Project Based Learningとは何か?
Yas(うつぼ)でございます。今日もウシンケンからこんにちは!
予告通り、Project Base Learningのお話をしていきましょうか。
PBLの起源
そもそも、PBLとはアメリカの哲学者、教育学者のジョンさんが提唱した考え方を体系化したものらしいです。PBLの元ネタは、こちらにあります。英語だけど、興味のある方は読んでみると良いです。そんなに難しくないので、辞書片手に頑張れば1時間もあれば読めると思います。
僕はPBLの専門家ではない
僕は有資格の教員ではありません。プログラマであり、コンサルタントであり、株式会社Gifted Pocketの代表です。
世の中にはたくさんの色んなスクールがあります。その中の一つにITスクールがあります。そこにつめていたり、高度ポリテクセンターという施設で講座をさせてもらったり、数回の転職経験の中で未経験や駆け出しエンジニアに対して、手を変え、品を変えプログラマのイロハを教えるという機会に沢山恵まれた中で一貫して利用していた方法論がPBLです。
そして、ここで展開されるPBLの話は僕の個人の経験と、反省、懺悔と学びのサイクルを数十回繰り返してやっと言語化されたものです。
育成実績は200人強
今までのエンジニア人生の中で、のべで言うと200人以上のエンジニアを世の中に送り出した事になります。現役でバリバリ活躍されてらっしゃる方もいますし、残念ながらその道は諦めて全然違うことしてらっしゃる方もいます。全ての過去の受講者の顛末を追跡できるわけではないので、何ともいえませんが。誰もが羨むようなビックテックに入られた方もいらっしゃいますし、個人でバリバリ開発されている方もいらっしゃいます。
個人的で勝手な想いではありますが、ご指導差し上げた方が活躍されているのは見るのはとても喜ばしいです。僕よりもよっぽど活躍されている方が沢山いらっしゃるので、それまた鼻が高い想いでもあります。
僕はこの活動の中で、人という財産を手に入れました。未だに慕ってくれる子もいれば、一緒に飲みに行こうと誘ってくれる方もいらっしゃいます。お金を稼ぐ手段はたくさんありますが、こういう関係性を築けるものは中々ないのでこれからも大切にせねばなと思っています。
教える人としての信条
まず、僕は自分に対して言い聞かせていることがあります。それは、僕は完璧ではない。分からないことが無数にある。ということです。本当に、この言葉の通りで教えることよりも、教わることの方が毎回多いぐらいです。これが、何かを教える立場にある人には最も必要な心掛けなのだと思っています。
であるからこそ、一緒に進めていく、一緒に考えていくという方法論と結びつきやすいのかもしれません。
PBLの真髄
Project Based Learningのもとになった考え方(上で紹介したリンクは)は、「学校や先生がどうあるべきか?」というテーマで論じています。そして、指導を受ける対象である子どもたちは、そもそも何とかする力を自然にもっている。それを引き出すのが先生の仕事である。
この話を始めて聞いたときに、僕は学生時代にやっていたこととの共通項を見出しました。学生時代、キャンプ団体でキャンプに行く子どもたちの引率をするということをやっていました。この中でも、自然を介して子どもたちに色々な事を伝えていくということを一所懸命にやりました。
この中では、自然体験学習とかいう大仰な名前がついていましたが、より良く生きるために、現状をより快適に過ごすために出来ることを考える。もっと簡単にいうと、嫌なことを嫌じゃないようにするための方法を考える、あみだす、ひねりだすということです。
コミュニケーションに注目してみたり、ファシリテーションしてみたり、時には叱り飛ばしてみたり、一緒にヘトヘトになるまで遊んでみたり。ありとあらゆる手段を使って、子どもたちの傍に自分をおいて、同じ目線で問題に取り組むということをやっていました。問題に大小や優劣なんてありません、大人の問題も子どもの問題も見かけの規模が違うだけで本質は同じだと強く信じていたので、この信心に基づいて色々やっていたからかもしれませんね。
PBLとの出会い、どうしたらいいの?
Project Based Learningという言葉は、ITの先生をやる機会を得たときに、その時の上司にあたる人から、PBLっていうのがあるから、やっといて!と軽く無茶ぶりされたときに初めて聞きました。
その時の僕は、何のことか皆目見当もつかなかったので、とりあえず調べ始めてみることにします。20年弱前の話なので文献もあまり見つからず、もちろんインターネットはありましたが、ここまで色んなコンテンツに手軽にアクセスできる環境でもありませんでした、なので、本屋を巡り。色々な棚を探しまくったのを覚えています。収穫はほぼゼロだったのですが……。きっと、教育現場にはいくつか事例があったのだと思いますが、僕がやらねばならないこと=エンジニア育成の領域では当然、事例もなにもありませんでした。それでも、何とか断片的な情報をかき集めて、要するに体験をさせるという、ものすごくフワッとしたヒントを得ます。
実は身近にあるPBL
今でこそ、少しインターネットで見かけるようにはなりましたが、文献や資料は少ないです。色々なものに取り込まれたり、昇華されて違うものとして皆さんのそばにあるからです。
例えば、OJT(On the Job Training)、そのものだったりします。メンター制度でも似たようなことをやってる人もいますよね。
ただ、入社してからゼロから育てるとなると、会社にもどうしてもリスクがあります。そもそも、そのタイミングで最適なプロジェクトが都合よく存在するわけはないので、しっかりとやるには学校と会社の中間のような存在、擬似的なプロジェクトを意図的に作る必要が出てきます。
なぜなら、PBLとは、目的地を定め、その目的地にたどり着くために必要な学びを己でしていくことだからです。
なぜ、エンジニア教育にPBL?
エンジニアリングの世界ではとてもこの考え方がフィットします。エンジニアリングのゴールは明瞭で、モノを作るだからです。
では、PBLとよくあるWebの開発講座は何が違うのでしょうか?
これに関しては、明確な答えがあります。
道筋の有無
です。
Web開発講座は、ブログを作るためには、Aをします。Bをします。Cをします。この過程をすべてこなすとブログが出来上がります。という道筋に沿って進んでいきます。最短距離で最高の成果があがって、受講生も大満足です。
反して、PBLはブログを作るという目的だけが決まっている状態からスタートします。手前みそですが、torchでやっているプロジェクトであるMakunouchiではやりたい事だけが決まっている状態からスタートしました。この状態で、何をすれば良いのか、まず途方に暮れるのが一番初めにすることです。
指導役の関わり方の比率も全然違います。講座スタイルで何かを教えていくには、コンスタントに準備をしてお話をする(聞く、読む)必要があります。PBLの場合は、そもそもディスカッションなのでどこにたどり着くかすら決まっておらず、指導役は頑張って発言を拾って、質問者に上手く打ち返していきます。その結果、あ、これやれば良いんじゃやないかな?という風に閃けば大成功です。
この部分が、先の章でも書いた。学ぶことがお互いに沢山ある。という部分になります。
さて、長くなってきたので。今回はこれぐらいにします。
次回の記事は有料版になりますが、実際にPBLを通して、僕がやっていることをガッツリとお話し出来たらなと思っています。
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