【「景岳全書」婦人科を読む】part.1(*無料)

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【「景岳全書」婦人科を読む】0. はじめに

【「景岳全書」婦人科を読む】0. はじめに

 病院勤務していた頃、ベテラン助産師の「最近の赤ちゃんは冷えてるわ。生まれてすぐなのに赤くなくて白いし。羊水が冷えとる。ここ10年で難産や逆子もすごく多いわ。」という言葉が気になっていました。実際に妊婦さんの身体を触ってみると、お腹や足が氷のように冷たいこともありました。  昔の産婆は、「冷えは難産になる」ことを知っていて足やお腹を冷やさないよう養生法を伝えていました。妊婦さんたちも腹帯を身につけ、足湯で下半身を温めていたといいます。病院での分娩が主流となってからは、昔から

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【「景岳全書」婦人科を読む】1. 序

【「景岳全書」婦人科を読む】1. 序

張介賓  字は「会卿」、号は「景岳」。室名を「通一子」とも号していました。西暦1563年、明の末期の生まれで、これは日本で言えばちょうど安土桃山時代。豊臣秀吉、徳川家康、織田信長が覇権を争っていた時期にあたります。彼は易経を深く研究し、易学と医学が同じ理論であるとし、易学の理論を医学の理論の解釈に用いました。主な著書には「類経」「景岳全書」があります。彼は後に「張仲景(傷寒雑病論著者)の後、千古に一人」と称され、偉大な功績を讃えられています。 景岳全書  張介賓は78歳

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【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 婦人九證一(1)

【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 婦人九證一(1)

【本文①】 婦人諸病、本與男子無異、而其有異者、則惟経水胎産之属。 故本門亦止列九証、曰:経脈類、胎孕類、産育類、産後類、帯濁類、乳病類、子嗣類、癥瘕類、前陰類。 凡此九者、乃其最切之病、不得不叧詳方論。 此外雑証、但與男子相同者、自有各門論治之法、故不以男女分而資贅於此。 【書き下し】 婦人の諸々の病は、もと男子と異なること無し、その異なることあるは、ただ経水胎産の属。故に本門亦九証を列に止む。 曰く:経脈類、胎孕類、産育類、産後類、帯濁類、乳病類、子嗣類、癥瘕類、前

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【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(1)

【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(1)

【本文①】 諺云:寧治十男子、莫治一婦人。 此謂婦人之病不易治也。何也? 不治婦人之病、本與男子同、而婦人之情、則與男之異。 【書き下し】 ことわざに云う、寧ろ十の男子を治すとも一の婦人を治す莫れ。 この謂い婦人の病治すこと易からざるなり。何ぞや? 婦人の病を知らず、もと男子と同じ、而して婦人の情は男子と異にす。 【口語訳】 むしろ10人の男性を治療しても1人の女性を治療するなとことわざにある。このことわざは女性の病は治し難いの意味である。どうしてか? 女性の病を

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【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(2)

【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(2)

【本文②】 蓋以婦人幽居多鬱、常無所伸、陰性偏拗、毎不可解。 加之慈変愛憎、嫉妒憂恚、罔知義命、毎多怨尤。 或有懷不能暢遂、或有病不可告人、或信師巫、或畏薬餌。 故染着堅牢、根深帯固、而治之有不易耳。此其情之使然也。 【書き下し】 けだし婦人は居に幽し(くらし)鬱多きを以て、常に伸ぶる所なし。毎に解くべからず。 これに加え恋を慈しみ愛憎し、嫉妬し憂い恚り(いかり)義命を知ることなし。毎に怨み多く尤し(はなはだし)。 あるいは懷(おもい)あり暢遂すること能わず、あるいは病

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【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(3)

【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(3)

【本文③】 然尚有人事之難、如寇宗奭引黄帝之論曰:凡治病、察其形気色沢。 ……形気相得、謂之可治;色沢以浮、謂之易已。 ……形気相失、色夭不沢、謂之難治。 又曰:診病之道、観人勇怯、骨肉、皮膚、能知其虚実、以為診法。 故曰:治之要極、無失色脉、此治之大則也。 【書き下し】 然して、なお人事の難あり。寇宗奭の黄帝の論を引くが如く曰う: およそ病を治するに、その形気色沢を察す。 形気相得るときは、これを治すべきと謂う。色沢しく以て浮なるときは、これを易え已しと謂う。 形気相

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【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(4)

【「景岳全書」婦人科を読む】2.婦人規上 2-1.総論類 論難易二(4)

【本文④】 今富貴之家、居奥室之中、処帷幔之内、復有以綿帕蒙其手者、既不能行望色之神、又不能尽切脈之巧。 使脈有弗合、未免多問。 問之覚繁、必謂医学不精、往往并薬不信。不知問亦非易。其有善問者、正非医之善者不能也。 望聞問切、欲於四者去其参、吾恐神医不神矣。 世之未通患、若此最多、此婦人之所以不易也。 故凡医家病家、皆当以此為意。 【書き下し】 今富貴の家、奥の室の中に居り、帷幔の内に処(す)む。また綿帕を以て、その手を蒙うものは、既に望色の神行うこと能わず。また脈を切

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