自分らしく。「キャリア自律」とは。
Project MINTの「自己革新コース」の修了生が集うコミュニティ”MINT TOWN Community”では、様々な学びの活動が繰り広げられています。
そんな中、多様なバックグラウンドや専門領域を持つ修了生が、本人たちの持っている知識・スキルをMINT修了生たちに共有する場”Master Class” をこの度、始めることになりました。
始めることとなった理由としては、以下2つです。
1.学びは教えることでさらに定着する
脳科学の観点からも、学びを深めるために最も有効なツールは、人に自分なりの解釈を言い換えて伝達する、ということにあると言われています。また、率直に修了生たちから感想を共有してもらったり意見交換することで、新たな視点も養うことができると考えます。このように、MINT修了生自身が、自分なりに得意としている領域を、他者に共有する場を持つことでさらに理解を深めてもらう場にできたらと思っております。
2.プロトタイプの場とする
MINT TOWN Communityでは、修了生たちが安心・安全な場でトライアンドエラーをする場を創っていきたいと考えています。Master Classを通し、修了生自身が、これから何かこのコンテンツでプロトタイプとして実験してみたい、公に誰かにアイディアを公開する前に、MINT Communityの中で修了生たちの前で試して意見を収集してみたい、という場として活用してもらいたいと考えています。
今回、このMaster Classの第1弾として、3期生のトムさんに講師を担当していただきました!そして、同じ3期生の栗さんがレポートとしてまとめてくださいました。
<講師紹介>
榎本知史(えのもと ともふみ/通称トム)
「自分の人生に納得して生きる人を増やしたい」という想いから、キャリアに関わるプロダクト開発・LGBTの就業支援サービスのPM顧問、東大発ベンチャーの組織開発顧問をされています。ITサービスを通してだけではなく、自身でもキャリアコンサルタントとしてキャリア開発の支援を進められている。
●自分のパーパスを軸にパラレルワーク
・人材会社のプロダクト開発マネージャー
・LGBT関連ソーシャルベンチャーPM顧問
・東大発ベンチャーの組織開発顧問
・宮城県延岡市DX推進アドバイザー
・国家資格キャリアコンサルタント
◆参加MINTメンバー
皆の好奇心を刺激した、「キャリア形成」というキーワード。今が転換期と捉え、様々な取り組みを行っているメンバーが集合しました。講義と対談の中で「キャリア自律」への理解を深め、自分達の今までと今後を振り返った時間を、ご紹介していきます。
◆なぜキャリア自律?
「過去の当たり前から、変わる必要がある時代へ変化が来ている」
キャリア自律の話をする前に、まず「我々の今」について共通認識を深めていきました。
「時代の変化」に関わる、沢山のキーワードの中から、いくつか抜粋してご紹介します。
<キーワード>
・世界の現状(VUCAの時代、人生100年時代とライフシフト、ノンルーティンの需要)
・日本の現状(人口オーナス期、国際競争力の低下、終始雇用への不安、ジョブ型雇用・早期退職)
(トムさん作成/当日の資料より)
◆キャリア自律とは何か?
「キャリアについて、企業の言われるがままではなく、自己理解を深めて自分で決めていく」
「キャリア」と「仕事」は切っても切れない関係。
まず、「仕事」ってなに?、今求められているものはなに?を振り返りました。
・「仕事」は、期待に応えること
・「スキル」は、期待に応えるための能力
・3つの「スキル」
・I字型(スペシャリスト)
・-字型(ゼネラリスト)
・T字型
・日本は、-字型(ゼネラリスト)傾向
・しかし、「求められている(需要がある)」のは、T字型(エキスパートゼネラリスト)である
では、「キャリア」、「キャリア自律」とは何?なぜ「今」?をまなびながら、「キャリア自律」の大切さを教えて頂きました。
・「キャリア」:「仕事」だけではない「生き方全体」
・「キャリア自律」:主体的に価値観を理解、キャリア開発の目的・計画を描くこと。
・時代の変化(平均点の高いゼネラリストからエキスパートゼネラリストを求める企業、伝統的な終身雇用制度の崩壊)など、企業と個人の関係性が変わるタイミングだからこそ、「キャリア自律」が重要
◆キャリア自律の羅針盤:プロティアンキャリアの紹介
「自分たちのもっている特権を客観的に把握して、長い目でキャリア計画をしよう」
-実際「キャリア自律をやってみる」といってもどうやって?
事例として、キャリア自律手法の一つである、「プロティアンキャリア( 環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成 Wikipediaより)」について基本的なお話と大切な概念について学ばせていただきました。
・「伝統的なキャリア」と「プロティアンキャリア」の違い
・「環境の変化が前提ではない」と「環境は変化することが前提」
・「組織主体」と「個人主体」
(トムさん作成/当日の資料より)
<プロティアンキャリアで大切な概念①>
・「アイデンティティ(自分のやりたいこと・心理的成功)」
・「アダプタビリティ(適応能力・市場価値)」
<プロティアンキャリアで大切な概念②>
・キャリア資本(人的資本:自己実現、社会資本:共同体、金融資産:自由)
・自分の心理的成功に向けて、戦略的にポートフォリオを組んでいく
◆どうすればキャリア自律できるのか?
【いま】
”正解”のある学生時代を終え、社会人でも”キャリア”の”正解”を求め、悩んでいないか?
【キャリアとは】
自分で作り上げていくもの。成功・失敗はあっても、”正解”は一つではない
【まずは】
試行錯誤して、失敗も学習チャンスととらえて、キャリアでどんどん実験を繰り返そう!
【その為に】
自分は何をしたいか?”自己理解”が大切(やりたいことじゃないと人生100年続かない)
最後に、キャリア自律の実践方法のまとめ。
早速今日から何かしようと関心を持った皆さん向けに、最初の一歩の踏み出し方について、アドバイスを頂きながら講義を終えました。
・今、時代が変化している。
・自分で歩みたいキャリア(生き方全体)を考えることが必要(キャリア自律)
・自分のキャリアを考える上で自己理解が大切
・自己理解:”アダプタビリティとアイデンティティのバランス””キャリア資本的な考え”
・そして、なによりも、実験感覚でTry。
<化学を専攻していた講師トムさん流、実験のポイント>
すべての実験はむり(まず仮説)
楽しさが大事(好奇心)
まずやってみる(行動)
必ず振り返る(内省)
正直な気持ちを大事に(素直さ)
客観的な意見を取り入れる(客観性)
◆ 参加者の様子と感想
- みんなが100年人生でどんな仮説をもって、これからみんなが取り組んでいくか?-
トムさんの講義の後、MINTフェローの皆で今日の振り返りと対話が行われ、
皆が自分の人生を振り返り、タイミングタイミングで何を感じ考えていたのかを伝えあう場になりました。
特に話題に上がったキーワードは、「アクティビティとアダプタビリティのバランス」と、「今と今後の自分たちの取り組みについて」。
今、自分がなりたい理想の自分(アクティビティ)。そして自分を取り巻く環境に適応していく能力(アダプタビリティ)。そのバランスが、変化の激しい今を自分らしく乗り切る為の秘訣の一つではないか。
参加者の皆さんが肌身で実感している「環境の変化」をもとに、自分たちはこれからどうすればよいのか。実践をしながら日々過ごされているということが話の節々で伝わってくる対談になりました。
私自身、ITエンジニアとして働く中で、時代の変化の速さを肌身で感じながら過ごしています。今の時代だからこそのチームや組織といった働きやすい環境作りについて試行錯誤する中で、改めて今回の講義内容や対談は自分たちを見つめなおすいいきっかけになったと感じています。
また、コミュニティの中であっても、初顔合わせの方も多い中で、素直に自分の話をし、話ながら自分自身を振り返えることができる。
MINTに限らず、こういった「素直」が出せるコミュニティが増えることで、「日々追われるように生活している自分に、ふと気づかされた。」そんな機会が増え、キャリア自律のような様々な考え方が自然と広まるとよいな。そんなことを感じさせられたひと時でした。
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