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和のおもてなし-房舎施


仏教の無財の七施-房舎施(下図)

無財の七施

和のおもてなしと礼節

房舎施(ぼうしゃせ)
(以下、学びのメモより転載)
雨や風をしのぐ所を与えること。

たとえば、突然の雨にあった時、
自分がズブ濡れになりながらも、
相手に雨のかからないように動く。

これは江戸仕草の※傘かしげの心
思い遣りの心を持って総ての行動
をすることである。
※傘かしげは、江戸時代、
 
雨の日に狭い路地ですれ違う際 
 
喩え自分が濡れても傘の雫が相手
 にかからないよう相手と反対側
 に傘を傾け合った気配りのこと。

江戸しぐさ

訪ねてくる人があれば
一宿一飯の施しを与え労をねぎらうこと。

これは現代では、
誰でもと言うわけにもいきませんが
労をねぎらう心は大切です。

房舎施は雨風をしのぐ場所を与える意。
今の世の中、見知らぬ人を自宅で
もてなすことは難しいでしょう。
しかし、軒下など雨風を
しのぐ場所を提供すること、
雨の日に、相手の方を傘に入れてあげる
ことなどは出来るのではないでしょうか?
(以上学びのメモより転載終)

もてなす側の姿勢・態度・言葉遣い

おもてなしには、
大別すると日常と非日常があります。
一例をあげますと、
家庭やお家で大切な方のもてなしを
する日常的な「おもてなし」旅館ホテル
や高級レストランやクラブで受ける
非日常的な「おもてなし」があります。

日常と非日常とでは、
もてなす側から受ける姿勢、行為態度、
言葉遣いは違っても「おもてなしする心
に変わりはありません。

日常的な家庭の「おもてなし」では来客を
もてなす側の「大切な人」への姿勢態度に
表れる思い遣り、謙虚に相手を敬い真心
を表わす誠実さ、礼節さが求められます。

おもてなしをする人、親密さの度合いが
変わってもこの礼節を弁えた姿勢態度は
欠かせないことです。

終了してしまいましたが
テレビ東京が放送してた「田舎に泊まろう」
の番組は日常的な日本の家庭の「もてなし
の代表的な例と言えるでしょう。

この番組は、
一宿一飯の恩義(お礼)として様々なゲスト
がお世話になったお宅に自分の今出来る事
でお礼をする姿はお世話になる見ず知らず
の方から受けた「おもてなし」や「思い遣り」
への【心からの感謝】を奉仕の心で表して
いる行為行動と言えるでしょう。

また、この中で交わされる言葉遣いにも相手
への思い遣りの心や感謝の心が溢れています。

此処からも「礼節」が知ることが出来ます。
これは仏教の教えである房舎施(ボウシャセ)を
表わしていると思います。

一方、
非日常や日常から少しだけ離れた接客に
おけるおもてなしの姿勢、態度、言葉遣い
は業態や業種によって様々です。

居酒屋、専門料理店、和食店、旅館、
レストラン、会席料理店、懐石料理店、
ホテル、クラブ、キャバクラなどでの
おもてなしは姿勢、態度、言葉遣いが
大きく変わります。

全てに於いて共通することは、
お客様への感謝、思い遣りの心とそれを
表わし伝える所作(仕草)の大切さです。

例えば、
姿勢態度では通路の壁際を歩くように心掛け、
お客様とすれ違う時は一度立ち止まって軽く
会釈する、これはちょっと面倒くさい行動と
言われる方もいますが実はこのような姿勢は、
作った笑顔やわざとらしい言葉使いよりも
「おもてなしの心」を表し伝えられるのです。

こういうことを面倒くさいと思っては
上辺だけのおもてなしになってしまいます。

一般的なシティホテルやビジネスホテルに
疲れた姿や表情をして重そうな荷物を持ち
チェックインする際、フロントの中に何人
も居ても皆が「いらっしゃいませ」と言い、
笑顔でお迎えしてくれます。

そのような時に本物のホスピタリティ精神
を持つホテルマンならすかさずフロント内
から出て荷物のサポートをし優しい表情で
ようこそお越し下さいました、
 お仕事お疲れ様でございました

と優しい言葉をかけるのではないでしょうか。

例えそのお客様が予約なしでお見えになり、
不泊の方でも必ず次に繋がることです。

大切なお客様へのおもてなしの姿勢、態度、
言葉遣いは、心の奥底から自然と言葉に表れ
お客様に又来ようとか友人や同僚に勧めよう
と感じて戴け素晴らしい感動も与えられます。

非日常の「おもてなし」無私の房舎施

その姿勢、態度、言葉遣いのポイント。



①先ずお客様の立場で考え行動する
 =思い遣り
②お越し頂いた感謝を表し伝える、
 温かな表情と身のこなし
③言葉遣いは
 「ようこそご来店頂きまして、
  誠に有難う御座います
」と
 お迎え言葉「いらっしゃいませ
 とを上手く組み合わせて使うこと
 (場合によっては言葉は使わず丁寧な黙礼)
④瞬時にお客様の状況、状態を察知する
 (来店目的、顧客構成、心身の状態etc.)
 観察察知力と応対行動力(配慮・手配り)
⑤天候に合わせた気配りの言動
 (傘、雪の時など足元への気遣いなど)
⑥一歩踏み込んだ御出迎えとお見送りの姿勢と態度
 (ドア、入り口へ身配りなど)
⑦顧客に合わせた言動と態度
 (一人、ペア、グループなど)
⑧料理や飲物の召し上がり方に合わせた言動
 (料理の進み具合に合わせたスタンバイ)
⑨お店側の事情を感じさせない言動
 (忙しい、人がいないなど)
⑩お客様目線以下での応対
 (ダウンサービス、威圧感の解消)

※この他にも
 このような心を表わす所作は多々あります。

お店や施設の形態に合わせロールプレイなど、
実際に自分達がお客様になったつもりで皆で
考える場を設け適切な姿勢、態度、言葉遣い
を見つけ出すこともおもてなしの第一歩です。

日常では味わえない「おもてなし」を提供する
ことは無限のリピーターを創ります

仏教の教えは今の社会を救う一つになる
かも❓知れません。

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