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2023/07/15 #POINT_ZERO に出演した話

今回は、俺のルーツでもある「音ゲー」にフォーカスしたイベントにお呼びいただいたことについてです。
音ゲーをやっていなかったら今こういう活動をしていないだろうし、クラブ文化っていうものにさえ触れてなかったかもしれない。そんな音ゲーとの出会いが巡り巡ってこういうイベントの出演に繋がっていると思うと、続けてることって何かしらは意味を持つんだなと思わされる。

イベントについて

秋葉原MOGRAにて開催される音ゲー楽曲オンリーイベント、いわゆる「音クラ」と称されるジャンルのイベント。
今までも日本の全国各所、ひいてはMOGRAでも数多く音クラというものは開催されてきたが、このイベントはあくまで「クラブ文化」にフォーカスを当てている、という点が一味異なる。
抽象的な話にはなるが主にはセットリストの共有なし、単曲の「高まり」に依存しない、全体の流れを汲んでイベントを作っていく、といった意識下の話、といったところか。
つまりMOGRAというクラブの音響を活かして、音ゲー曲でしっかり「クラブ」をやっちゃおうよ、というコンセプトを掲げるのがPOINT_ZERO なのだろう。

このイベントが発足されて、前述の「高まり」という部分が重要視される、いわゆるアニクラ的なフォーマットの音ゲーイベントがあまり肌に合っていないと感じている部分もあり(片方を貶す意図はございません。)、クラブフォーマットで音ゲー曲が聴けるというのは俺にとってはこの上なく喜ばしいイベントだったので、初回から足繁く通わせていただいていた。
そんなイベントから今回ありがたくお声をかけていただき、念願叶って出演することとなった。

オファー、前日まで

オファーをいただいて、もちろん即快諾。
元々俺は音ゲープレイヤーであり、もちろん今も現役でプレイしている。Twitterにリザルトを乗せたりというのは今でもやっているし、DJでもあらゆる現場で音ゲー曲を忍ばせたりしていたのである。
そんな活動が主催陣の目に留まり、ゲスト候補として入っていたとのこと。ありがたき幸せ。今回タイミングが噛み合い、出演させていただくことと相成った。

そして受けたはいいものの、よくある話だが何をかけたものかという悩みに直面する。ちょこちょこかけてはいたものの、音ゲー曲オンリーという機会は今まであまりなかったため、かけたい曲は溜まりに溜まっている状態だった。
音ゲー曲というのはその名の通り、「音ゲーのための曲」であるため、譜面のためにやたらと細かいシーケンス、やたらと早い展開そしてBPMが搭載されがちで、他ジャンルとの食い合わせがまあ〜難しいニッチな分野なのである。対して音楽ジャンルとしてはスピードコアからアンビエントまで多種多様な曲が存在するため、ジャンル横断的なDJは非常に難しい。やるとなったら考えなければいけないことが多すぎる。
俺は音ゲー曲が好きなのは大前提として、DJとしてやるとなったら何をしたいのかを考えた結果、音楽ジャンルとしてなるべくブレない形でやりたいな、と思っていた。例えばドラムンベースだったら、170~180あたりをキープさせ、たまにハードコア、など。クラブで言えば至極当然の話なのかもしれないが、音ゲー曲ともなるとそうもいかない。
そうして、まずはかけたい曲、最近好きな曲を改めて列挙するなどぼんやり開催日まで考えつつ日々を過ごす。最近ドラムンベース系も飽きてきたしな、でも音ゲードラムンベースまだまだやり足りないことあるし、などなど。
あとはタイムテーブル。クラブのフォーマットに則っている以上、タイムテーブル上での役割は重要だ。それによってやることは変わってくる。「ゲストなんだから好きにやればいいじゃん」というのはまあ間違っていないのかもしれないが、少なくとも俺は1番手をもらって一発目に「Carmina」をかけることなどはできない。それは俺のポリシーに反する。なので、最近ケツ付近の番手をもらうことが多いので、それとな〜く音ゲーコア的な流れも考えつつ構えていたりした。

タイムテーブルがでる。二番手!これだけ早い番手は結構久しぶり。
その時天啓降る。「音ゲーハウスをやろう!」
開催日は7/15と夏真っ盛り。音ゲーにはあまり譜面を意識していない、低難易度の聴きやすい素晴らしいハウスが多く存在しておるのでこれで夏やりてえな、と、思った。俺は酔っ払っていた。
もちろんやりたいネタは腐るほどあるので、45分は足りないな、、、と思いつつあとは現場の雰囲気に任せてやっていこう、というまま本番を迎える。

当日

Eiryさん、beatrooperさんとの前飲みをし、古のめちゃくちゃいいお話を伺ってMOGRAへ。音出し時、YAKUさんがXDJ-700を自前で持ち込んでいると聞いて驚愕。今日はおもろくなりそうという期待のもとイベント開始。
beatrooperさんの盤石のオープン。かっちり渋く古いヒップホップなどがかかって地盤が固められていく。あっという間に自分の番手が回ってきてビビる。久しくなかった感覚。
前もってハウスをやりたいとこぼしていたので、いい感じに調整いただいて大助かり。最初は近年のカッチリ目のBounceなどから、乙女→ブラジリアンハウスに移行して夏サマーをやる。途中で流れ変えて2STEPもやりつつ、終盤にじわじわと揚げながらjubeat knitの版権であるWalkin' runnin' singin' fightin'をかけたりして、次のEiryさんへ。夏らしく結構能天気にやれたと思う。実際めちゃくちゃ楽しかった。と同時に、まだ二番手なのに開放感がすごい。久しいな、この感じ、、
そしてイベントは続き、知っている音ゲー曲達がかかりまくり、本当に心地の良い空間が作られていく。次GUESTのMasayoshi MinoshimaさんはMOGRA出演自体がもう何年ぶりとのことで、自ら作曲された曲の他何がかかるのか期待していたら、本当に音ゲーマーとしての選曲で、自作曲に限らず新旧の幾多の音ゲー曲乱れ打ちのセットで、かなり衝撃だった。し、熱を感じるそのセットに少し感動もした。
さらにYAKUさんは、音出しの時の通り自前のXDJ-700を使って3デッキでのリアルタイムマッシュアップをしながら音ゲーハードコアをかけ倒す。いい、まさに「音ゲー」といえばなラインを突いてくるので、非常にカッコ良かった。自分の好きなものを技量を持って精一杯表現するのは本当に素晴らしい。
そしてGettyさん、もはやイメージとしては完全にハードコアとして定着してしまっているが、今回のオーダーとしては自作曲に拘らず音ゲーマーとして自分の好きな曲をかけて、ということだったので、何がかかってもおかしくないのだった。まさにオーダー通り全く予想外の選曲が始まる。「旅人リラン」かけるGettyさんなんて今後いつ見れるんだろう。そして職人技の如く自作曲で締めていく様は、まさにプロ魂を感じた。
そしてめいめいの音ゲー愛をマックスに表現し切った当イベントは、主催のネルくんさん魂の音ゲーコアで締め。
知ってる曲知らない曲もたくさん聴けて、客としてもとても満足できる、いい回になったと思う。

総括

クラブのフォーマットとして音ゲー曲をかけ倒す、というのはずっとやってみたかったことなので、今回は非常に満足度の高いDJができた。「walk with you」で大声が上がるイベントなんて、そりゃもう嬉しいですよ。
カットインなどあまりアニクラ的なやり方は得手ではないので、今回このようなやり方で会場を上げられたのはとても嬉しい。いい体験をさせていただきました。

そして、演者みなさんが今でも音ゲー愛を持っていて、その空間の中に入れるというのはとても幸せなことだなと改めて思った。MOGRA近辺の界隈では隠れ音ゲーマーさんとたまに出会うことはあるが、「今はやっていない」というようなことが多かったりするので、今回これだけ現役の「マー」達とお話ができたのはとても嬉しかった。

今もじわじわと様々な施策で音ゲー曲というのは盛り上がりを見せていると思うので、これを機にPOINT_ZEROももっと飛躍して欲しいなと思うし、次に客として参加することを楽しみにしています。

今後どれだけ俺にDJの機会があるか分からないが、隙あらば音ゲー曲をかけちゃうと思う。でもいい曲でしょ?というスタンスを変えるつもりはないので、俺のDJきっかけで知ったり、色々調べていただけるとめっちゃ嬉しいです。それを目指して、日々布教したく思います。

別にプレーはしなくてもいいので。



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