感想文 やまとなでしこ 柳生十兵衛 異聞 石山 近江著作

時代劇でおなじみ「柳生十兵衛三厳」を主人公にした歴史時代物ですね
今更「柳生十兵衛」ってどんな人?に触れる必要はないでしょう。
一般的なイメージとしては「隻眼の剣豪」※千葉真一の柳生十兵衛好きだった。
史実は文筆家として一面もあり逸話も数知れず残ってる方です。
本作の柳生十兵衛様、何がいいって鼻の下伸びてるんですよ!!
なでしこちゃんにデレデレなのが可愛くて仕方ない。
本作ヒロイン なでしこ様は十兵衛が兄姉と慕う「河原家」のご息女でやんごとなき御方なんですが、まあまあ十兵衛の前でははしたない可愛らしい。
陽気なヤンデレ娘と言ったところでしょうか?
※一途な子ですよ。十兵衛以外は見えてないくらいに一途でたくましい。

物語冒頭は十兵衛が家を継いで無役になったところから始まります
さらっと書かれてますが、史実に沿って丁寧に書かれてます。
家に戻ってからなでしこちゃんと再会するわけですよ。
十兵衛って女にモテまくり袖にしまくりなイメージですけども、この十兵衛はなでしこちゃん相手にあたふたしております。
冒頭からなでしこのあの手この手が炸裂するのも見所の一つ。
なでしことの掛け合いで見落としがちですが、本作を書くにあたり著者様はかなり文献史実を読み込んでおられるのが判ります。
二十歳そこそこで家光の不興をかって蟄居。そこから10年近くが謎な状態で史実では44歳で死去しております。
十兵衛の生い立ちや史実、逸話。生前の著作物などなど
盛り沢山の資料をちゃんと読み込んでわざとらしくなく、かつ、さりげなく物語のなかにちりばめておられます。
また剣劇シーン
動きがきっちりと書かれてます。なのに諄くなく臨場感溢れる描写になっております。
「女難」からはちと怪奇チックなストーリーになりますが、違和感なくするする流れていくので十兵衛好きならすんなり入れると思います。
注意としては話が進むうちになでしこが予想以上にパワーアップするので、ヤンデレ独占欲前回ハイパー娘となりますので、この辺は苦手な人にはちょっと辛いかな?くらいですかね。
※本作R18回がありますので、未成年には推奨しません。
古い映画ですが、「魔界転生」好き!!
「柳生十兵衛あばれ旅」好き!!
こういう方にはおすすめです。
なでしこエロばっか言及されがちですが、みどころは「剣劇シーン」
これだけ臨場感ある剣劇はそうそう書けるものではない。
使用される語彙も厳選して書いておられるので、非常に参考になります。

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