子供のプログラミング教室って、意味ない?二章
子供対象プログラミング教室の3つの事実
では、このプログラミングは現在、子どもの習い事としてどの様に落とし込まれているのでしょうか?
先にプログラミングが、
・専門技能である
・身近でない
・習得は学習から練習
と述べましたが、これらは子どもの習い事としてしまう事により、以下のような誤解や矛盾を生む要因となってしまいます。
成果の可視化が難しい?
否定的な意見に「成果が見え難い」があります。そもそもお子様がプログラミングの学習内容を話してくれても、又作成したゲームについて話してくれても、それのどこが良いのか?又優れているのか?評価する事ができるでしょうか?ほとんどの親御さんは良く判らないでしょう。その原因は先に述べた、一般的でも身近でない、事に起因します。
例えば、英会話教室に通っていて、棒読みでないネイティブに近い発音ができるようになると、それを習い事の成果であると当然実感できるでしょう。どうして実感できるのでしょうか?
英語って、私たちの周りで聴く機会がたくさんありませんか?一番近いところで海外の映画で耳にしますし、何より私たちは小中学生から英語教育がありましがので、嫌でもLL教室などで練習させられましたね。
身近・・、とは否応なしに周りに存在すること。
私たちは否応なしいかに発音がネイティブに近いか?を評価する物差しのようなものを持っています。だからこそ、成果を評価できる。
どの習い事でもそうですが、よく知られて一般的である点はとても重要です。
プログラミングの習得を前提としていない
さて、プログラミング教室の成果って、プログラミングが習得できる・・、と思っていませんか?
習得とはプログラムコードを自力で作成できる、事とすると、ほとんどの子どもを対象としたプログラミング教室では習得を前提としていません。
その様な思い込みがあるのも、先に述べた専門技能であるが為、大人対象のスクールとの混同があるからではないでしょうか。
そもそも習得を保証しないのは大人対象のスクールの場合でも同じです。
習得のプロセスとして[ 文法の学習 ] → [ コードを書く練習 ]、と先に述べました。習得にはこのプロセスが欠かせないのですが、スクールでは大人子供に関係なく、仮に練習をサポートしても習得につながるか?は個人差があるので、自己責任として本人に委ねられています。
講師はプログラミングを知らない・・?
先にプログラミングの習得は独学でも可能であると述べました。では学習だけで習得までサポートしないスクールの価値?とは何でしょうか?
実は独学と言っても限界があり、どうしても専門の方に聞いてみたい問題が必ず出てきます。
大人対象の場合は、エンジニア経験者など、プログラミングに一定の技能を持つ講師から直接指導を受けられます。専門講師の指導により、学習のスピード、理解度が独学よりも格段に違ってきます。これこそがの最大のメリットです。
では子ども対象のプログラミング教室はどうでしょうか・・
一応講師やインストラクターなどと呼ばれている人が指導してくれますが、プログラミングの知識や技能を身に付けた方か?と言うと、実はそうではありません。例えば子供のプログラミング教室の講師を募集する求人広告にはこのように書いてあります。
「プログラミングの知識が無くても大丈夫!」
「プログラミング未経験でもOK!」
「プログラミング経験者歓迎!」
これは一体、どう言う事でしょうか?
まずプログラミングを学ぶ前にアルファベットやパソコンのキーボード入力など予め知っていること出来ることに、大人と子供では違いがあります。
しかしScratchなどのビジュアルプログラミング言語の力を借りる事で、そのハードルはかなり下がり、先に述べた文法の学習に関しては子供でも大人と同じように取り組む事ができます。しかし講師、となると違ってくる・・。大人の場合、受講者の目的が「習得」とハッキリしているので、能動的になるのに対し、子供の場合はそもそもが習い事。ほとんどが親御さんの希望なのでどうしても受動的となってしまいます。
そういえば子ども対象のプログラミング教室への否定的な声に「教室に通わなくても独学でも学べる」とありましたが、それは子どもに「習得したい!」と言う強い希望、つまり能動的あることが前提です。このような声がも、先に述べたように、大人対象の教室との混同に起因しているのではないでしょうか。
プログラミング教室の習い事としての対策
この能動的か?受動的か?が子どもを対象としたプログラミング教室の重要なポイント。そもそもプログラミングは「習得したい!」と言う強い希望(能動的)があれば独学による習得も可能です。その上でスクールに通うのは講師からの直接指導を期待するのは当然ですよね。
対して子ども対象では、プログラミングまたコンピュータそのものについても知識経験ゼロからのスタートがほとんど。そもそもが受動的な生徒が対象なので、講師の専門知識や経験の必要性が低くなるのは当然と言えば当然です。
「専門の人が教えてくれなくても学べるの?」と心配になりますが、講師に専門知識が無くても学習がスムーズに進むよう、テキストに限らず動画やアプリなど、魅力的な教材で学習をカバーしています。
次回3章では対応方法をタイプ別に述べさせて頂います。
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