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プロジェクト崩壊の予兆 有識者の不足

システム開発プロジェクトを進めていると様々な事が起きるのですが、その中でプロジェクト崩壊の予兆と思われるものについて書いてみます

開発プロジェクトをシステム監査の立場で見ていると、このプロジェクトの先行きは暗いなと思える事象に「有識者の不足」があります
プロジェクトを進めるための要件として
・必要なスキルを持った要員の確保
・必要な予算の確保
・システム開発において合理的と考えられる開発期間の確保
が必要なのですが、ここで話をするのは
必要なスキルを持った要員=「有識者」の話ではありません

もちろん必要なスキルを持った要員が居なければシステム開発の成功は望め無いのですが、監査目線で見た時にプロジェクト崩壊の予兆と考えられる事象はそこでは無いのです
具体的に言うと、「有識者」の定義が定まっていない

システム開発には、
・対象業務に対する業務知識
 金融システムで言えば、企業財務に関する知識や、預金、融資といった
 業務に関する知識です
・システム開発言語やDB、OSといった業務アプリケーションの開発に
 必要な知識になります
・コミュニケーションスキル
 システムのオーナー部門、利用者部門、システム開発における協力会社等
 との調整を行うためのスキル
・チームマネジメント
・プロジェクトにおける計画の立案や、工程管理、予算管理のスキル
など様々なスキルが必要ですが、これら全てを持つスーパーマンのような人材は居ません

ですから、有識者が不足していると言うときには、どのスキルを保有する要員が不足しているのか明確にする必要があるのです
崩壊の予兆が見られるプロジェクトと言うのは、不足しているスキルの分析が行わずに「有識者不足」と連呼している案件なのです

プロジェクト管理の肝は、人的資源を含むリソース管理です
PM(プロジェクトマネージャ)が不足するリソースの分析を放棄(脳作業停止)して「有識者不足」を言い始めたら、そのプロジェクトは危ない局面を迎えつつあると判断しても良いかも知れません


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