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進捗報告はムダ 〜「あれやった?」では仕事は終わらない〜

みなさん、進捗報告、してますか?
進捗報告、好きですか?

私はとても苦手です。

仕事は終わるまで終わらないのに、
「進捗70%です(キリッ)」
って言っておくととりあえず周りは納得してるし、自分にも仕事は進んでいると言い聞かせられる。

こうして1週目でガッと進んで、その後牛歩になるガントチャートとの終わりなき旅が始まる・・・

そして仕事は終わらない

そう、仕事は終わらないのだ。

特に期限が設けられている仕事は、パーキンソンの法則によりその日を迎えるまで終わらない。
一方で、期限切れ以外の仕事の終わらせ方を知らないので、いつまでも稼働していることが正義となる。
いいのか?それで??

TL;DR

  • 進捗報告はいらない

  • やることとそのゴールは作業前に共通認識をつくる

  • 「いつ終わりそう?」のコミュニケーションをしやすい環境が大切

進捗報告はいらない

作業は終わった時が終わりなのである
プロジェクトとして必要な情報は

  • 作業が終わったか終わってないか

  • いつ終わりそうで、それは予定より早いのか遅いのか

  • 完了に向けて困っていることはあるのか、ないのか
    くらいである。

ここで大事なのは冒頭の
「終わった時が終わり」で、
作業を始める前に、どこまで行ったら作業が完了するのか、チームや偉い人とすり合わせを行っておくことが重要である。
個人で決めたり見極めたりすることはできるだろう。しかし、他の人が納得しないで完成を宣言するのは
ただの独りよがりである。
自分で手戻りを起こさないためにも、仲間やお客様からありがとうをいただくためにも、事前にゴールイメージを共有してから作業を進めることは重要だ。

いつ終わる?は見積もれたほうが良いに決まっているが、現実はそんなに甘くない。
予定通り進めることよりも、ちゃんと終わらせられる道筋を見出して、ゴールに辿り着けることが重要なのだ。
(そして余裕を持って見積もりを申告すると、やはりパーキンソンの法則が発動する。それは阻止せねばならない。)
このため、一つの作業を二人以上で行える状態は、サボる時間を限りなくゼロにし最速で作業を終わらせられる可能性が高まる

意思決定を他人に委ねるのはまた別(むしろ推奨しない)のだが、その話はまた別の機会に。

後出しジャンケンは士気が下がる

事前に認識を揃えるのが大事と述べた。
作業中に自分で気づいて作業を追加したり省いたり予定を修正したりするのは正常である。
問題は「最初に何も言わなかったのに後から盛り込んでほしい観点を放り込んでくるパターン」だ。

その人も良かれと思って放り込んでくれている。
守ってもらった方が結果的にチーム外に対してより良い印象をもたらすこともあるだろう。

それは、ゴールイメージをすり合わせるタイミングに、真っ先に放り込んでほしい。

作業が終わったと思ってアウトプットを提出したとしよう。
そのタイミングで「あれやった??」は、誰も幸せにならない。
手戻りや追加作業、見積もりからの逸脱、
時間や作業のムダと、何よりモチベーションの低下が発生する

現場の「あ、気づきませんでした。ありがとうございます。」は3回目にはげんなりに変わっているし、
良かれと思って指示を出している側も「またここが抜けている」のような感情が湧き上がる。

どちらが良いか?

私は、作業開始時に必要な作業を理解してもらったりクライテリアを共有することで必要な観点を作業する人に持ってもらったりした方が、

  • 一人ひとりのモチベーション

  • プロジェクトとしての進捗の最速化

  • お互いの認識を共有し合うことによる学習

などといった効果が得られるため、後出しジャンケンは本当にご勘弁いただきたい。

情報を一人で抱えない環境づくり

「あれやった?これやった?まだ終わってないの?」
「え、これもやってほしかった・・・」
このような言葉が蔓延する環境では、相談しようとしても相談しにくいし、お互いの言葉が受け止めにくくなっていく。

特定の人とのコミュニケーションが「この人じゃないとできない」を放置すると、
チームに対する多大なる貢献がなされていることは間違いないのだが、
その人が情報のインプット・アウトプットを支配できてしまうだけでなく、ボトルネックや単一障害点となってしまう。

これは大きく分けてマネジメント側・現場(作業者)側で観点が分かれると思うが、

  • 個人で情報を抱え込まないかつチームに共有したらメリットが感じられる状態をつくる

  • 個人にきちんと権限委譲をする・されている状態をつくる

  • 特定の人がいなくてもチームでベストな意思決定できる状態をつくる

  • 一人ひとりがアイディアや情報を共有することにより、チームでより良い着地点に辿り着ける状態をつくる

  • 落とし穴が予見できた時は、チームがハマらないように先回りして回避できる状態に導く

  • (先回りしてもトラブルが起きた時は個人の責任ではなく、)チームの仕組みで再発を防ぎながら、より効率よく作業が終えられる状態をつくる
    といった「状態をつくる」活動が重要である。

特定の人だけが上記を意識すると、その特定の人(ex.マネージャー)の限界がチームの限界となってしまう。
チームで活動するのは難しい。それでも、より良い環境をチームで築けたら、やりがいと居心地が一人ひとりに醸成され、チームの生産性と働きがいは徐々に向上していくことだろう。

それってアジャイルじゃない?

上記に挙げたマネジメントって

  • 一人ひとりを大切にする(ダイバーシティの尊重)

  • 一人ひとりの個性を最大化する(できることベースで参画・成果の最大化を実現・やりがいによるモチベーション維持)

  • 最低限のチーム内ルールを設けることでチームのアウトプットの価値を最速かつ最大化する(Doneの定義・Working Agreement)

  • コラボレーション重要(見える化による透明性・個人に対してアサイン・担当などの言葉が存在しない)

などなど、アジャイルなマネジメントと、個人成果主義からの脱却とチームによるアウトカムの最大化につながるエッセンスが詰まっているのでした。

目の前の仲間をいきいき活躍してもらうマネジメントを、アジャイルから学んでいくこともきっとチームからのありがとうを生み出します。
良かれと思って行っていたムダを勇気を持って省き、個人のモチベーションを維持することができれば、予定よりも作業が完了し、より作業に対する価値や品質が磨かれるチームになっていることでしょう。
スクラムのフレームワークもXPのプラクティスも大好きだし超重要ですが、これらはWhyがあってのHowやWhatであることをたまに思い出しつつ、理想的なマネジメントでチーム運営をしてください!

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