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演奏者×動画編集者

ヴィヴァルディ計画

Text:Aiko [Vn.,Va.]

2022年1月1日、ついにヴィヴァルディ計画の演奏動画第一弾が公開となりました。私は主に動画の編集に携わっていましたが、さまざまな試行錯誤を経て完成形に辿り着いたわけで、今回は動画の編集についてのあれこれを書いてみようと思います。


コロナ禍とリモート合奏動画編集

約2年前、コロナの流行により様々な演奏の機会が奪われたことがきっかけで、「リモート合奏」とか「テレワーク合奏」といった動画が紹介されるようになりました。例に漏れず、私も友人からの誘いでリモート合唱に参加したり、音楽の教員として働いている高校の部活動でもリモート合奏動画を作ったり。実は、何を隠そう私は大の機械音痴。コロナ禍以前には、数年後に自分が動画編集をするなんて想像もできませんでしたが、人間やってみるものだなと。食わず嫌いは良くないですね。

そんなわけで、ここでのノウハウを活かしてリモート合奏動画の作成がスタートすることとなりました。


いかに「リアル」に近い形でリモート合奏をするか

2021年9月に始動したリモート動画第一弾。公開までには実に4ヶ月弱の期間を要したのですが、公開した動画(本番動画)の形になるまでにテストテイクと称した2度の試し撮り(試し編集)がありました。動画が完成したらミーティングを行い、改善点を次の動画作成に生かす、という流れです。

動画撮影のやり方は「最初にマスターとなる動画を誰かが撮り、それをイヤホンで聴きながら各個人が動画を撮影する」というもの。「マスター動画に合わせる」というリモート合奏では、対面で合奏するときに当たり前に行われる「アンサンブル」がどうしても難しくなります。呼吸や目線、身体の動きでタイミングを合わせる。その場で出てくる音楽に乗ったり、寄り添ったり会話したりする。これらが十分に出来なくてもせめて事前に皆で音楽を共有することを目指して、オンラインでのリハーサルミーティングを行い、音の長さや処理、アーティキュレーションなどについて話し合いました。結果「動画を重ねたら誰かが全く違うニュアンスで演奏している」ことはなく、ある程度の共通認識ははかれたのかなと思います。(編集するその時までどんな音楽になるのか分からないのはちょっとスリリングで楽しみだったのはここだけの話…)

リモート合奏において、対面での合奏と全く同じように合奏することは出来ませんが、回を重ねるごとに「近づける」ことはできたかなと思います。


動画編集の進化

動画として残すからには、「視聴者にどう見せるか」という視点も大切です。これについても2度のテストテイクから本番動画の完成に至るまでに様々な工夫がなされました。

1回目のテストテイクではただ単に全員の動画を重ねただけの単純なもの。その後、soloのみや通奏低音チームのみなどのコマ割りの動画や、練習風景・NG動画を挿入し、メリハリがあり楽しめる動画に。回を重ねたことで、「音のみの編集」「全員の動画を重ねる」「コマ割り動画を作成」「NG動画を編集する」「出来た動画に字幕をつける」といった役割分担も自然と定着しました。

話は少しそれますが、動画を編集していると各メンバーの生活ぶりというか日常が見えて、それが密かに楽しい時間でした。黒板の前で演奏したり、弾いているところにちびっこが映り込んだり……それぞれの日常の中で紡ぎ出した一人ひとりの音が、合奏になって画面上に姿を表した瞬間は、大げさかもしれませんが感動的ですらありました。これも動画編集の醍醐味なのかもしれません。


リモート合奏動画は数あれど

動画を公開してみて思うのは、「ここまで試行錯誤して完成に至ったリモート合奏はないのではないか」ということ。私たちのように何度もミーティングを重ねて動画を作り直すような(物好きな?)グループはきっといないでしょう。正直、動画編集の作業はかなりの時間と労力を要するので、編集者としては編集作業にとりかかるのが億劫になったり、上手くいかないことに心折れそうになったりもしました。が、1回目のテストテイク動画と最終的に公開した動画を見比べると、両者の歴然とした差がよくわかり、やっぱりこだわって良かったなぁと思い直すのです。

さて、数々の試行錯誤を経て、もはや私たちは何屋さんなのかと思ってしまうくらいに音編集・動画編集ソフトに慣れてきた今日この頃。第一弾の動画が公開されたばかりですが、私たちはこの時のノウハウを活かし、すでに第二弾をスタートさせています。リモート合奏ではあるけれど、まるでその場でアンサンブルしているかのような一体感や臨場感を、見ても聴いても感じられるような動画の完成を目指します。第二弾に乞うご期待!

Text:Aiko [Vn.,Va.]

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ヴィヴァルディ計画
コロナ禍で活動の場を失ったアマチュア演奏家達が、ヴィヴァルディの作品集「調和の霊感」全曲演奏するというかつての夢をリモート合奏で叶える(できるのか?)までのゆるい軌跡。