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AIと学習元の問題について、権利関係を現実的にクリーンにできるシンプルな案をつくってみた。

はじめに

petapi(ぺタピ)というAIコンテンツプラットフォームが発表されTwitterのクリエイターたちを中心に多くの反対意見が寄せられています。

大きな問題になっているのがAIで作風やキャラクターの再現率を上げる学習モデルとLoRAの収益化です。
モデル制作者には収益が入る一方で学習元となる一次クリエイターには収益が入らない仕組みとなっており、その点が反対意見の元になっています。

私自身、イラストや3DCGを制作する一次クリエイターであり、AIを使用した作品制作の研究もおこなっています。
そこで、クリエイターとAI生成者の双方に属する私なりに現実的な解決案を考えてみました。

こんなWEBプラットフォームがあるといいんじゃない?という案

まず学習をローカル環境でやると学習元が辿れなくなるため、クラウド環境でのみ行う。
クラウドには利用規約とライセンス料に同意した一次クリエイターの作品だけが存在している。

モデル、LoRAの作成者は学習に使用した作品の数だけ利用料を払う。
作品には登録データが紐づいているため、それに応じてクリエイターに収益が入る仕組み。

作成されたモデル、LoRAは販売が可能。
学習量に応じて最低販売価格に制限がかけられる。
売買が成立した際にも学習元のクリエイターに収益が入る。

最低価格の制限は1,000枚の学習元が存在する際に10円などで売られると1次クリエイターへの収益が見込めず、実質無料配布のようになることを避けるため。

この仕組みなら同意したクリエイターのみが学習元を提供し、モデル/Lora作成者、AI生成者の全てが1次クリエイターにライセンス料を払い、商用利用もクリーンに行うことができる。

いかがでしょうか?びっくりするくらいシンプルですが、これが現実的な落としどころだと私は考えています。
実際やってみれば普通にできそうな感じがしませんか?

AI技術それ自体は非常に有用なものなので、皆が納得できる形で活用できる仕組みを実現するべきです。

私は、一人のクリエイターとして警笛を鳴らすだけでなく実現に向けた建設的な思考と協力を惜しまないスタンスです。
Twitterを見ていて、AIの賛成/反対どちらも気持ちばかりが先行した言葉が並んでいる印象でした。
なので、一度クールダウンしてきちんと考えて欲しいと思ってこの文を書いています。

私自身は会社つくってプラットフォーム運営するぜ!って気は全くないのでそういったことが得意な人にこの案を自由に使って欲しいです。

あとクリエイターさんやAI使用者の方からこの案についてのフィードバックも聞いてみたいのでSNS等でコメントしてくれると嬉しいです。

それでは、ありがとうございました。
最後に私のポートフォリオも見てくれると嬉しいです。
https://yukidco.myportfolio.com/


オマケ)
この案の悩みどころはやっぱり学習元データのライセンス単価。低すぎると1次クリエイターに還元されないし、高すぎると学習モデル作成者以降の金額が大きすぎて現実的じゃなくなる。

音楽配信サービスの単価感がおそらく参考になるかも?


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