20200130_目的と目標の違い

目的と目標の違い

これは何?

目的と目標とは混同しやすく、混乱してしまいます。目的と目標をどう整理し、目的設定・目標設定していけば良いかを解説します。

目的とは?

目的とは、目指したい状態や事柄のことを指します。

目標とは?

目的と強く関連していて、目的達成の状態を計測可能にする指標や達成するための手段を表したもの。目的達成の中間状態を定義したもの。

目的を導出するためには

目的を導出するには、目的に関する制約事項、ニーズを洗い出します。制約事項とは、「いくらまで」、「いつまで」になど必ず守る必要がある外的要要因のことです。ニーズは、目的設定する人がやりたいことです。
制約事項とニーズが洗い出されたら、この2つのインプットとして背景を整理します。ストーリーとして、「●●(背景)なので、●●(目的)します。」という形でまとめられると良いです。

このとき、目的設定には2つの型があります。
①手段検討型の目的設定
②手段包含型の目的設定

①の手段検討型というのは、「将来海外で働きたいので、英語をぺらぺらにしたい」といったように、英語をぺらぺらにする手段から検討していく必要がある目的設定です。

②の手段包含型というのは、「登山が好きなので、登山を通して体力や精神力を鍛えたい」といったように、登山という手段が決まっている目的設定です。

ここでは、「良い目的設定」や「悪い目的設定」の質については、置かれている環境、立場によっても異なるため、言及しません。この点に関しては、「三人の石工」のお話が有名です。

目的設定の重要性

何かやっていく上で、目的がとても重要です。

アインシュタインの言葉を引用します。

If I were given one hour to save the planet, I would spend 59 minutes defining the problem and one minute resolving it.
―私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59 分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うでしょう。

「何を目的とするか」によって解決策(手段)が大きく変わります。そのためには、背景→目的を行ったり来たりして、何が本当に達成したいことなのかを明確にしていく必要があります。

アメリカのことわざを引用します。

If all you have is a hammer, Everything looks like a nail.
―ハンマーしか持っていなければすべてが釘のように見える

「手段」ばかりに目が行ってしまうと「目的」を見失ってしまい、「一体何のためにやっているのか?」、「正しいことをしているのか?」を説明できなくなってしまいます。

目標を設定するためには

目標は、目的が決まってから設定します。目標は、設定した目的が「うまくいっているか」を測るためにあります。目標設定にも次の2つの型があります。
①登山型の目標設定
②パズルピース型(ぬり絵型)の目標設定

①登山型の目標設定というのは、目標1つめよりも2つめの目標を高く、目標2つめの目標よりも3つめの目標を高く・・・といった具合に設定していくやり方です。たとえば、先ほどの例にあげた「登山が好きなので、登山を通して体力や精神力を鍛えたい」という目的では、
目標1:高尾山を登る(手軽な山、半日コース)
目標2:御嶽山を登る(ちょっとハードな山、1日コース)
目標3:富士山を登る(一番きつい山、1日コース)
という目標設定が考えられます。また、最終目標が目的の達成と強く関連付いていることが求められます。つまり、「富士山を登ること=体力と精神力が鍛えられる」と言うことに納得感(自分や周りの人にとって)が生まれるかどうかがポイントです。

登山型の目標設定

②パズルピース型の目標設定というのは、色塗りをするように1ピース、1ピースが独立しているものを、最終的に合わせて目的が達成するようなやり方です。たとえば、先ほどの例にあげた「登山が好きなので、登山を通して体力や精神力を鍛えたい」という目的では、
目標1:半年のうちに朝から晩まで長い距離を歩く登山(富士登山)を経験する
目標2:半年のうちに登りが多く精神的に参る山(富士登山)を経験する
という目標設定が考えられます。目標1と目標2を合わせると、目的にある「~体力や精神力を鍛える」と結びついていることが分かります。

パズルピース

手段検討型の目標設定を行うためには・・・
手段検討型の目標設定は、手段包含型と異なり、いきなり目標設定①や②の型に当てはめることができません。まず、手段検討型の場合は、成功状態を計測する指標(=目標)を作ることから始めます。手段検討型の場合は、頭の中でぐるぐると考えて、背景⇔目的⇔手段⇔目標と何度も行き来することになるでしょう。結果的に手段包含型の目的設定に落ち着くこともあります。

良い目標とは

良い目標の指標として、「SMARTの法則」が有名です。SMARTとはそれぞれ次の頭文字を取っています。

Specific(具体的な):具体的にする。例)「単語テストで」とか
Measurable(計測可能な):定量的にする。例)「80点」とか
Achievable(達成可能な):現状から判断して達成可能なものかどうか?
Relevant(目的と関連のある):目的とかけはなれていないか?
Time-bound(達成可能な期限のある):意味のある時間(期限)であるかどうか?

上記の法則を満たす様な目標を設定することが効果的です。ただ、難しい場合は過度にこだわる必要がありません。「計測可能な」というものは、テストの点数のようにハッキリすることもあれば、そうでないケースもあります。その場合、無理に計測可能な目標にしなくてもよく、定性的な振り返りが可能なように考えておけば良いです。

まとめ

目的と目標の違いを紹介し、それぞれに考え方の型があることをご紹介しました。

目的とは、目指したい状態や事柄のことを指します。
目的設定には、「手段検討型」と「手段包含型」があることを紹介しました。

目標とは、目的達成の計測可能な中間状態を定義したものです。
目標設定には、「登山型」と「パズルピース型(塗り絵型)」があることを紹介しました。

以上です。皆様のお役に立てたら幸いです。

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