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ヴィヴァルディ計画再始動、その先に

Text:Wakana[Vn.]

2021年9月に再始動したヴィヴァルディ計画。2022年1月1日に演奏動画第1弾が無事公開された。

SNSにて事前にアナウンスをしていたので、年賀状に楽しみにしているとコメントをくれたり、しばらく会っていない友人が観て感想を寄せてくれたり。コンサートとは少し違う反響を楽しませていただいた。



振り返ると、思った以上にやりがいのあるプロジェクトだった

「私たちの団体がやりたいことがリモート合奏でできるのだろうか?」ということに、当初、私自身は懐疑的だった

今までは、目を合わせ、呼吸を感じ、音の重なり合いの中でやりとりがあった。それができないリモート合奏で、どうやって私たちの音楽が作れるのか

しかし、困難があればそれだけ燃えるのが私達らしいところ。

録音の順番はどうする?
動画の構成はどうする?
画面の構成はどうする?
字幕はどうする?

もちろん音楽的なところもこだわりたい!

おそらく、こんなにこだわって、エネルギーをかけてリモート動画を作成している団体は珍しいだろう。自分達の目指す音楽に向けて全力で試行錯誤する姿勢は、リモートになってもブレなかった

困難な部分は反面、面白さでもあって、アプローチは違えど、私たちが「音楽を楽しみたい」という気持ちを形にするという意味では、コンサートと変わらないのかもしれない。まだまだやり残したことはあるが、第1弾としては、面白い動画になったのではないかと自負している。

(その悪戦苦闘ぶりについては、語ろうと思うとあまりの文字数になるので、他のメンバーのnoteや対談をご覧ください。)




今回のプロジェクトがスタートするまで、前回の演奏会から1年半ほどが経過していた。そろそろ誰かと一緒に楽器弾きたい、という気持ちがうずうずしてきていた。

そんな中でのリモート合奏。

楽器を弾いて仲間と音が重ねられる、音楽についてやりとりできる、というだけで、とても幸せな時間だったし、目標に向かって楽器を弾くのはやっぱり楽しかった。

自分の実力とにらめっこしなければいけない撮影は辛かったし、年季の入ったMacBookに気合いを入れながらの編集はなかなか大変だった…のは事実だが、

私は既に、どうしたら演奏録音が良くなるかのか、どうしたら編集の作業効率をよくできるか、どうしたら完成動画が魅力的になるか、思いを巡らせてはワクワクしている。

もはや、ヴィヴァルディの曲に拘らず、あれこれ面白い企画がたくさんできそうである。おそらく、メンバーはそれぞれイメージを膨らませているだろう。お察しの通り、ヴィヴァルディ計画は次に向かって動き始めている。

最後に

リモート合奏楽しい!!もっとやってみたい!!!という気持ちが盛り上がっているが、先日、読んでいた小説の一文に、心の中がざわついた。

演奏が終わるとたっぷり三十秒の沈黙が降り、最後の和音が天に溶けていくまで、誰も手を叩かなかった
ヴァイオリン職人の探求と推理 ポール・アダム著 青木悦子訳


弾き終わって弓を上げた瞬間、最後の和音が上っていって、緊張感や安堵感、達成感、悔しさ、、、色々な感情が昂るあの空気。あの瞬間を早く仲間と共有したい。

不安なく家族を送り出し、自分も安心して出かけることができ、仲間と集える。そんな日々が少しでも早く戻って来るように祈りたい。会場でお目にかかるその日まで、今しばらくは、リモート合奏でのヴイヴァルディ計画の活動にご期待ください。

Text:Wakana[Vn.]

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