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⑭キャリアアップしてこそ、転職の意味

何のために転職するのか、もっとも大事な点を忘れて、自分の意思を持たずに何となく転職をすると、自分の実力より低いポジションの仕事に就くことになってしまうことがあります。キャリアアップではなく、むしろキャリアダウンとなってしまいます。
いったんそのような選択をすると、その職歴は消すことができず、キャリアの傷として残ってしまいます。そうすると、次の転職の際「あの会社であのような仕事をしていたのか」と評価され、その後のキャリア形成が難しくなる可能性があります。その後、さらに職務内容や雇用条件の良くない仕事への転職を繰り返してしまいます。
そうこうしている内に、短期間で仕事を変わる「ジョブホッパー」として企業から相手にされなくなることもあります。
 
転職回数の許容範囲
転職する時に、転職回数が問題になることがあります。
紹介会社が求人先企業から転職回数の許容範囲が指定されることもあります。30歳代であれば2回まで、40歳代であれば3回までという形となり、採用担当者もそのルールをほぼ機械的に適用しているのが現状です。
  
短い期間で転職を繰り返す人も歓迎されません。「うちに来ても、またしばらくすると辞めて別の会社に転職していくのだろう」と想像できるので、採用する気になりません。
  
転職先企業関連情報収集
 目指す転職先の会社に入って、しばらく経ってから「こんな会社だとは思わなかった」といっても後の祭りです。
転職候補先の業界や企業については、事前に入念に徹底的な調査を行なう必要があります。
といっても、その企業の社内のことはそうやすやすと分かるものではありません。
では、どうするのか。
前もってその会社についての情報を集めておくしか手はありません。
他の家庭のことがよくわからないと同様に、他社のほんとうのことはよくわかりません。
そこで、先ずとりかかりはネットで検索し、情報の収集と分析から始めます。
その会社について、対外的なことは公式HPで読むことが出来ますが、社風や会社にたいする不平不満は転職口コミサイトでしかわからないものです。(公式HPの読み方は後述)
しかし、悪意を持って書かれたものや個人のゆがんだバイアスでもって書かれたものも混ざっているのでその情報を鵜吞みにしてはいけません。個々の情報の信憑性は乏しいので数を集める必要があります。そしてそれらの情報は自分で分析するしかありません。
最後は、面接の場面で質問をして確認してみましょう。
 
志望する会社に勤めた経験がある人、あるいはその会社の取引先などの関係者から聞くのが一番良い方法です。現在、勤務している人・家族・友人・知人・取引先・その他あらゆるルートを使って調べます。
東京ビックサイト、幕張メッセ、インテックス大阪などで開かれる大規模な展示会や新製品発表会等のイベントに出向き、そこでの展示内容を見るとともに、説明員をしている社員の人から話を聞いてみると本音の情報が得られるかもしれません。  
また、出身学校の同窓会で志望企業のことを知っていそうな先輩たちの話を聞くと、けっこう本当のことを教えてくれるものです。
  
会社公式ホームページのどこを読み込むのか
ほとんどの会社は自社のホームページを持っています。それを読み込んでいくと、どのような会社なのか、自分が描いているイメージと合っているかどうかなどがチェックできます。また、株式上場会社であれば企業情報のなかにIR情報が掲載されており、そのなかに決算短信・有価証券報告書・IR説明会資料等があります。
 〇主に見るべき箇所
・事業内容
・取扱商品、製品、サービス、取引先
・経営理念、経営方針、組織形態
・人事賃金制度、人財に関するスタンス、社員教育制度
・有価証券報告書
 主要な経営指標等の推移 (過去5期の決算概況と様々な経営指標の推移から、現在の経営状態が読み取れます)
・沿革(その企業の主な歴史がわかります)
・事業の内容
・関係会社
・従業員数
・事業等のリスク
 
人気企業への転職
毎年、新規大学卒業者の就職企業人気ランキングが発表されます。
ほとんど社会のことを知らない学生が短期間の就職活動のなかで自分が入社したい会社を選ぶわけですから、一般の若年者が日常生活のなかで見聞きする企業が選ばれることになります。いうなれば、何となくかっこよさそうなキラキラした会社が上位になります。しかも、内訳は下記しますがその時点の世相を反映したものになります。10年単位での推移を拾ってかつ、その横にあえて2021年も載せましたが、2020年と大きく入れ替わっております。ご承知のように、コロナ禍で旅行・屋外エンタメ市場が一気に冷え込んだためです。
ちなみに、2000年は就職氷河期、2010年は、2008年のリーマンの余韻が残る、経済環境が厳しい時期、2020年はコロナ禍発生前の時期に調査したものです。 

マイナビ・日経就職企業人気ランキング(文系総合)

学生の人気企業が転職先となるのかというと、一般的には確度は低いといえます。不況等で新規採用ゼロにしたという特殊事情がない限り、新卒で人員は充足されており、中途採用を行なう必要が無いからです。