読んだ本(3)THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本
ブレイディみかこさん著、2015年頃に英国から日本に半年ほど帰国(?)された、その時のことを書かれています。
エピローグに書かれていましたが、「日本に行くのでその間に関わりたい人は連絡を!」のようなことをブログに載せ、それに反応した方々と行動を共にされたようです。
最近では、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」がとても有名になりましたね、まだ読めてませんが…妻によると図書館では300人待ちのようで、、すごいですね
で、こちらの本ですが、根底のテーマは「貧困問題」かなと。貧困に対する全国民のとらえ方、かもしれないですね。ただ書いてある範囲は多岐にわたっています。もう感じたことを書くと途方もなさそうなので、箇条書きでこんなことが書いてあった、という点を列記します。
・労働に対する、対価としての給与や待遇
・中流と下流、総中流という感覚、貧困。それは自分たちとは別のところで起こっていること
・これからどうなるかは「あえて考えない」、という日本人の独特な思考
・日本のNPO:社会学の知識や制度批判の姿勢などが不足
・ソーシャルワーカーの立ち位置
・保育士としての目線。都内の数か所の園を見学し、英国との違いをレビュー。国ごとの配置基準(園内の年齢別の子供、何人に保育士が何人必要か)
・デモに対する日英の雰囲気の違い
・「人権とは?」もともと誰にでもある、という英国(外国ほぼすべて?)と、「税金を納めたり、労働して役に立つ」という日本。もう、「生きるとは」とか「命とは」っていうレベルですね。はじめて自分でも「人権」について考えたいと思うきっかけになりました、これは。
・貧困に対する教育段階での姿勢。日本には「自分たちの今・過去・未来」に自分が貧困になる、という発想はなく、貧困な状況の「他人」に対する態度をどうするか、という点のみが示されている
・日本:地域別で経済的な格差は「何となく」あるが、保育園や小学校では入り混じっている
・英国:そもそもエリア別の経済的な格差がはっきりしている。そのため、日本のように混ざらない。
最後に世田谷区の多摩川の土手っぺりにある保育園のようなグループのことが紹介されています。「二子玉」というハイソな響きに反して、そこの子たちは自然に立ち向かっていき、高い土手をよちよち歩きの子を歩かせる。それを見守る母親たち。そこまではよくありそうですが、その子たちにはホームレスの方との接点があります。一緒に遊んで、手作りのおもちゃなどをもらったりしているそうです。上記した通り、英国ではありえない光景なんだそうです。ここでこの本は「不思議だなー」となり、そこでほぼ終わります。
日本は、自分たちと同じ地域や同じ感覚で一緒にいる・動く人には、親近感というか背景を気にせず付き合えるのかもしれません。
世間と社会の違い、という言い方も本で読むことがありますね。
自分の社会、つまり関わりがある人には、挨拶するし話もする。しかし、そうではない「ただいる人」=世間については、電車で降りるときに何も言わずにぶつかるような人とかでしょうか…あれって知り合いには絶対しないと思うんですよね、、
欧米では、知らない人にも軽くあいさつしたり、ちょっと話しをしたりします。つまり、世間≒社会という感じでしょうか。上記した日本は世間≠社会ですね、完全に。
1か月ほど、英国のブライトンというところでホームステイしましたが、本当にきさくというか今そこにいる人間とは普通に接するぜ、という態度があったんですよね。全然知り合いでもない人なんですけどね。あれはもしかしたら、「人権」という深くて重い意識があったのかもしれない。と今これを書いていて思い出しました~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?