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AIを活用して社会保険労務士が「労使の橋渡し」として活躍する社会へ(前編)

端的、明快、分かりやすさNo.1を目指す「社労士の先生」として、社会保険労務士向けの法改正情報などを発信し、企業の社内規程構築に関するコンサルティング行うかたわら、社会保険労務士へ生成AIの活用やDXの普及を支援している岩﨑さん。「社会保険労務士が価値発揮することで会社も社会も良くなる」と語る岩﨑さんに、日頃の活動や活動のきっかけについてお話を伺いました。

岩﨑 仁弥(いわさき きみや)氏
株式会社リーガル・ステーション 代表取締役
社会保険労務士向けに年間100回以上のセミナーを実施し、受講生は延べ3万人以上。特定社会保険労務士の資格の他、行政書士の資格を持ち、厚生労働省「労働契約等に関するルール定着事業検討会」等を歴任。
「働き方改革」 時代に先駆け、労働時間管理や就業規則をビジュアルでわかりやすく解説するほか、人事評価制度や社内諸規程の整備といった企業コンサルティングも手がけている。

社会保険労務士に向けて法律を噛み砕いて解説する

— 岩﨑さんのお仕事を教えてください。

岩﨑さん:大きく分けて三つあります。一つ目は、社会保険労務士向けに法改正情報などを解説するコンテンツ提供しています。二つ目は、「3アカデミー」という社会保険労務士向けのオンラインサロンです。情報収集に利用いただくだけではなく、コミュニティづくりに役立つように情報交換の場を提供しています。三つ目は、企業の社内規程の構築に関するコンサルティング業務です。

— どのようなきっかけで社会保険労務士向けのサービスを提供しようと考えたのでしょうか。

岩﨑さん:民間企業の人事・総務部門で10年間勤務した後、社会保険労務士として独立開業しました。顧問先を増やそうと思いセミナー開催をしたのかきっかけです。もともとは、企業の経営者や人事・総務担当者に向けて法律をわかりやすく説明しようというコンセプトでセミナーを始めたのですが、なぜか私と同業の社会保険労務士の方ばかりが集まるようになりました。予想外でしたね。

社会保険労務士の多くは試験に合格してからすぐ実務に入る方が多く、法律の基礎や考え方を体系的に学ぶ機会は少ないんです。もちろん実務周辺の法律に関してはプロですが、法律の解釈に対して苦手意識を持っている方も多くいらっしゃることがわかってきました。実は開業前に社会保険労務士の受験予備校の講師をしていた経験があり、教える立場だったので法律のことは細かくわかっていましたし、同じ社会保険労務士の立場から噛み砕いてわかりやすく説明ができたのでそこにニーズがあったのだろうと思います。

それまでも弁護士が社会保険労務士に法解釈や判例を教えたり、指導しているセミナーなどはありました。しかし、社会保険労務士が社会保険労務士に対して教えるセミナーは、意外となかったようなんです。同業者に教えるのに抵抗感があって嫌がる方も多かったのかなと思いますが、私は講師をしていたおかげで抵抗感がありませんでした。要望を受けるうちにこの活動に意義深さを感じて、講師業にシフトチェンジし今に至ります。

講師業と並行して岩﨑さんが出版されてきた書籍の一部
「リスク回避型就業規則・諸規定作成マニュアル」は2024年7月に8訂版が出版される

人間にしかできない領域を学ぶ必要がある

— 本業以外には、どのような活動に取り組んでいらっしゃいますか。 
 
岩﨑さん:社会保険労務士向けに生成AIの活用講座や、DXの普及に向けた活動を行っています。

— 生成AIやDXに興味を持ち始めたきっかけは何ですか?

岩﨑さん:開業してすぐに個人情報保護法の大きな改正があり、プライバシーマークや「ISO27001」(ISMS)の審査員資格の勉強をし、情報セキュリティに関する知見を深めました。そのときからICT全般の分野に興味を持ったのが始まりでした。

生成AIについては一昨年(2022年)に、長らくお世話になっているコンサルタントの神田昌典先生から「ChatGPTというすごいものがある」と聞いたのがきっかけです。実際に触ってみてその機能に驚きましたね。まだ多くの人が知らないタイミングだったと思いますが、「これは仕事が変わる」というイメージをもちました。それから約1年後の2023年には生成AIの講座を始めました。

— 生成AIの登場については「仕事を奪われる」とネガティブに考える方もいらっしゃいますが、岩﨑さんはどのように感じられましたか。 

岩﨑さん:チャット型の生成AIは、プロンプト(入力する指示や質問)に応じて、適正な答えが返ってくるという仕組みなので、いかに適正なプロンプトを作るかが重要になってきます。そしてそれは人間の仕事です。いかに適正なプロンプトを作れる人間になれるかが勝負です。ぜひ学びたいと思いました。

生成AIの活用講座を撮影する様子

生成AIで社会保険労務士の仕事は大きく変わる

生成AIを使えば、例えば就業規則の条項作成という仕事は30秒で終わります。人だけで行うと30分かかる仕事です。セミナーでこのお話をするときに、”この浮いた時間を何に使いますか”と問いかけるのですが、皆さんポカーンとしてるんですよね。まだ自分ごととして考えられない方も多いように感じています。私はその時間で新しい価値を作るべきだと思うんです。例えば、経営者とコミュニケーションをとったり、コンサルティング業務を行ったりといったことに時間を使うことができるでしょう?

— 生成AIを利用することで、社会保険労務士の仕事が大きく変わるんですね。

岩﨑さん:そうなんです。例えば会社の理念を作りたいという依頼があると、これまでは経営者からヒアリングした内容を理念にまとめあげるまでにかなりの時間がかかっていました。生成AIを利用すれば、要素さえ入れてしまえば、1分くらいであっという間に文章にしてくれます。案を10個挙げるといったこともできますから、社会保険労務士は生成AIが作成した10個の案を見比べて、コンサルティングをすることができます。
これからはそういった仕事の価値を高める方法を考えなければいけなくなるでしょうね。


インタビュー後編では、「社会保険労務士が価値発揮することで会社も社会も良くなる」と語る岩﨑さんに、精力的な活動の原動力や理想の未来についてお話を伺いました。


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