けします。お読みいただきありがとうございました!
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